2021
01.19

社宅と寮の違いは?メリット・デメリットを解説!~コロナ禍で変化する社宅事情~

【この記事でわかること】
・社宅と寮の違い
・社宅・寮(会社所有物件)それぞれのメリット・デメリット
・社宅と住宅手当、企業・従業員にとってお得なのはどちらか
・コロナ時代の社宅事情の変化

目次
1.社宅・寮とは? 企業が社宅制度を導入する理由
 1-1.社宅の種類
 1-2.社宅の役割とは?企業が社宅制度を導入する理由は福利厚生と節税効果
 1-3.社宅制度は求人分野でも効果あり!人材確保の新たな一手に
2.社宅と寮の違い、入居条件、メリットとデメリットは?
 2-1.「社宅」「寮」明確な違いはない?
 2-2.社宅の入居条件は?
 2-3.生活コストの安さが「寮」の魅力
 2-4.メリットにもデメリットにもなる寮生活の人間関係
 2-5.従来型の社宅では築年数や設備の古さが課題に
3.借り上げ社宅と社員寮(会社所有物件)、どちらがいい?
 3-1.社員寮(会社所有物件)は費用面にメリット、ただし老朽化が問題に
 3-2.借り上げ社宅は社宅制度と一般賃貸住宅のハイブリッド
 3-3.社宅と住宅手当の違いは?会社と従業員双方におトクなのはどっち?
4.2020年コロナ禍、「寮」から「借り上げ社宅」への切り替えシフトが加速
 4-1.感染対策&経費削減策としての借り上げ社宅導入増加
 4-2.人材採用時のアピールポイントにも
 4-3.借り上げ社宅を準備するには?

社宅・寮とは? 企業が社宅制度を導入する理由

社宅の種類

いわゆる社宅とは、「従業員やその家族を住まわせるために、企業が提供する住宅」の総称です。大きく分けて、企業が所有する物件を提供する「社有」と、民間の賃貸マンションなどを企業が借り上げて従業員に提供する「借り上げ」の2種類がありますが、住宅の種類は集合住宅や戸建などさまざまで、決まりはありません。借り上げ社宅でもマンション1棟を借りる場合もあれば、フロア単位、部屋単位で借りる場合もあります。

昭和の高度成長期を背景に、地価が高い都市部で地方からの労働力を確保するために建設された社宅ですが、今や企業に余力がなくなり、社宅の新築件数は減少傾向です。しかし令和になっても依然住宅費が高い都市部で社宅制度の注目度は高く、求人情報サイトの検索項目でも「住宅補助」は上位。社宅は福利厚生だけではなく、企業戦略に合った人材確保や従業員満足度アップに役立つツールとして、若手・単身者向けを中心に復調しています。

社宅の役割とは?企業が社宅制度を導入する理由は福利厚生と節税効果

社宅制度の主な目的は福利厚生です。従業員の負担が大きい住宅費を補助することで、生活コストが抑えられ、従業員満足度にダイレクトにつながります。また、遠方からの新卒入社の社員は慣れない勤務地で不安なものですし、転勤者にしても物件探しや不動産賃貸契約などがあると煩わしいばかりですが、社宅制度が活用できればスムースに新生活に向かうことができ、従業員のモチベーション向上にも貢献します。

さらに社宅制度は従業員と企業双方の節税にも一役買っています。社宅費は給与から控除されるため、給与に算入される「住宅手当」と違い、補助でありながら従業員の所得額は上がらず、所得税の節税になる上、社会保険料も増額しません。企業にとっても、社宅で負担した金額は福利厚生費として経費に計上できるため節税につながります。

社宅制度は求人分野でも効果あり!人材確保の新たな一手に

もうひとつ、最近注目されているのが求人分野でのアピールです。働き方改革で労働環境が変わる中、就活や転職市場でも社宅の存在は注目度大。就職や転職の情報サイトで検索項目に「住宅補助」があると、高騰する住宅費が抑えられ実質的な収入増になると判断され、ヒット数が上がることから、福利厚生だけではなく、企業戦略にリンクした人材確保の一手としても見直されています。

社宅と寮の違い、入居条件、メリットとデメリットは?

「社宅」「寮」明確な違いはない?

企業によっては家族向けの住宅を「社宅」、単身者向けの集合住宅を「社員寮」と使い分ける場合もありますが、決まった定義はありません。一般に寮では水道光熱費が寮費に含まれていたり、食事が提供されたりといった生活面でのサポートが充実している場合が多いようです。
社宅の場合、設備やサービスは一般賃貸住宅とほぼ同じです。提供する住宅は、企業の自社物件、アパートやマンションの一棟賃貸、社宅管理会社と契約して施設利用とさまざまですが、最近では一般物件を企業が賃貸して従業員に貸し出す「借り上げ社宅」が増えています。

社宅の入居条件は?

入居条件についても、新卒社員全員に社員寮の入寮を義務づける企業もあれば、通勤距離で規定があるなどさまざま。新人の入寮が必須でない場合でも、通勤条件によって希望すれば社員寮を利用できることもあります。入居期間も入居4年で退去など、社内規定によって違います。また、雇用形態が多様な時代、企業によっては、正社員に限らず、契約社員やパート・アルバイト、派遣社員であっても社宅制度を利用できることもあります。

生活コストの安さが「寮」の魅力

寮とは一般的には単身者向けの集合住宅を指します。最大のメリットは住宅費の安さ。社宅規定により、全額会社負担のことも寮費を徴取することもありますが、単身でも生活に困らないように家具や食事がついていたり、水道光熱費が一部寮費込みだったり、Wi-Fi設備が整っていたりすることが多いので、従業員の生活コストを抑えることができます。主流は個室ですが、一部屋を複数人でルームシェアする場合も。また友人や家族など居住者以外の立ち入りを制限したり、門限があったりと、独自のルールが定められていることもあります。

メリットにもデメリットにもなる寮生活の人間関係

また新卒社員は、会社の寮で同期や先輩との共同生活を通して人間的なつながりができ、心の健康や仕事にプラスに働く面もあります。しかし中には会社の人間関係が私生活に及ぶことにストレスを感じる人もいるようです。最近では公私の区別に配慮し、複数の会社が入居する一般のシェアハウスのようなスタイルをとる社員寮もあります。

従来型の社宅では築年数や設備の古さが課題に

いわゆる社宅は、集合住宅だったり戸建だったりと多様ですが、周辺相場の賃貸家賃より安く、転居費用などが会社負担になることも多いため、一般賃貸住宅を自分で契約するより住宅費を低く抑えられる点が魅力です。ただ、会社所有の場合は築年数が古かったり、面積が小さかったり、住環境が選べないなどの不便も。
そういった点から最近では一般賃貸物件を活用する借り上げ社宅が増えています。借り上げ社宅では、通勤時間、家賃など社内規定の条件を満たせば従業員が物件を選べる場合もあり、従来型社宅のデメリットをクリアし、ライフスタイルの多様化に沿った自由度の高い制度として従業員満足度アップにつながります。

借り上げ社宅と社員寮(会社所有物件)、どちらがいい?

近年、増加している「借り上げ社宅」ですが、会社所有と比較した場合のメリットとデメリットを整理しておきましょう。

社員寮(会社所有物件)は費用面にメリット、ただし老朽化が問題に

従業員にとって会社所有社宅のメリットといえばなによりも費用面です。社宅でも寮でも会社所有では、敷金礼金が不要で、月々社宅費として払う賃料も周辺相場よりも安く抑えられています。また退去時にも原状回復費用や敷金などの費用が低く済むことも多いようです。
新卒社員や若手従業員の場合は費用面と合わせ、人間関係でもプラスに働くこともあります。寮では会社の同期や後輩先輩が身近におり、新人でも孤独を感じにくく、新生活が安心して始められるのも大きな利点です。会社所有の社宅であれば、従業員が払う寮費や社宅費は会社の収入になり、社外に賃貸住宅として貸すこともでき、資産としても価値があります。

住宅としてのデメリットはまず物件の築年数の古さが挙げられます。耐震構造やセキュリティなどの設備、外装や内装などの面でも、築年数が古い物件は敬遠されがち。また、働く親にとっては保育園や小中学校の学区など、社宅の地域や環境が選べないという問題もあります。社宅の老朽化は、維持管理にコストがかかり不良資産になりかねないという意味で、企業にとっても大きなリスクです。

借り上げ社宅は社宅制度と一般賃貸住宅のハイブリッド

その点、企業の不動産取得費用や維持管理費を節約でき、必要に応じた住宅提供が可能なのが借り上げ社宅です。これは一般不動産物件を企業が賃貸し、従業員に貸し出す制度で、最近では福利厚生と経費削減を両立する制度として採用する企業の割合が増えています。100%の会社所有社宅と較べると、特に家賃を一部負担するケースでは地域の相場次第で高くなることがありますが、最大のメリットは選択肢の広さです。
住宅の築年数や広さ、通勤や住環境など、ある程度従業員のライフスタイルや嗜好に近い住宅を提供できます。借り上げ社宅というと、転勤者対応や家族向けの印象でしたが、最近では単身者向けでも寮ではなく、借り上げ社宅が増えているようです。

ただし、借り上げ社宅は一般賃貸契約なので、当然空室リスクが伴います。契約期間内で途中解約すれば違約金が生じ、解約せずに空室にしておく場合、空室期間は従業員からの家賃収入がないため、費用は企業の全額負担になります。また、1案件ごとに賃貸契約を結ぶため、件数が重なると担当者負担が増大するなどの課題も指摘されています。

社宅と住宅手当の違いは?会社と従業員双方におトクなのはどっち?

住宅補助には「住宅手当」もありますが、同じ福利厚生でも、税金や保険料などで大きく違います。税制上、住宅手当は「給与の一部」として捉えられるため、所得税や住民税などの課税対象になります。結果的に従業員の手取り金額が減り、給与として支給される金額が増える分、会社側にとっても、厚生年金や健康保険といった社会保険料の負担も増えることになります。一方、社宅制度の場合は、一定の条件を満たせば、給与ではなく「会社の経費」とみなされるので課税対象になりません。そのため、支給金額がすべて給与として計算されてしまう住宅手当と比べると節税になると言えます。

2020年コロナ禍、「寮」から「借り上げ社宅」への切り替えシフトが加速

感染対策&経費削減策としての借り上げ社宅導入増加

そもそも多くの企業が従来から所有する社員寮・従業員寮は築年数が古く、維持管理にコストがかかるため社宅制度を見直す企業が少なくないのが現状ですが、コロナ禍で2020年から単身者向け寮から「借り上げ賃貸住宅」への移行が増加しています。21年の年明け早々2度目の緊急事態宣言が発令され感染拡大が懸念される中、寮生活でのクラスターリスクを回避しつつ不動産取得などのイニシャルコストを抑えた住居提供を考えると、適切な対応ではないでしょうか。

人材採用時のアピールポイントにも

急増する社宅シフトには、ウィズコロナ、アフターコロナの要請のほかに、働く側の意識改革も大きく影響しています。働き方改革での制度変更や、新しい日常でテレワークやオンライン会議、時短勤務などで働き方が多様化するに従い、自宅での仕事スペースや通信設備、遮音や通風、日当たり、周辺地域など、今まで以上に住環境を重視する人が増えていくのは必定。これからの社宅は、働く場としての機能性、ニーズに合った多様な選択肢、自由度の高さが、転職や就活市場でのエンゲージメントを向上させる施策としてアピールポイントになっていくと考えられます。

借り上げ社宅を準備するには?

実際に社宅を用意するためにはどのようなステップを踏めばよいのでしょうか。ここでは借り上げ社宅の場合を例に、手順を説明していきます。

①条件を決め、物件を探す
物件を探す前に、間取りや周辺環境、築年数、建物の構造などのほか、必要な部屋数や会社との距離、予算などを話し合い、社内でコンセンサスをとっておきます。条件が決まったら、具体的にまとめ、不動産会社や仲介業者に相談するとスムーズです。

②物件の下見(内見)をする
候補を絞り込んだら、内見の段取りを組みます。居住スペースが条件を満たすものになっているか、実際に足を運んで確かめます。最寄り駅まで道のりや、周辺環境(スーパーやコンビニ、病院、学校など)についてもチェックしておきましょう。
場合によっては、部屋の写真や資料を取り寄せたり、不動産会社の担当とオンライン相談をしたりなど、内見を省略できることもあります。
複数の物件の契約をしなければならないケースや、遠方の物件など内見を省略したい場合は、建物の外見や部屋の内装などの物件写真が充実しているサイトを選ぶとよいでしょう。

③申し込む
条件に合う物件が見つかったら契約を申し込みます。不動産会社や仲介業者が指定する申込書に記入し、必要書類を提出します。法人契約となるため、実際の処理は総務などが行う場合が多いでしょう。会社謄本や法人税納税証明書など、会社の規模によって必要となる書類が異なるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
なお、不動産は早い者勝ちのため、申し込みが遅れると他の企業に取られてしまうことがあります。仮申し込みを受け付けている業者もいるので、なるべく早く物件を押さえられるようにしておきましょう。

④契約内容の調整
不動産会社や仲介業者による審査を通過したあとは、社宅に関する社内規約を満たせるよう、契約内容を確認して差異がある場合は調整を行います。無事合意が取れたあとは、契約の締結に移ります。

⑤契約の締結
合意が取れた内容をもとに、契約を締結します。初期費用を振り込み、契約書の取り交わしを行います。

⑥入居準備
無事契約を済ませたあとは、不動産会社や仲介業者から鍵が引き渡されます。引き渡しの際は印鑑や身分証明書が必要となる場合があるので、事前に担当者に確認しておきましょう。

⑦入居
従業員からの申し込みを受け付け、社内での手続を経たあと、実際の入居へと移ります。電気、ガス、上下水道、固定電話などのインフラ開通手続きも並行して進めます。

煩雑な社宅関連業務が一任できるサービスも

社内の意見調整から始まって、専門知識が必要な業者とのやり取り、慣れないと社宅担当者の負担は大きいもの。煩雑な不動産契約、さらに現地立ち合い、入居者の諸手続きなどもあり、通常業務と並行して社宅業務を行う担当者の業務量とストレスは膨大なものになりがちです。転勤が多い企業などでは、一連の社宅業務そのものを専門業者に丸ごとアウトソーシングするところも増えています。借り上げの場合は一般賃貸物件ですから、トラブル時などにも社宅事情に詳しいプロに委託しておけば、安心ですね。

(マイナビBiz編集部)
※本記事内の情報は2021年1月時点のものです。

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