コロナ禍だからこそ新入社員の受け入れ態勢が重要! Z世代社員の定着率UP・離職防止のために総務・人事担当者が心がけること


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2021年度の新入社員を含む「Z世代※1」は人生の大半を不景気の中で過ごし、激変する社会の中で育ったため、仕事に対して上の世代とは違う価値観を持っています。では、どんな施策をすれば新入社員のエンゲージメントが高まるのか、2021年4月に実施したアンケートをもとに検証してみましょう。
※1)90年代以降に生まれた世代、幼少期からSNSに触れているためデジタルネイティブの次世代ソーシャルネイティブとも呼ばれることもある

Z世代、コロナ不況下でも離職願望変わらず

アンケート(マイナビ転職『2021年新入社員の意識調査』)によると、新入社員の28.3%が「3年以内の退職」を意識しており、「10年以内」に離職する可能性を示している人は半数を超えています。コロナで不況ムードが漂う中、転職動向は鈍化するかと思いきや、むしろコロナ禍前の2019年よりも増加しています。一方定年まで働きたい人の割合は16%で減少傾向。同じ会社で長く働くイメージを持つ人が少なく、離職率が上昇している印象です。

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離職を考える理由を見てみると、女性は「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから」が、男性では「転職によってキャリアアップしたい」がトップです。出口の見えない不況や技術革新を見ながら育ったZ世代にとって終身雇用は過去のもの。ソーシャルネイティブとも呼ばれ、転職情報が入手しやすいことも一因かもしれません。また労働力人口の減少で人手不足が続き「その気になれば転職は容易」といった転職市場のイメージもあるでしょう。いずれにせよ、不安や違和感を抱えてガマンするよりは、ライフプランに合わせて次の職場を選びたいという志向性が見られます。

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イマドキ新入社員が抱く期待と不安、やりがいの実情は?

新人が社会人生活に期待していること、不安に思うことはどんなことでしょうか。アンケートからひも解いてみましょう。

期待するのは、収入より成長や社会貢献度

新入社員が社会人生活で期待していることの1位は「自分が成長できる」2位は「新しいことに挑戦できる」3位は「社会や会社に貢献できる」でした。これまで上位だった「収入が得られる」は4位で、働く目的は生活のためだけではなく、仕事を通していかに自分が成長できるか、世の中に貢献するか、ということに期待と関心が高い傾向があるようです。

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新人らしい不安要因、早期フォローが大切

不安要因について聞いてみると1位は「仕事をうまくこなせるか」2位は「上司・先輩・同僚との人間関係」3位が「環境の変化に対応できるか」でした。社会人として仕事をしていく上で重要だと思うことを聞いた設問では「良好な人間関係」がもっとも重要視されています。上司や先輩に指導してもらいたいことも「仕事の進め方や基本」が上位です。
いつの世も新人が不安なのは当然ですが、選択肢が多く転職に躊躇がないZ世代をつなぎとめるためには不安が膨らむ前に研修などでフォローし、不安が不信に変わる前に対処するのが理想。せっかくの成長願望や先輩から学びたいという新人のやる気をしぼませないために「つかみ」が肝心ということですね。

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働き方改革がデフォルトのZ世代は私生活重視

2019年厚生労働省が関連法案を施行した後、世間にも「働き方改革」の考え方が定着してきました。21年度入社の新入社員にとって「自分の意思で働き方を選ぶ権利」は織り込み済み。アンケートで仕事とプライベートの配分について聞いてみると、プライベート優先の生活を送りたい派が6割強、仕事優派は3割ほど。「仕事<私生活」の現象は2015年に逆転して以来差が広がっています。
残業については「必要な残業であれば」という条件付きも含めて6割以上が「してもよい」という結果。ここでも納得感が大事、上司や先輩の説明責任がやる気に影響すると考えられます。

若手のやりがいは成果より人間関係に起因

また新人社員が「やりがい」を感じるポイントについては別の調査があります。そのアンケート(マイナビBiz調べ「新入社員のやりがいに関する調査」2018年~2021年入社の若手社員対象、21年7月実施)によると、「やりがい」を感じている人のうち7割が「上司や先輩とコミュニケーションをとる機会」や「上司や先輩からビジョンや仕事に対する思いを聞く機会」があったと回答しています。また8割が「入社初期に自分の考えや想い、不安などを先輩や上司に伝えられる場」があったと答えています。新人では「やりがい」に関しても、先輩や上司との双方向コミュニケーションが重要だということが数字で見て取れました。

不安が大敵、新入社員エンゲージメントアップのコツ

ポジティブ体験でミスマッチ感を払拭

新人の離職は職場とのミスマッチを意識し、不安を抱くことから始まると考えられますが、逆にいえば「合っている」と感じる以下のようなポジティブな経験をすることで「自分の会社選びは間違っていなかった」と確認でき、帰属感を高めることが期待できます。

*職場に価値観が近い同世代が配置されており、気軽に話せる人間関係がある
*新入社員研修が丁寧、その後も上司や先輩のサポート体制が整備されている
*理不尽な残業や長時間勤務、勤務外の付き合いを強要されない
*プライベートを保てること。個人としての選択・生活の自由度もあること


人事や総務、教育担当者はこのようなことを念頭に置き、新入社員研修や指導体制を整えることで、新人の離職につながる不安を払しょくしやる気アップにつなげましょう。

「自社=よい会社」という認識が帰属感を強化する

アンケートで「社会人生活で期待していること」では「社会や会社に貢献できる」が3位に入っていましたが、社会貢献度は評価の上で重要なキーワードです。企業サイトを見れば経営理念もトップのビジョンもオープンな時代。儲け主義ではなく、社会課題に向き合い、従業員も大切にする優良企業であることを明確にアピールすることは、会社や仕事を誇らしいと思う気持ちを呼び起こします。

研修体制などの教育面、社宅など福利厚生面でのインナープランニングも「よい会社」の判断基準になります。新入社員にわが社=ホワイト企業と認識されるには、従業員のライフイベントやキャリアプラン、ワークライフバランスにも配慮して、ウェルビーイングをサポートする努力が問われる時代になったということではないでしょうか。現状、理想的な環境を提供できていないとしても、将来的な待遇改善や組織改革、ツール環境の整備などに前向きな姿勢を示すことは効果ありです。人材投資に積極的な態度は、採用力向上につながり、生産性を高める結果に結びつくでしょう。

新入社員研修の3カ月がその後の3年を左右する!?

先ほどの「やりがい」についての調査でも、入社3年以内に「先輩や上司とコミュニケーションをとる機会」「ビジョンや想いを聞く機会」があったと答えている新人の7割が「会社・部署が好き」と回答しています。上司や先輩社員に新人を育てようという気持ちがしっかりある場合、愛着は日々の業務の中で育まれるという結果です。そうなると、新入社員研修はまさに最初の一歩ですから、会社の第一印象を決めるといっても過言ではありません。初めて社員として社内の人と接触する大事な時間に立ち会う運営側、講師サイドの受け入れ態勢が問われます。思いのほか長期間(3カ月研修の場合は1350時間、日程に換算して56日間)研修を受けることを考えても、ここでの印象がもたらすモチベーションへの影響力は軽視できませんね。

オンライン新入社員研修、効果アップのために押さえたいポイントは?

コロナ禍の影響はまだ数年続くと思われますが、研修についても対面だけではなくオンラインとハイブリッドで考えざるを得ません。特に新入社員研修の目的は社風を学んだり、先輩や同僚社員と知り合ったりする最初の機会でもあるので、オンライン開催の場合でも以下の留意点に気をくばる必要があります。いずれにせよ、研修計画には、大切な時期にモチベーションを下げないよう、対面+オンライン双方のメリットを生かした工夫が必要です。

【オンライン研修での留意点】
*参加者同士に面識がない
*新人なので会社や業務を知らない
*受講生の個人差が大きい
*知識や技術の習得だけが目的ではない

オンライン研修で、理解度やコミュニケーションに不安を抱かせないためのポイントとしては、新入社員が受け身になりすぎないように、事前課題を出してアウトプットの機会にする、受講メンバー同士で自己紹介や雑談の時間をつくる、グループに分けて発言回数を増やすなどがあげられます。また、研修が中断しないように、ツールの使い方を事前に共有しておく、Wi-Fi環境を事前に整備しておくなど丁寧なオリエンテーションも大切ですね。

というのも、前世代に比較してソーシャルネイティブ世代はツールやWi-Fiなどの研修環境で会社の評価を変える傾向があるからです。アンケートでも「職場(寮・社宅がある場合は住居も含む)での業務を行ううえで、ツールや備品などの環境は整っているか」の問いに対し、やりがいを感じている社員では8割が業務環境が「整っている/まあまあ整っている」と答えています。新人にとってWi-Fiが整った社宅など、オンライン勤務や研修にストレスを感じない環境整備もモチベーションを左右することがうかがわれます。

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研修の充実と環境整備で、定着率95%の好例も

実際に新人に対する施策で3年後の定着率をアップした例もあります。
この企業(※2)では学生が内定すると1人ずつ面接を実施し、入社前に企業側と新人が忌憚(きたん)なく話し合える機会を設けミスマッチを防いでいます。さらに学生の保護者にも企業としての信頼性を訴求、理解してもらう丁寧な対応をしているそうです。

新入社員研修でも会社の社会的貢献度を周知し、新入社員にもプライドをもってもらえるよう工夫。コロナ禍では、社員の健康やストレス軽減に配慮してWi-Fi環境が整備された研修用社宅の活用にもいち早く踏み切りました。さらに3年目をゴールとしたキャリアプラン設計等についても研修を設けてフォローするなど、若手を導く体制を確立した結果、入社3年後の定着率が95%という実績をあげています。
※2)新人定着率95%を達成した株式会社SHINKOについて詳しくはコチラ

ストレスのないオンライン研修環境で、好待遇感アップ

オンラインだと研修を受ける環境は自宅や社宅など様々、通信環境やツールのクオリティにバラつきがありコミュニケ-ションがスムーズにいかないこともありがちです。在宅勤務になった従業員の1/3が自社への愛着が低下したという報告(※3)もあります。
ストレスなく研修効果をあげるには、一律に整った環境で研修を受けられることが肝心。感染の安全対策としても、社員の身心の健康を第一に考えて無理に集合研修にせず、オンライン環境が整った社宅などを活用することで、若手社員や家族の信頼を得られるのではないでしょうか。
※3)出典:GAPRISE INC 「コロナ禍におけるテレワークの課題とは?調査レポート2020」

期待に胸を膨らませて入社してくるフレッシュマンに関わる担当者としては、精いっぱいの受け入れ態勢を整えて迎えたいもの。新人のエンゲージメントアップの施策について、幅広く検討することは、少子高齢化時代に欠かせない企業の成長戦略です。


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(マイナビBiz編集部)
※本記事内の情報は2021年8月時点のものです

◆アンケート出典◆
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【調査概要】マイナビ転職『2021年新入社員の意識調査』
調査期間:2021年6月25日(金)~6月28日(月)
調査方法:2021年卒の新入社員を対象にWEB調査を実施
有効回答数:800名(内訳:22歳~23歳の男性400名、女性400名)
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