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賃貸物件をコンセプト物件にするメリット・デメリットと注意点を解説

2週間前

ここ数年、賃貸物件においても明確な個性を打ち出した「コンセプト物件」が出始めています。人口減少社会において、賃貸物件は供給過剰気味であり、コンセプト物件に投資をすることは賃貸経営での空室対策や満室経営において、重要な戦略になりつつあります。

では、コンセプト物件にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。この記事では「コンセプト物件」について解説します。

1.コンセプト物件とは

コンセプト物件とは、個性的な特徴を打ち出した物件のことです。ハイセンスなデザインや、限定された入居者、独自のサービスの提供等により差別化された物件の総称になります。

例えばコンセプト物件の例としては以下のようなものがあります。

【コンセプト物件の例】
(デザイン)
・アメリカ風の倉庫を改修したような雰囲気の賃貸物件
・お姫様風のファンタジーな雰囲気の賃貸物件

(入居者)
・女性向け賃貸物件
・ゴルフや楽器演奏等の共通の趣味を持った人に限定した賃貸物件

(サービス)
・室内に大型バイクが置ける賃貸物件
・農園付きの賃貸物件

コンセプト物件は、別の表現をすると、「特定のターゲットに向けた物件」ということになります。

ターゲットを絞り込み、そのターゲットに訴求するような特徴やサービスを提供するのがコンセプト物件です。

賃貸物件は、長らく「万人受け」を目指す仕様で建てるのがセオリーでした。今でも、ハウスメーカーが新築で建てるような物件は、基本的には万人受けを目指しています。

賃貸物件は様々な人が借りますし、長期間飽きられない部屋を提供する必要があるため、万人受けを目指した仕様にする方が無難なのです。

ところが、近年は物件が供給過剰気味になってきたことから、コンセプト物件が注目されるようになってきました。

コンセプト物件は特定のターゲットに訴求することを目指すため、従来の万人受けを目指してきた物件とは真逆の考え方の物件となります。

他のビジネスにおいては、市場が供給過剰気味になると供給側がターゲットを絞り込むことは良くあります。

例えば、ラーメン店でも「激辛ラーメン店」などは、ターゲットを激辛ラーメン好きに絞り込んだコンセプト店舗といえます。

激辛ラーメン店は、辛いラーメンが嫌いな人には見向きもされませんが、激辛ファンの人たちにとっては興味が沸くお店です。

コンセプトを明確にすることで、遠方からも客を呼ぶことができますし、近所のラーメン店との価格競争も回避することができます。

このように、一般的なビジネスにおいては競合店との競争を回避するために、ターゲットを絞り込むことは良くあります。

賃貸物件においても供給過剰感が見え始めてきたことから、コンセプト物件の必要性が高まってきているのです。

2.コンセプト物件のメリット

コンセプト物件のメリットには以下のような点があります。

【コンセプト物件のメリット】
・価格競争を回避しやすい
・空室が発生しにくくなる

コンセプト物件は、こだわりを持ったターゲット層に訴求するため、価格競争を回避しやすい点がメリットです。賃貸物件の価格競争とは、具体的には賃料を下げることを意味します。

例えば、ハーレーダビッドソンをずっと眺めていたい人にとっては、「室内に大型バイクが置ける賃貸物件」は非常に価値があります。

ハーレーダビッドソンに強いこだわりのある人にとっては、多少家賃が高くても室内に大型バイクが置ける物件に住みたいと思うのです。

また、コンセプト物件は空室が発生しにくくなるというメリットもあります。「室内に大型バイクが置ける賃貸物件」が希少であれば、その物件がバイクファンの間で順番待ちとなり、空室が生じてもすぐに次の入居者が埋まるようになります。

3.コンセプト物件のデメリット

コンセプト物件のデメリットには以下のような点があります。

【コンセプト物件のデメリット】
・差別化にリスクを伴う
・成功すると真似されやすい

コンセプト物件は差別化にリスクを伴う点がデメリットです。例えば「室内に大型バイクが置ける賃貸物件」を建てる場合、バイクを上階に運ぶために大型エレベーターが必要となります。

大型エレベーターを設置するには大きな投資が伴うため、失敗したときのリスクは大きいです。

また、コンセプト物件は、簡単なもので成功すると真似されやすいという点がデメリットとなります。

例えば、壁のクロスをポップなビタミンカラーにしただけで人気が出てしまうと、他の物件にすぐに真似されてしまい、コンセプトが薄れてしまいます。

簡単に真似されやすいコンセプトは差別化として不十分なため、模倣を防ぐには真似しにくいレベルまで物件を差別化することが必要です。

4.コンセプト物件とする際の注意点

コンセプト物件は、ある程度の市場規模がある分野を狙うのが注意点です。特に人口が少ない地域でターゲットを絞り込み過ぎてしまうと、逆に入居者の獲得に苦戦を強いられることになります。

例えば、東京都は人口が約1,400万人もいますので、1,000人中に1人にしか響かないようなコンセプトにしても、1.4万人もターゲットが存在します。10戸のアパートであれば、1.4万人も市場規模があれば十分です。

一方で、約55万人しかいない鳥取県で1,000人中に1人にしか響かないようなコンセプトを展開すると、県全体でターゲットとなる人は550人だけしかいないことになります。

そのため、差別化戦略は人口の多い都会ほど有効な戦略となり、人口が少ない地域ではターゲットをある程度市場規模が見込める分野に設定するのが適切なのです。コンセプト物件の打ち出し方は、地域によって柔軟に変えていくことが必要となります。

地方であっても「女性向け」や「高齢者向け」、「外国人向け」といったターゲットであればそれなりに市場規模があります。

ターゲットを絞り込み過ぎると借主がいなくなってしまうようなエリアでは、広めのターゲットを狙ってコンセプトを打ち出すことをおすすめします。

まとめ

以上、コンセプト物件について解説してきました。

コンセプト物件とは、特定のターゲットに向け特徴を打ち出した物件のことです。

コンセプト物件のメリットとしては、価格競争が回避され、空室も発生しにくくなるという点があります。

一方で、デメリットとしては、一定のリスクがあり、成功してもすぐに真似されることもあるという点です。

ターゲットの設定は、ある程度の市場規模が存在する部分を狙うことが注意点となります。

コンセプト物件は、人口減少社会における賃貸経営の重要な戦略となっていきますので、空室対策のひとつの手段として検討してみてもいいかもしれません。


竹内英二

不動産鑑定士・賃貸不動産経営管理士。不動産開発業務や不動産コンサルティング業務を経験し不動産投資の分野に精通している。代表取締役を務める(株)グロープロフィットは、不動産鑑定士事務所及び宅地建物取引業者であるため、最新の不動産動向も把握。

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