社員寮で食事は提供すべき? メリット・デメリットと提供方法を解説


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健康意識の高まりを受け、社員寮で食事を提供すべきを検討する企業は少なくありません。
この記事では社員寮で食事を提供する際のメリットとデメリット、提供方法を解説します。

社員寮で食事を提供すれば栄養バランスが整い、社員の健康に繋がります。
しかし食事の提供にはコストがかかるうえ、利用するかどうかは社員の判断です。社員寮で食事を提供すべきかどうかは、状況によって異なると言えます。
食事提供をすべきなのか、メリットとデメリットを比較して慎重に判断しましょう。

社員寮や社宅での食事提供の実態を30秒で解説

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人事院の調査によると、平成30年度の時点で社宅を保有している民間企業は45.5%です。転居のないところも含め4割を超える企業が社員に住居を提供している現在、社員寮への関心は高いと言えます。

参考:人事院「民間企業の勤務条件制度等調査」

しかし社員寮をどう運営するか迷っている企業は少なくありません。とくに食事に関しては企業によって考え方の違いが大きく、提供方法にもばらつきがあります。

独身寮(社有)の「食事提供あり」の割合は4割というデータもありますが、借り上げの社宅の場合、約8割が食事の提供をしていません。社員寮で食事を提供するかどうかは、社有か借り上げかによって大きく変わると言えます。

社員寮で食事を提供する3つのメリット

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借り上げの社員寮では、多くの企業が食事の提供をしていません。しかし複数のメリットがあることから、食事提供を求める声も出ているでしょう。

ここからは社員寮で食事を提供する3つのメリットを紹介します。食事を提供するか迷っている方は参考にしてください。

従業員の健康が保たれる

栄養バランスの取れた食事を提供することで、従業員が健康的に働けるようになります。厚生労働省のデータによると、健康に対する不安を感じている人は61.1%と多数派です。

参考:厚生労働省「健康をめぐる状況と意識」

健康的な食事を提供することで健康面の不安を減らせば、より安心して働けるようになるでしょう。2022年時点では自炊しやすい環境を提供し、健康増進を促す企業も増えています

・「感染症対策の観点から対面での接触を減らしたい」
・「自炊の習慣をつけてもらい社員寮から出た際にも健康的な食事をとってもらいたい」

と考えている企業は、自炊環境の整備に力を入れると効果的です。

従業員の選択肢の幅が広がる

多様なメニューで食事を提供すれば、従業員も飽きずに食事を楽しめます。次のような状況の従業員が多い場合、社員寮で食事を提供する意義は大きいと言えます。

・毎日同じコンビニや飲食店を利用している
・食事のバリエーションが少なく栄養が偏っている

同じような内容の食事が続けば、栄養が偏り食事の楽しみも減ってしまいます。複数のメニューや食材からいつでも自由に選択できるシステムを作れば、食に関する自由度が上がり生活の質も向上します。

従業員の交流が活発になる

社員寮内に食事スペースを作れば、社員寮に住んでいる従業員同士で自然と会話が生まれます。食事の内容をきっかけにして、会話が進むケースも少なくありません。

テレワークの導入、コロナ禍での外出規制により従業員同士のコミュニケーション不足は深刻化しています。企業内での連携を強めるためにも、企業が積極的に働きかけコミュニケーションの機会を作ることは重要です。

社員寮で食事を提供する4つのデメリット

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社員寮での食事提供にはデメリットもあるため、慎重に検討する必要があります。ここからはデメリットを4つ紹介するので、ぜひ導入前にチェックしてください。

決めるべきことが多い

社員寮の食事提供に当たっては、企業側で定めるべきことが多く準備に負担がかかります。食事提供の際に決めるべきことの例には、次のようなものがあります。

・提供の方法
・提供する場所
・食事スペース確保の方法
・食事を提供する曜日・時間
・メニューの決め方
・食事提供に関する人材確保の方法
・食費負担の割合

食事を提供するまでの準備には長い時間がかかります。外部業者の活用である程度負担は軽減できますが、業者を比較・検討する際にも決めるべきことは多くあります。十分な準備の時間が取れない場合、食事を直接提供しないという判断も必要です。

運営コストがかかる

食事提供では次のようなコストが継続して発生します。

・人件費
・食材費
・光熱費
・運送費
・衛生用品費

とくに社員寮内に調理場を新設して食事を提供する場合、運営コストも増加します。食事提供で発生するコストが企業の予算を圧迫する可能性もあるでしょう。

予算的に余裕がある場合でも、今後のリスクを踏まえ慎重に検討しましょう。

利用されない

従業員が社員寮で食事を取らない場合、運営コストだけが負担になりメリットを享受できません。

従業員によっては「忙しいから」「好きなメニューがないから」といった理由から社員寮で食事をしないことも考えられます。また長い期間社員寮で食事を取っていると目新しいメニューがなくなり、次第に利用率が落ちるケースも少なくありません

従業員が本当に社員寮での食事提供を求めているか、あらかじめ確認しておく必要があります。

課税対象になることもある

社員寮での食事提供が課税対象になるケースもあるとは知らず、トラブルが起こる場合もあります。

市場より安い価格であっても、有償での食事提供には基本的に消費税がかかります。また社内で運営を行っている場合の原材料の購入代金や水道光熱費、運営委託費は課税仕入れです。

参考:国税庁「No.6471従業員に対する食事の提供」
課税されないためには無償提供が必要ですが、食事の提供が給与とみなされ源泉所得税がかかることもあります。源泉所得税の課税対象とならないのは、次の条件を満たす場合です。

・従業員が費用の半分以上を負担している
・(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)が3,500円以下である

税務に関して不明な点は専門家に相談し調整する必要があるため、食事提供を開始するまでには時間がかかります。

参考:国税庁「No.2594食事を支給したとき」

社員寮で食事を提供する5つの方法

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社員寮での食事提供にはさまざまな方法があるため、社員寮の広さや建物の所有者、従業員の考え方に応じて最適なものを検討しましょう。ここからは代表的な食事提供の方法を5つ紹介します。

食堂

社員寮と聞いて多くの方が思いつくのが、食堂です。社員寮内に食堂を作り調理ができる方を雇えば、出来立ての料理を毎日届けられます。

また食堂があると、従業員同士の会話が生まれるチャンスも増えます。食堂のスペースでイベントやショーを開くなど、アイデア次第でさまざまな使い方ができるのも魅力的です。

ただし食堂は自社保有の社宅でないと実現が難しいです。運用コストの高さから、新しく調理場併設の社宅を保有・建設する企業は多くありません。予算にかなり余裕があり人員も十分に確保できる企業でなければ、食堂の導入は難しいと言えます。

設置型社食

運用コストを大幅に抑えた食事提供方法が、設置型社食です。設置型社食では社員寮の一角に冷蔵庫や専用自販機を設置し、従業員がいつでも弁当や惣菜を購入できる体制を作ります。

設置型社食であればすでに出来上がったものを輸送するだけであるため、調理にかかる人員や運用コストは必要ありません。また調理場も不要であり、スペースを確保しにくい借り上げの社員寮であっても導入しやすいです。

ただし冷蔵庫や専用の自販機を置くスペースはあるのか、賞味期限切れの食べ物はどうするのかなど、事前に確認しておくべき点もあります。実際に導入したときのことをイメージして、確認すべき点をまとめましょう。

宅配サービス

従業員に直接お弁当を届ける宅配サービスなら場所も光熱費も取らないため、どのような企業でも導入しやすいです。企業向けの宅配サービスも現在は充実しており、栄養満点のお弁当を従業員へとスムーズに届けることができます。

ただし宅配サービスを必要としていない従業員への対応は難しいです。社員寮に住んでいる全員に対しお弁当を配ると、余りが出る可能性があります。お弁当が必要な従業員にはあらかじめ申請してもらい、必要量のみ宅配してもらえるよう工夫しましょう。

食事補助券

企業がサービスの提供者と連携し、あらかじめ購入しておいた補助券を従業員に配る形式でも食事の提供ができます。

加盟飲食店の数がたくさんあれば、従業員は豊富な飲食店から自身に適した食事を自由に選択できます。食事を企業側で用意する訳ではないため、食品ロスの心配がないのもメリットです。

ただし場所によっては利用できる飲食店が限定されるため、社員寮の立地によっては導入が難しい可能性もあります。また従業員によっては同じ飲食店ばかり利用してしまい、食事内容が偏ることも少なくありません。

自炊

企業側が直接食事提供をするのとは異なりますが、自炊なら従業員はそれぞれの好みに合った食事を自分の好きなタイミングで取れます。

深夜や早朝でも食事が取れるため、従業員ごとに勤務時間が大きく異なる企業にもピッタリです。また自炊により人と人との接触が減り、感染症予防にも繋がります。

自炊をしたいと考えている従業員が多い場合、自炊向けの設備が整った住居を用意するのがおすすめです。冷蔵庫や電子レンジ、調理器具などがあらかじめ揃っていれば、従業員の金銭的負担も軽くなります。

自炊環境を整え、従業員に自炊を促進する形で健康的な食事をサポートすることも検討しましょう。

まとめ:社員寮での食事提供は時代に合った選び方をしよう

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社員寮の食事提供にはメリット・デメリットがあり、企業の状況によって食事を提供すべきかどうかは異なります。

食事を提供する方法は多様化しており、さまざまな選択肢があるため従業員のニーズやコストの面から総合的にベストな方法を決めましょう。

マイナビBizは社宅サービスを提供しており、キッチン施設の整っているお部屋もご用意可能です。さらに調理器セット、食器セットをオプション契約すれば入居日の当日から自炊できるため、従業員自身で最適な食事を用意できます。

健康意識が高まっている現在、調理器セット、食器セットはほとんどの企業が申し込む人気のサービスです。従業員自身での健康管理を推進するため、ぜひ利用を検討してください。

マイナビBizでは他にもお客様のご希望に合わせた提案が可能です。社宅・社員寮に関してお悩みの方はお気軽にご連絡ください。

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(マイナビBiz編集部)
※本記事内の情報は2023年1月時点のものです。

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