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最初の1棟目、何から動けばいい? 融資の観点からみた次につながる買い方

2021年6月25日

半沢大家

2019年まで銀行員、現在は証券アドバイザーとして勤務する兼業大家。2018年以降、3年間で計8物件、融資を使って購入。2021年6月現在アパート5棟、駐車場用地1筆、戸建て1棟、マンション1棟を保有し、家賃年収は4,200万程度。不動産購入での銀行融資付を得意とし、投資家からの個別相談を受け、銀行打診の指南を行っている。


こんにちは、半沢大家です。
今回のコラムでは、最初の1棟目購入に際しての立ち回りについて解説したいと思います。

最初の1棟目購入はいろいろな意味でハードルが高いです。不動産会社との関係、銀行との関係、物件運営にかかわる業者との関係など、ゼロから構築しなければならないからです。

特に最近の融資情勢、物件価格の推移もあってか、この「最初の1棟目」の相談を受けることが増えています。私も3年前まで同じ状況だったので、気持ちがよくわかりますし、以前は「大家の会に参加したり、ネットの情報を拾っていると物件購入の話はよく聞く。けれども自分は買えてないし、いいと思える物件が出てこない。」と感じていました。

結論から言うと、この状況を突破するには「大きなエネルギー」が必要です。そして、その「エネルギー」を正しい方向に使い、継続することが大切です。賃貸経営は1棟目を買ってから始まるものだからです。

今回はこのテーマについて深掘りして、1棟目を購入するためのマインドと目指すべき買い方を説明したいと思います。

1棟目のハードルについて認識し、突破するエネルギーを生み出せ

過去のコラムでも解説してきましたが、銀行は1棟目の新規顧客を避けたがります。これは銀行がリスク回避を最優先する集団だからです。

人間にも同じことが言えますが、安全でいたかったら今の場所から動かないのが最善と考えがちです。新しい取り組みにはリスクがつきものなので、動かないのがリスク回避だと人間の脳は捉えるからです。(余談ですが実際には動かないことのリスクも往々にしてあります。それを感じたからこそ、一部の人は賃貸経営に興味を持つのでしょう。)

その中でも銀行は特に、貸し倒れのリスクを嫌います。これは銀行が営利企業であることを考えれば明らかで、貸し倒れのダメージは甚大だからです。昨今の低金利下ですので、貸し倒れ損失を取り返すだけの利益を生むには膨大な融資額が必要になります。

銀行からすると
・ノルマもあるし、収益を上げなければいけないから貸し出しは行いたい
・でも貸し倒れが起きた時の損失は計り知れない(というか行員自身のキャリアに響く)

と考えるので
「出来る限り内情をわかっていて、人間性も信頼できる既存顧客に貸したい」と考えるようになります。

逆に考えると1棟目の購入を目指す人はこの銀行のリスク回避によりはじかれてしまう可能性が高くなり、ハードルが上がってしまいます。(さらに1棟目の物件がお宝である可能性は低いので、銀行評価が伸びにくいことが多いです。)

ここを乗り越えないといけないからこそ、最初の1棟目には「圧倒的なエネルギー」が必要になるのです。

この事は、よく飛行機の離陸の例で表現されます。

飛行機は離陸の際、最もエネルギーを必要とし、事故の危険性が高いのもこの離陸の時だと言います。実際飛行機に乗った時に感じると思いますが、離陸の時の振動、加速は結構な衝撃を受けます。機体は左右上下に揺れ、泣き出す子供もいます。

これと同様、不動産も最初の1棟目が難しく、何よりエネルギーを必要とします。このエネルギーを伴う言動・行動によって、周りの人からすれば「あいつは変わってしまった」と思われる事もありますが、私はそれでいいのだと思います。給与を上回る収入を得られる可能性があるのですから、むしろこのくらいのエネルギーの障壁があって然るべきです。障壁があるから利益を出すことができ、継続収入が生まれるのです。

ただし、このエネルギーを常に出し続ける必要はありません。一度障壁を越えれば最初ほどの大きなエネルギーはいらないことが多いです。関係者とのネットワークや、銀行との関係性により、より良い物件購入が出来る可能性が高まります。

つまり、2棟目以降はもっと簡単になるのです。一見羨ましく見える先輩大家の購入事例は、この離陸した飛行機の高度を少し上げただけの事であり、最初の離陸に比べれば難易度は低いことが多いです。

まずこのことを認識し、1棟目取得に向けて自分のエネルギーを最大限燃やす必要があります。

小さくてもいいから次につながる買い方を

よく最初の1棟目は小さく始めたほうがいいと言われますし、私もそう思います。先述した飛行機の離陸のような荒々しい状況では細かいリスクに気を配れません。

この状況下で大きく金額を張ってしまうと、見えてないリスク(あるいは経験不足から生じるミス)が発生し、あとで後悔することが多いです。

しかし、ここで金額が小さければ自己資金もバランスシートの信用棄損もリカバリーできます。むしろ小さなミスは2棟目を買う時の経験値になるので、長期的に見たら必要なミスとも捉えられます。よって初めは小さい物件から、というのが正着手だと言われています。

ただし、間違えないでいただきたいのは、「とにかく小さい物件を買えばそれで成功」ではないということです。小さい物件を買ってそれで満足して終わってしまう人もいますが、大事なことは「次につながる物件」を買うことです。

そこで、融資の観点で考える次につながる買い方を説明します。個人的には以下の条件を満たしながら物件を買い続けることが重要だと考えています。
もちろん不動産業者との関係構築や自身の経験値アップも1棟目の大きなメリットですが、このコラムでは割愛します。)

【融資の観点からみた次につながる買い方】
①自己資金が枯渇しないこと
②銀行とプロパー取引の関係性を築くこと

①の自己資金が枯渇しない買い方をする、とは頭金を2~3割入れて購入すること否定しているわけではありません。今の融資情勢で、初心者が初めからフルローン、自己資金1割を達成するのは難しいケースが多いです。よって②のプロパー取引を開始するためにはある程度の自己資金(もしくはそれに準ずる担保)は必要と割り切るべきでしょう。
※プロパー取引についてはこちらのコラムで解説しています

ただし、本当に現金がない人に銀行はお金を貸しません。2棟目で目指すべき状況は「小ぶりな物件しか保有していないけれど取引実績があり、ある程度資産余力を残している状況」です。これであれば小さな物件でも、プロパーの関係性を構築することで、銀行での関係性においては“離陸”が完了した状態になりますし、次の審査に向けた手元資金も用意できます。

“離陸”していれば、銀行はより良い条件で融資を行うことも出てきます。最初に説明した「銀行にとっての新規顧客」ではなくなるので、自己資金などのハードルが下がるからです。

また、小ぶりといえど1棟購入し運営した経験を持つことにより、最初見えていなかったリスクが見えるようになります。この「経験を経て成長した自分」に対して、融資というレバレッジをかけていくのが失敗の少ないやり方です。

つまり、
・1棟目に対しては自己資金を多少入れても、自分が信じられる物件を買うこと。
・今後も取引拡大が見込める銀行(できれば地銀、信金、信組)と取引を開始すること
が大切です。

また、個人的にはサラリーマンの属性を消費する形での融資(いわゆるアパートローン)によりスタートを切っても、融資の面で“離陸”出来るかはわからない、と考えています。

アパートローンは自身の属性をつかって融資を引くので、規模拡大の継続性は薄いと感じるからです。また、アパートローンの条件で融資を引くと、新規銀行を開拓するときに足かせになることもあります。
頭金を入れるのならば10年返済でもいいので公庫で融資を引いた方が、見た目は健全に映るでしょう。(この場合は手元資金の枯渇が問題になるので、小ぶりな物件である必要がありますが)

いずれにしても、初めからフルローンに拘らなくても良いと思います。最初は自己資金を入れてでも、プロパー融資を引きましょう。

プロパーで取引を開始した場合、銀行との関係性は維持されます。そして、最初に投入した自己資金は「担保余力超過」という銀行評価を生み出します。この評価が、次の融資に生きてくるのです。

これであれば、頭金を入れる意味も変わってくるのではないでしょうか?

まとめ)

今回は1棟目購入についての立ち回りについて解説しました。

①不動産賃貸経営は飛行機と同様、離陸の時にエネルギーが必要。逆に離陸してしまえば、少しのエネルギーで大きく高度を上げられること。

②初めは自己資金を入れてでも、次につながる買い方を実践する。そのために取引する銀行を選ぶ。そして経験を積むこと。

初めから100点の物件は買えないかもしれませんが、今後のきっかけとなる意味を込めて、総合点で100点の行動を選択するのが大切です。物件単体は100点ではなかったとしても、1棟目がきっかけとなって次の良い取引・融資につながるのであれば、それは長期で見た時には100点の買い物であり、それを目指すべきだと私は思います。

融資が付かないこともあるかと思いますが、エネルギーを絶やさずに、動き続けましょう。結果はついてきます。

それでは、次回もお楽しみに!

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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