Z世代の早期離職にどう向き合う?“辞めない新人”を育てるためのポイントとは


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Z世代(※1)の新入社員の早期離職は、企業にとって依然として大きな課題です。

2025年の調査では、新入社員の平均月収は23.4万円と前年から1.2万円上昇しました。
一方で、入社2カ月時点で「会社を辞めたいと思ったことがある」新入社員は37.0%にのぼり、待遇改善だけでは定着課題が解消されていない実態も見えてきています。
また、初任給上昇に対しては「嬉しい」という声がある一方で、「一人暮らしするには厳しい」といった声も見られました。給与水準が上がっていても、実際の生活負担や働く実感との間にギャップがあることがうかがえます。

新入社員のエンゲージメントを高め、長く働いてもらうためには、どのような環境整備や支援が必要なのでしょうか。マイナビが実施した最新調査データをもとに考察します。

※1)Z世代は1990年代後半~2010年頃に生まれた世代。幼少期からインターネットが当たり前にあり、デジタル機器が身近な環境で育っている世代を指す。

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”働きがい”がない新入社員の3割が「1年未満」で退職

マイナビ転職が実施した2025年の新入社員対象の調査(※2)によると、今の会社での勤続意向年数は「3年以内」が21.1%、「4~10年以内」が31.6%、「10年以上」が32.0%という結果が出ています。

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今の会社で長く働き続けない理由を聞いてみたところ、男性は「色んな会社で経験を積んでいきたいから」が最多となり、自身のキャリアを見据えて転職などを検討している可能性が見られました。対して女性は、「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから」が35.0%で最も高い結果となっています。結婚や子育てなどのライフステージの変化とキャリアが密接に関連していることがうかがえ、柔軟な働き方ができるかどうかが、勤続年数を延ばす鍵になるかもしれません。

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次に「今の会社を辞めたいと思ったことはあるか」という問いでは、入社2カ月時点で「会社を辞めたいと思ったことがある」新入社員は37.0%でした。
一方、そのうち転職活動をしている人は3.5%で、少ないながらも一部の人は入社2カ月時点ですでに転職活動を行っていることがわかります。

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また、昨今話題となっている退職代行サービスについては、75.7%が「使うことは問題ない」と回答しました。内訳を見ると、「自分もやめるときは使いたい」が5.4%、「自分が使うのは抵抗があるが、人が使うのは問題ないと思う」が70.3%となっており、他者の利用には肯定的な一方で、自身の利用にはためらいがある新入社員像が見えてきます。

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※2)マイナビ転職「新入社員の意識調査(2025)
調査期間:2025年6月20日(金)~6月23日(月)
調査方法:WEB調査
調査対象:2025年卒の新入社員
有効回答数:800名
※グラフの内訳は端数四捨五入の関係で合計数値と合わない場合があります

理想と現実のギャップにストレスを感じやすい

マイナビ転職の調査(※2)によると、入社後に「仕事がつらい」と感じる理由として、最も多かったのは「仕事の内容が想像と違った」でした。​次いで「人間関係がうまくいかない」「仕事の成果が出ない」が挙げられています。
​これらの結果から、新入社員が入社前に抱いていた期待と実際の業務内容や職場環境とのギャップが、ストレスの大きな要因となっていることがわかります。 ​
特にZ世代の新入社員は、自己成長や社会貢献を重視する傾向があり、「自分の成長を感じる」「誰かの役に立てたと感じる」といった実感が得られない場合、仕事に対するモチベーションが低下しやすいとされています。また、上司や先輩からの適切なフィードバックやサポートが不足していると感じると、職場への帰属意識が薄れ、早期離職のリスクが高まる可能性があります。​
このような状況を防ぐためには、新入社員が業務を通じて成長を実感できるような環境づくりが重要です。具体的には、定期的なフィードバックの実施や、上司・先輩とのコミュニケーションの機会を増やすことが効果的です。また、新入社員が自らの業務の意義や成果を理解しやすいように、業務内容や目標設定の明確化を図ることも求められます。
能力不足や職種の適性との不一致から与えられた業務で結果が出なかったり、スキルアップできる業務内容ではなかったり、同時に上司や先輩から放置されていると感じた時などに「こんなはずではなかった」と思い、理想と現実のギャップに「働きがいがない」と感じるようです。
先輩や管理職世代が「新人なのだから当然」と思うようなストレスでも「打たれ弱い」とされるZ世代は耐性が低く我慢が苦手。彼らのモチベーションを引き上げるには、成果物に対してのフィードバックを丁寧に行う、「役に立てた」「成長できた」と感じられる声掛けを心がけるなど、上司によるアシストを検討する必要があるでしょう。

“働きがい” がある職場とは?

Z世代の早期離職を防ぐカギは「人間関係」と「成長実感」

Z世代が求める「働きがい」とは、単に高給与や福利厚生だけではありません。2025年の調査では給与水準の上昇が見られる一方で、「一人暮らしするには厳しい」といった声もあり、条件面の改善だけでは満足感や定着につながりきらない実態が見えています。
また、入社2カ月時点で「辞めたい」と感じた新入社員は37.0%にのぼる一方、実際に転職活動をしている人は3.5%にとどまりました。このギャップは、「すぐに辞めるほどではないが、現状に十分納得しているわけでもない」という揺らぎのある状態を示していると考えられます。

この“モヤモヤ”を放置してしまうと、やがては離職という形で表面化しかねません。だからこそ今、企業側が注力すべきなのは「働きがい」を実感できる環境づくり。中でも「人間関係の良さ」や「成長実感のある経験」は、Z世代にとって重要な定着要因となります。

働きがいの要素は「人間関係」と「自己成長」

ただし、こうした“働きがい”の議論も、給与や制度が整っていれば十分ということではありません。実際には、日々の人間関係や成長実感、生活との両立感まで含めて総合的に見られていると考えられます。

新入社員のキャリア意識調査(※3)では、「職場で働きがいを感じるために必要なこと」として、新入社員の60.9%が“良好な人間関係”を最も重視していると答えました。また、「プライベート優先の生活を送りたい」と考える割合は72.1%にのぼり、ワークライフバランスへの意識も一層高まっています。
さらに、働きがいを感じる要因としては「自身の成長を実感できる」「誰かの役に立てたと感じる」「上司や先輩に褒められる」といった精神的充足感や承認体験が挙げられており、Z世代にとっては昇給や昇進よりも“心の満足感”がモチベーション維持に欠かせないことが分かります。

新入社員のモチベーションを高めるために

企業側に求められるのは、「適切なフィードバックを行う上司」「質問しやすい空気感のあるチーム」「明確なキャリアビジョンの提示」など、日々の人間関係と成長支援の積み重ねです。
特に配属に対する不安を軽減するためにも、事前の情報共有や説明を丁寧に行い、納得感のある配属を目指すことが重要です。新入社員のキャリア意識調査(※3)では、勤務地・配属先が希望通りだった新入社員は6割弱にとどまる一方、「納得していない」と感じている人は1割程度と少数でした。Z世代の多くは、配属先に完全な一致を求めるよりも、その後のフォローや育成方針を重視していることを示しています。

※3)マイナビ研修サービス「新入社員のキャリア意識調査(2024)」
調査期間:2024年3月21日(木)~2024年4月12日(日)
調査方法:記入選択式アンケート
調査対象:当社が提供する新入社員研修に参加した新入社員
有効回答数:6,692名

“働きがい” と社風理解の深い関係

社風=企業のビジョンや存在意義を研修で共有

SNSネイティブであり、広く情報を集める手段に長けたZ世代は、世界情勢や環境など社会課題にも関心が高い世代と言われています。そうした若者にとっての“働きがい”のもう一つの側面は社会貢献度です。SDGsなど企業の社会責任を問われることが多い昨今、自社の社会貢献度がそのまま自分の社会貢献度につながると捉えていることから、所属している組織のビジョンを認識しているかどうかも、継続勤務の一因になると考えられます。

そのためにはまず、所属している会社がどういうビジネスモデルで業績を上げ、それがどういうビジョンに基づくかを理解することです。そうした自社理解が進めば、会社全体の大きな目標を、目の前の業務にブレイクダウンすることで、自らの社会貢献度が考察でき「人の役に立っている」という“働きがい”の実感に結びついていきます。
新人時代に自社の社風(ビジョン、経営理念)を理解することと、使命感をもって業務に向かえるようになることの相関はそこにあります。

社風理解とビジョナリーなリードが“働きがい”を生む

Z世代の社員が働きがいを感じるためには、日々の業務を通じて「自分がどのように社会に貢献しているか」を実感できる環境が重要です。そのためには、企業のビジョンや価値観が社員一人ひとりに浸透していること、そしてリーダーがそれを体現していることが欠かせません。
とくにZ世代は、トップダウンではなく「共感」によって組織の一員としての帰属意識を高める傾向があります。リーダーが自身の言動で会社の価値観や方向性を示し、それを共有し続けることが、若手社員の納得感やモチベーションにつながります。

“働きがい” 育成は入社前から始める

社風理解の第一歩は、入社志望者に対するプレゼンテーションから

そもそも入社後のミスマッチを未然に防ぐ努力が、早期離職低減の第一歩。応募してくる学生に自社のビジネスモデルやビジョンを十分理解してもらい、納得してから入社してもらう必要があります。ビジネスモデルを理解していなければ、自分がそこで働くイメージがもてず、モチベーションも持てないということも起こりかねません。企業と学生のマッチングとは、そうした理解の上で初めて成り立つものだと言えます。
同様に企業が業績を訴求する場合も、シェアNO.1ということだけではなく、どういった沿革があり、どうやって達成したのか、企業の強みを分解して解説する必要があります。
また、就職活動に関する調査(※4)では、新社会人の約半数が、入社前に勤務先のインターンシップや仕事体験に参加していたことが分かっています。この割合は、2020年の調査開始以降、年々増加傾向にあります。

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また、インターン参加経験者の方が入社半年後の満足度が10.5pt高い結果がわかりました。インターンシップなどを通して、入社前になるべく多くの社員と交流してもらうことが、入社後の勤務継続に益する大きなファクターだと言えるでしょう。
インターンシップ・仕事体験に複数日程で参加したり、実際の業務に近いプログラムを経験したりすることで、企業理解が深まり、その後の勤務先満足度にも影響していると考えられます。

※4)マイナビキャリアリサーチラボ「2025年卒 入社半年後調査
調査期間:2025年10月25日(土)~2025年10月31日(金)
調査方法:WEB上のアンケートフォームより入力
調査対象:2025年卒業予定として就職活動を行い、その状況をモニター調査で回答した方
有効回答数:600名

入社前に確認する人事制度の情報とは

マイナビの内定者意識調査(※5)によると、人事制度などに関する情報の中で「入社意欲を高めると思うこと」の第1位は「福利厚生の充実」でした。
一方で、2025年の新入社員調査では、初任給が上昇しているにもかかわらず「一人暮らしが厳しい」といった声も見られており、制度や条件面の充実だけでは生活の満足度につながりきっていない実態も明らかになっています。

このことから、これからの定着施策においては、福利厚生の有無だけでなく、実際の生活における納得感まで踏み込んだ設計が求められると言えるでしょう。

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安心して働きがいを感じるには、「日々のやりがい」だけでなく、「生活の安定」も欠かせません。2025年の調査でも、初任給が上がった一方で「一人暮らしするには厳しい」という声が見られ、給与水準の改善だけでは生活面の不安を十分に解消できていないことがうかがえます。

そのため、福利厚生の充実に加えて、住環境を含む生活基盤の整備も重要な定着施策の一つです。新入社員にとっては、「この会社で長く働いていけそうか」という安心感が持てるかどうかが、入社後の納得感に直結します。
働きやすさを支える制度や環境づくりに加え、新入社員一人ひとりに向き合った育成施策を組み合わせることで、より実践的な定着支援につながります。住まいの不安が解消されることで、仕事に集中できる環境が整い、結果として早期の活躍や定着にもつながるでしょう。

※5)マイナビキャリアリサーチラボ「2025年卒 内定者意識調査
調査期間:2024年6月17日~7月7日
調査方法:Web上のアンケートフォームより入力
調査対象:2025年卒業予定の全国大学4年生及び院2年生
有効回答数:2,997名(内々定保有者)

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「辞めない新人育成」のための実践的アプローチ

せっかく入社してもらった新入社員には、長く働き続けてもらいたいものです。しかし、いざ現場に出ると、様々な課題や不安を抱える新入社員も少なくありません。そのため、企業としては、新入社員が定着し、安心して働ける環境作りが重要です。
そこで、「辞めない新人育成」に必要な要素として、以下の3つのポイントが挙げられます。

心理的安全性の確保

マイナビキャリアリサーチの「第1回 新入社員を「即」戦力化することってできるの?」では、新入社員の58.1%が「上司・先輩・同僚との人間関係」に不安を感じているという結果が出ています。この不安が新人社員の離職に繋がる可能性が高いため、心理的安全性の確保が最も重要です。
具体的な方法としては、以下のような取り組みが有効です。

  • 新入社員を含めた全員に均等な発言機会を提供
  • 受け入れ態勢を整え、社員全員がサポートし合う雰囲気を作る
  • 問題や課題に対してポジティブに反応し、全員で解決策を考える
  • 新入社員の発言や行動を否定せず、存在自体を尊重する
これらを実行することで、新入社員は安心して意見を出せる環境が整い、自己成長のための第一歩を踏み出すことができます。

働きがいやキャリア形成の支援

新入社員の中には、業務内容に対する希望よりも収入を重視する傾向があることが分かっています。しかし、働きがいや自己成長を感じられる環境が整えば、社員のモチベーションは大きく向上します。
そのためには、仕事の目的や背景をしっかりと共有し、社員自身がキャリアを自律的に形成できるように支援することが重要です。新入社員には、仕事を通じて自分の成長を実感できるように、定期的にフィードバックを行い、キャリアアップの道を示していきましょう。

個別最適化された育成アプローチ

Z世代の新入社員は、多様性を重視し、画一的な指導に耐性が低い傾向があります。そのため、個別に対応した育成が求められます。
具体的には、個々のニーズや特性に合わせた柔軟な育成計画を作成し、対話を通じて社員一人ひとりの課題を理解することが重要です。また、定期的に進捗を確認し、必要なサポートを提供することで、社員が成長し続けるための支援が可能になります。

働き方の違いは、定着にどう影響する?

コロナ禍をきっかけに普及したテレワークですが、現在は出社回帰の傾向も進み、「ハイブリッド型勤務」を採用する企業と、原則出社に戻した企業とで対応が分かれています。

パーソル総合研究所の2025年の調査(※6)によると、正社員全体のテレワーク実施率は22.5%と微減し、大手企業(従業員1万人以上)でも34.6%と前回より低下しています。また、自宅勤務制度を利用できない人のうち「テレワークができる環境で働きたい」と回答したのは36.9%にとどまり、希望しない人が63.1%と上回る結果となりました。

この結果から、テレワークを含む働き方のあり方については、社員の間でもニーズが分かれていることがうかがえます。

こうした中、新入社員の定着においては、勤務形態そのものよりも、「自分の働き方に納得できているか」という観点も重要になると考えられます。ハイブリッド勤務や在宅ワークの有無にかかわらず、業務の進め方に透明性があり、定期的なコミュニケーションやフィードバックが得られる環境を整えることが、エンゲージメント向上や離職防止につながる可能性があります。

また、女性の3年以内退職希望が27.7%と男性の14.8%を上回っている点を踏まえると、働き方の柔軟性や生活との両立しやすさをどのように担保するかも、今後の重要な検討事項の一つと言えるでしょう。

※6)パーソル総合研究所「第十回・テレワークに関する調査
調査期間:2025年7月11日~7月15日
調査方法:調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
調査対象:全国の就業者 20~59歳男女、勤務先従業員人数10人以上
有効回答数:30,731名

長期的な定着に向けた取り組み

新入社員の定着を支えるためには、心理的安全性の確保、働きがいやキャリア形成の支援、そして働きやすい環境づくりを一体で進めることが不可欠です。2025年の調査では、給与水準の上昇と早期離職意向が同時に見られており、条件面の改善だけでは不十分であることが示されています。

新入社員の定着を支えるためには、心理的安全性の確保、働きがいやキャリア形成の支援、そして働きやすい環境づくりを一体で進めることが不可欠です。2025年の調査では、給与水準の上昇と早期離職意向が同時に見られており、条件面の改善だけでは不十分であることが示されています。

会社としては、これらの取り組みを一つ一つ実行し、より良い職場環境を提供することが、新入社員の定着に繋がります。あなたの会社でも、ぜひこのアプローチを実践して、優秀な人材を長く支え続けましょう。

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