住まいが変えた、同期の形。自社研修センター・ホテル・社員寮を経て三菱マテリアルテクノが出した答え
2026.08.21
三菱マテリアルテクノ株式会社
三菱マテリアルテクノ株式会社
導入前の課題
- インバウンド需要の回復などを背景に、社員寮を含む従来の住まい手配を見直す必要が生じた
- 初年度の手配では、通勤距離や設備面にばらつきが生じ、公平な住環境づくりに課題があった
- 内定者数の確定前から住まいを確保する必要があり、予算や手配の見通しが立てにくかった
実施した施策
- マイナビBizによる早期一括手配で、10月時点で必要数を事前申し込み
- 徒歩圏内を基本に設備グレードを統一し、公平な居住環境を整備
- キャンセル補償を活用しながら、人数確定後に柔軟に調整
導入効果
- 住まいが確保できない不安が解消され、担当者の心理的負担を軽減
- 通勤による疲労を抑え、公平で安心して研修を始められる住環境を実現
- 早い段階で住まいと予算の見通しが立ち、内定者・保護者への案内も前倒しで実現
プラント・エンジニアリング事業を中核に、国内外の多様なプロジェクトを支える三菱マテリアルテクノ株式会社。同社では長年にわたり、新卒社員の研修期間中の住まいを会社が手配してきました。社有の寮・研修センター、ビジネスホテル、一括運営型の社員寮、そしてマイナビBizによる分散型の住まいへ。複数の住まいの形を実際に経験してきたからこそ語れる比較と気づきがあります。
なかでも「同期の絆を育てるためには、全員を同じ寮にまとめることが望ましい」という従来の考え方が、分散入居を経験することで変わっていったというのは、今回の事例のポイントです。
今回は、住まい手配をめぐるこれまでの変遷と、マイナビBizを活用することで実現した環境づくり、そして新卒研修の住まいに対する考え方の変化について総務部副部長 佐藤賢悟様にお話を伺いました。
自社研修センター・ホテル・社員寮へ。新卒研修の住まいをめぐる変遷
― 今回マイナビBizを利用されたという研修の概要を教えていただけますか。
佐藤さん:新入社員を対象とした研修にて、マイナビBizを利用しました。
4月1日の入社から5月20日ごろまでが全員共通の教育期間で、対象者全員が毎日研修に参加します。その後、事務系は各職場への配属となりますが、技術系はさらに研修が続き、高卒社員は7月中旬ごろ、学卒の社員は8月末まで研修が実施されます。人数は年度ごとに変わるため、一定ではありません。
― これまで、新卒社員の住まいはどのように変遷してきたのでしょうか。
佐藤さん:もともと当社では、社員寮を改修した社有の研修センターを利用していました。
ただ、築30年を超えて老朽化が進み、設備の更新や修理の費用負担も増えることが予想されたうえに、コロナ禍で研修に使用できない期間も続いたため、売却を決めました。
研修センターの売却後は、ビジネスホテルを利用しました。清掃などのサービスがあり短期間の滞在には快適でしたが、長期研修の住まいとして考えると、自炊ができず洗濯にも不便がありました。
また、同じフロアや隣接する部屋に同期が集まることで交流しやすい一方、私生活との距離を取りにくく、プライバシーを保ちづらい面もありました。
12月に起きた住まい確保の危機がマイナビBiz切替えのきっかけに
―括運営型の大手社員寮からマイナビBizに切り替えることになった経緯を教えてください。
佐藤さん:まず背景として、近年のインバウンド需要の影響で、宿泊施設がなかなか取りづらくなっていました。通常の研修時期に地方から来る社員のためにビジネスホテルを予約しようとしても、かなり埋まっていて、直前予約では入れないという状況が続いており、社内でも共通認識となっていました。さらに価格も上がっており、前年より予算が増えることへの社内説明も必要となっていたのです。
また、コロナ禍以降のインバウンド需要の回復により、手配を進めていた社員寮について、住居確保が想定どおり進まない状況となり、新たな選択肢を検討する必要が生じました。
ちょうど住まいに関する予算を確定させる時期でもあり、翌春の入社を控えながら、住まいも費用の見通しも立たない切羽詰まった状況になってしまったのです。ビジネスホテルでの代替も、インバウンド需要の影響で確保できる状況ではありませんでした。どうにかしなければというなかで思い出したのが、夏ごろに当社へ営業にいらしていたマイナビBizの担当者です。すぐにご連絡し、相談させていただくことにしました。
急遽マイナビBizへ切り替えるにあたって、社内に対しては状況をきちんと説明することで理解を得られました。コスト面と運用面を総合的に比較した結果、当社のニーズに適した選択肢でした。
― 2025年春入社の手配は、実際どのような形になりましたか。
佐藤さん:28名の入社があったのですが、ご相談するのが遅かったこともあり、とにかく空いているところを探してもらうという形になりました。新入社員が孤立しないよう、必ず2人以上がまとまって泊まれる物件を探していただいたのです。限られた期間の中で、複数の物件を組み合わせて必要数を確保していただきました。
初年度は急な相談だったこともあり、必要な部屋を確保していただけた一方で、物件の場所や通勤条件にはばらつきが残りました。一部では清掃や設備に関する問い合わせもあり、翌年度に向けて改善が必要だと感じる点もありました。
そうした課題はマイナビBizへ率直に共有しましたが、確認した内容について一つずつ説明や対応があり、翌年度の手配にも反映していただけました。初年度の課題をそのままにせず、次年度の改善につなげてもらえたことが、継続してお願いしようと考えた理由です。
2026年春入社は、早期手配と公平性を最優先に
― 2025年春入社の経験を踏まえ、2026年春入社の進め方はどう変えましたか。
佐藤さん:2025年の経験から、2026年春入社分は距離と公平性を最優先にしました。
今年の入社は技術職10名・事務職2名の計12名でしたが、研修が始まってすぐの段階で通勤で疲れてほしくないという思いは変わりません。
新入社員には、慣れない環境のなかで通勤だけで疲弊してほしくないという思いがあり、住まいから職場までの距離も重視していました。2026年春入社分は徒歩圏内をベースに手配していただき、2名だけ電車で20分弱という方がいましたが、それ以外は全員徒歩で通える環境になりました。
設備のグレードについても、全員同じ水準に揃えることにこだわりました。同期の中で不公平感が生まれることは避けたかったんです。研修期間中、みんなが同じ条件でスタートを切れることが大事だと考えています。
― 手配のスケジュールも変わりましたか。
佐藤さん:一番大きく変わったのは、住まいの検討を早い段階から進めるようになったことです。
8月に相談を始め、10月頃には住まいの確保に向けた準備を進めるようになりました。10月というのは、まだ内定者数が確定していないタイミングですが、条件の良い物件は早い段階から動き始めます。そのため、人数が確定してから住まい探しを始めるのではなく、あらかじめ準備を進めておくことが重要だと感じています。
2025年の経験を踏まえ、住まいの確保を計画的に進められる体制になったことは、大きな変化だったと思います。
― 早めに住まいを確保できたことで、どのような変化がありましたか。
佐藤さん:内定者への案内が早い段階でできるようになったことは大きかったです。新入社員にとって、入社前は何かと不安が多い時期ですし、実際に物件を見に来る方もいます。こういう物件ですよとお伝えできるだけで、安心感が違います。保護者にとっても、会社がきちんと住まいを用意してくれているということは、信頼感につながると思っています。住まいが確保できているという事実があるだけで、入社前の不安をひとつ取り除くことができる。それは会社への信頼にもつながる大事なことだと考えています。
「全員を同じ寮に集めなくても、同期のつながりは育つ」
― 同期交流を大切にされてきた中で、分散入居に踏み切ったことで、考え方に変化はありましたか。
佐藤さん:正直、変わりましたね。私自身、以前は「同期の絆を育てるには、全員を同じ寮にまとめて住まわせなければ」と考えていました。ビジネスホテル時代も、一括運営型社員寮を選んだ時も、その考えの根底にあったのは「同期を一カ所に集めたい」という思いでした。ただ実際に分散入居を経験してみると、それだけが同期のつながりを育てる方法ではないと気づいたんです。
― 実際にどのような変化があったのでしょうか。
佐藤さん:バラバラの場所に泊めてみたら、それぞれの部屋に遊びに行くんですよね。自炊したものを持ち寄って、みんなで食べたり、お弁当を作ってきて一緒に食べるなど、これまでなかった交流の形が生まれています。プライバシーを保ちながら、住む場所に距離があっても交流はちゃんとできるんだなということを実感しました。
これは社風の変化とも関係しているかもしれません。全員を一つの寮に入れることは、どこか矛盾している部分もあるとも感じていました。プライバシーを保ちながら自発的に交流する今の形のほうが、時代に合っているのかもしれないと思うようになりました。
― 管理・運営面での変化はいかがでしたか。
佐藤さん:一括運営型の大手社員寮の時は、入居の際に最寄り駅まで出迎えて案内し、退去の際も管理人さんへの立ち会いが必要で、日時を調整しながら対応しなければなりませんでした。
マイナビBizになってからは、物件の地図とURLをメールで送るだけで、各自がスマートフォンのナビを使って自分で到着・入居できます。退去も、現場に配属になるタイミングがそれぞれ違うので、各自が自由に出られるのが助かっています。ギリギリまでいたい人もいれば、前日から動く人もいますから、そこが柔軟にできるのは大きいですね。
また以前は、入居先の条件に差が生じることもありましたが、今は全員同じ水準の物件に統一できているので、そういった差がなくなりました。寮管理人のように日々の様子を見守ってくれる存在がいなくなることへの不安もありましたが、それぞれのマンションで社会人として暮らす中で、問題が起きることもなく、むしろ安心できるようになったと感じています。
― 通勤環境の変化についてはいかがでしたか。
佐藤さん:徒歩圏内を中心にしたことで、通勤でもみくちゃにされることがなくなりました。疲労感が違うと感じています。
通勤による負担が軽減されたことで、研修により集中しやすい環境になったと感じています。
従業員エンゲージメント向上プロジェクトへの参画
― 今回、マイナビBizの新しい取り組みである「従業員エンゲージメント向上プロジェクト」にも参画いただきました。参画の背景を教えていただけますか?
佐藤さん:新入社員にとって、入社や新生活のスタートは、期待がある一方で不安も大きい時期だと思います。当社では、少しでも安心して研修やその後の社会人生活をスタートしてもらいたいという思いから、住環境の整備にも力を入れてきました。
ただ、私たちが大切にしているのは、単に住まいを用意することではありません。新しい環境に飛び込む新入社員を会社として支え、安心して研修や仕事に集中してほしいという思いがあります。
そうした会社の思いや、新入社員を迎えるうえで大切にしている考え方を、本人たちにも少しでも伝えたいと考え、「従業員エンゲージメント向上プロジェクト」に参画しました。
【従業員エンゲージメント向上プロジェクト】
マイナビBizの物件に入居する新入社員が、入社前後を安心して迎えられるよう、企業と新入社員を住まいを通じてつなぐ取り組みです。
専用のウェルカムサイトでは、採用担当者や受け入れ担当者からのメッセージを届け、企業の想いや歓迎の気持ちを伝えます。また、入居手続きや新生活に関するFAQ、サポート窓口を案内することで、新入社員が抱える不安や疑問の解消を図ります。
さらに、入居者アンケートを通じて新入社員の声を収集し、企業へフィードバック。新生活の立ち上がりを支えるだけでなく、今後の受け入れ環境や従業員体験の改善にもつなげます。
新入社員との最初の接点のひとつとなる「住まい」の体験を整えることで、入社初期の不安を軽減し、会社への安心感や信頼感を育むことで、その後の定着を後押しすることを目指しています。
― 実際に住んでみた社員の反応はいかがでしたか。
佐藤さん:実際に住んでみた感想として大きな声が寄せられるわけではありませんが、会社としては安心して過ごせる環境づくりの一助になっていればうれしいですね。将来、それぞれが新しい環境で生活するようになった時に、入社当時に会社がいろいろな準備をしてくれていたことを思い出してもらえたら、それだけでも十分だと思っています。
より公平な環境を求めて。今後の展望
― 来年度以降の住まい手配について、現在考えていることを教えてください。
佐藤さん:来年度は今年より新卒入社人数が増える予定です。全員を徒歩圏内にそろえることが難しくなる場合は、電車通勤も含めて、できるだけ条件に差が出ないように設計していきたいと考えています。大切なのは、全員が同じ場所に住むことではなく、納得感のある公平な環境を用意することだと思っています。
今回、同じ建物に集めることだけが同期のつながりを育てる方法ではないと分かりました。プライバシーを保ちながら、それぞれが自発的に交流できる環境をつくる。そのうえで、入社前から「会社がきちんと住まいを用意してくれている」と安心してもらうことが、会社への信頼にもつながると考えています。今後もマイナビBizと連携しながら、新入社員が安心して社会人生活を始められる環境を整えていきたいですね。
三菱マテリアルテクノ株式会社
プラント・エンジニアリング事業を中核に、国内外の多様なプロジェクトを手がける企業です。新卒社員の育成にも力を入れており、入社後は職種に応じた研修を実施。新入社員が安心して研修に集中できるよう、研修期間中の住環境についても時代やニーズに合わせて見直しを重ねています。
プラント・エンジニアリング事業を中核に、国内外の多様なプロジェクトを手がける企業です。新卒社員の育成にも力を入れており、入社後は職種に応じた研修を実施。新入社員が安心して研修に集中できるよう、研修期間中の住環境についても時代やニーズに合わせて見直しを重ねています。