外国人を雇用するメリットや注意点は? 採用時の手続きや必要書類を解説
優秀な外国人を雇用したいと考える企業も多いでしょう。外国人従業員の採用を検討する際、どのようなことに注意すれば良いでしょうか。
外国人を雇用するメリット・デメリットや、外国人を採用するまでの流れ、採用時に必要な手続き、必要書類を説明します。
マイナビBizの外国人社員用社宅の資料をダウンロードする
外国人を雇用(採用)するメリット
外国人の雇用は企業側、従業員側の双方にメリットがあります。どのようなメリット・デメリットがあるのか確認していきましょう。
雇用側のメリット
雇用側にも外国人従業員を雇用するメリットはさまざまあります。
優秀な働き手を増やしたい、海外への事業進出を視野に入れている企業が積極的に採用をしています。
具体的に下記4点のメリットを見ていきましょう。
・優秀な社員の確保
・人手不足解消
・海外進出の際の即戦力
・新しい発想を取り入れられる
・インバウンド事業にも対応できる
近年の日本は少子高齢化の影響もあり、どこの企業でも若い労働力の確保が課題となっていると言えます。その中で外国人の雇用は単に労働力の確保につながるだけでなく、優秀な人材を採用するチャンスが生まれます。
また、海外進出やインバウンド事業への進出を考える際にも、外国人従業員の採用は大きなメリットになり、多くのビジネスチャンスが生まれます。
外国人従業員側のメリット
外国人従業員にも日本企業で働くメリットはあります。日本企業の多くは教育・研修制度、福利厚生がしっかりしており、外国人従業員も安心して働ける環境が整っています。
また、世界でもトップレベルと言われる日本の顧客サービスを間近で体験できるのは大きなメリットです。さらに雇用状況も安定しているため、急に職を失う心配をせずにしっかりと経験を積めるでしょう。
雇用時の注意点・デメリット
外国人従業員の雇用には大きなメリットがありますが、もちろんデメリットや注意点があります。どういったデメリットが考えられるのか知っておきましょう。
まずは言語や文化の違いがあるため、日本語のみの意思疎通が難しいことは想定できます。外国人従業員がスムーズに職場に入れるよう、設備品、書類などの多国語表記や、外国語スキルの高いスタッフを配置して対応しましょう。
また、外国人従業員の採用は、必要書類や手続きの行程が多いため、担当者の業務負担が増えることをデメリットととらえる企業も多いでしょう。これについては、次の情報をもとに準備が必要です。
外国人従業員が100%力を発揮できるように職場環境を整えて、メリットを活かしましょう。
外国人を正社員として雇用(採用)する際の注意点
まず、労働条件を明確にしておく必要があります。
どのようなポイントに注意して労働条件を設定するか解説します。
求人募集をする際、人が集まるように実際の労働条件よりも良い条件を提示している事がありますが、絶対にやめましょう。
求人募集と実際の労働条件が違う場合、労働基準法違反になる可能性があるからです。
具体的には虚偽の広告・条件によって労働者を募集する行為は、職業安定法第65条8号の違反にあたり、事業者には6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
参考:e-Gov法令検索職業安定法
日本人、外国人に関わらず、求人募集と労働条件は同一にし、契約書に詳細に明記しましょう。契約時に契約書を用いて説明し、納得の上で働くのが重要です。
外国人雇用ならではの法律や届出に注意する
外国人雇用は日本人の雇用にはない法律や届出があるので注意が必要です。届け出をしないと罰則が科される事もあります。具体的な例としては「外国人雇用状況の届出」は届け出を怠ったり、虚偽の報告をした場合、30万円の罰金が科せられるので十分に注意しましょう。
同一労働同一賃金を遵守する
外国人従業員の待遇が不平等になっていないか確認しましょう。
外国人従業員だからといって賃金、労働時間、その他の労働条件について特別な取り扱いをすると労働基準法に違反する可能性や、在留資格が取得できない可能性があります。
外国人従業員の労働条件で起こる問題には、給与水準が低く冷遇される場合もあれば、逆に待遇が良すぎる場合もあります。
従業員の国籍を理由に労働条件に差が出ないように同一労働・同一賃金の原則を守ることは当然として、採用側として、労働条件についての説明も十分にすることが必要です。
外国人を雇用(採用)できないときの断り方
外国人の採用において、残念ながら雇用できないときの断り方は、通常の採用活動における断り方と同じです。当然のことながら「外国人だから」を理由に採用を見送ってしまっては労働基準法違反になります。
もちろん、採用の基準も通常の採用活動と同じであり、採用することで企業にメリットをもたらしてくれるかどうかが重要です。その結果、企業が求める基準に達していないと判断した場合は通常の流れで採用を断らなければなりません。
外国人を正社員として雇用(採用)する時の手続きと必要書類
外国人を正社員として採用する場合の手続きや書類について説明します。
社内の受け入れ体制を整える
社内で外国人従業員を採用する理由を共有して、受け入れ体制を整えておくと良いでしょう。社内の受け入れ態勢が事前に整っていれば、企業側、外国人従業員側も気持ちよく働くことができます。
外国人の住居を確保する
社内の受け入れ態勢を整備するうえで、重要となるのが住居の準備です。
海外人材の受け入れ適した住居の提供を行うサービスを利用するなど、住居の準備にかかる担当者の手間・負担を顕現するようにしましょう。
詳しくは「外国人雇用には住居サポートが必須! 採用・定着に向けた採用担当者の基礎知識」の記事で解説していますので参考にしてください。
在留資格(就労ビザ)の確認
外国人が正社員として日本で働く場合、職種制限が設けられています。そのため、在留資格の取得と確認が必要です。在留資格の確認が漏れてしまうと外国人従業員を採用できなくなる場合があるので注意しましょう。
在留資格取得に必要な書類が企業側と外国人労働者側のどちらにもあります。外国人従業員の採用をスムーズにするため、一覧を用意して、確認しながら手続きをしておくと良いでしょう。
雇用契約
外国人従業員と契約をかわす時には、賃金労働条件をしっかりと用意し、話し合いをしましょう。話し合いの際には、日本人従業員と同じく、雇用契約書や労働条件通知書を用意する必要があります。なぜなら、外国人従業員は日本人従業員以上に契約書に重きをおいているからです。また、契約書を見ながら話すことで、双方の理解が深まり、より良い契約をができます。
外国人を雇用(採用)する際のビザ申請方法
外国人を雇用する際にはビザの申請が必要です。ビザには既に国内にいる場合と、海外にいる場合で申請に違いがあります。それぞれの違いについて説明するので確認してください。
国内にいる外国人の場合
国内にいる外国人の就労ビザ取得には以下の4ステップの流れで手続きしていきます。
1.現在の在留資格を確認
2.現在の在留資格と新しい職務内容の比較
3.雇用契約を作成、署名
4.就労ビザ変更などの対応
つまり、これから就いてもらう職務内容と保有している在留資格に違いがないかを確認する作業になります。もし相違があれば、就労ビザの変更手続きを行い、正しい在留資格を取得しなければなりません。日本人従業員とは手順が異なりますが、一つずつ確認していけば心配することはありません。
海外にいる外国人の場合
海外にいる外国人のビザの取得には国内にいる外人とは別の手順を踏む必要があります。
1.在留資格認定証明書の交付申請
2.海外の在外公館で査証を取得
3.来日・雇用開始
こちらの注意点としては在留資格認定証明書の交付までに2〜3週間が必要ということです。
また、在留資格認定証明書の有効期間が3か月になります。発行までの期間と、発行後の期間に注意して手続きを進めていきましょう。
外国人を雇用(採用)する際に使える助成金はある?
外国人の採用に関してよくある質問が、使える助成金があるかどうかです。結論を言うと、残念ながら外国人を採用するためだけの助成金は存在しておりません。しかし、日本は雇用助成金が豊富なので要件を満たしていれば使える可能性があります。
具体的には下記のような雇用助成金が設けられております。
参考:厚生労働省「雇用助成金」
参考:厚生労働省「キャリアアップ助成金」
参考:厚生労働省「業務改善助成金」
参考:厚生労働省「人材確保等支援助成金」
外国人の雇用(採用)はさまざまな準備が必要です
外国人従業員の採用には、企業にとって様々なメリットがあります。特にグローバル化に備え海外事業やインバウンド事業に取り組む企業であれば、避けては通れない道になります。
海外従業員を採用する際には、日本人従業員の採用と比較すると、採用までの手順も多く、受け入れの体制を整えることもお互いのメリットを活かすためにも重要です。
また、外国人の雇用において住居の確保も企業にとって重要な課題です。基本的に外国人の賃貸契約はハードルが高いとされています。
マイナビBizでは外国人の入居が認められているだけでなく、多言語サポートや入居時のサポートがあり、外国人の方でも気持ちよく住めるようなサービスが展開されています。
今度、外国人の雇用を増やしていきたいという企業の担当者は、マイナビBizの利用を検討してみてください。もし疑問点などありましたらお問い合わせをお待ちしております。
マイナビBizの社宅サービスの資料をダウンロードする
マイナビBizに相談する
(マイナビBiz編集部)
※本記事内の情報は2023年2月時点のものです。