【重要】新型コロナウイルス感染症への対応について

閉じる

賃貸経営のサブリースとは? 利用する前に知っておきたい注意点を解説

2週間前

アパートや一棟の賃貸マンション等の賃貸経営では、サブリース契約が利用されることが多いです。

サブリースは、一見すると空室リスクを回避できる対策のように見えますが、実は空室リスクを完全に回避することはできません。

また、賃貸オーナーがサブリース会社を訴える裁判も相次いでおり、トラブルが絶えない契約方式となっています。そこでこの記事では「賃貸経営のサブリース」について解説致します。

1.サブリースとは

サブリースとは、転貸借を意味する言葉です。サブリース契約は、サブリース会社がアパート等の一棟全体をいったん借り上げ、サブリース会社が各戸の入居者と転貸借契約を締結する管理方式となります。

従来、賃貸物件の管理は管理委託方式が主流でした。管理委託方式とは、賃貸オーナーが管理会社に管理を委託する方式です。

賃貸オーナーは各入居者と直接賃貸借契約を締結します。賃貸オーナーと管理会社とは、管理委託契約を締結するという関係です。

それに対して、サブリース契約では、賃貸オーナーはサブリース会社と賃貸借契約を締結します。

サブリース会社との間に管理委託契約は締結せず、賃貸オーナーとサブリース会社はあくまでも貸主と借主の関係です。

各入居者は、サブリース会社と賃貸借契約を締結します。そのため、各入居者にとって貸主はサブリース会社です。

転貸形式で管理をすることで、サブリース会社が賃貸オーナーに支払う家賃を定額にすることができるというメリットが生まれます。

空室の発生の有無に関わらず、サブリース会社の賃料を固定してしまえば、あたかも空室を保証したような管理ができるのです。

このような、賃料を固定額とするサブリースは、「家賃保証型サブリース」と呼ばれています。

家賃保証型サブリースは、満室想定賃料の80%程度の賃料が賃貸オーナーに振り込まれます。満室であれば、2割程度の収入をサブリース会社に差し引かれる形です。

サブリースは、収益性は低いですが、空室が発生しても収入が減らないというメリットがあります。

2.サブリースの注意点

この章では、サブリースの注意点について解説します。

2-1.賃料は永久に保証されない

サブリースは、賃料は永久に保証されないという点が注意点です。サブリースは、空室が発生してもサブリース会社が支払う賃料は固定額であることから、「家賃保証」または「空室保証」と呼ばれています。

「家賃保証」や「空室保証」といった呼称が、あたかも永久に家賃が保証されるかのような誤解を与えてしまうため、賃貸オーナーとサブリース会社との間でトラブルを生む原因となっています。

サブリース契約では、各住戸の空室が増えていくと、サブリース会社からの賃料減額要求があります。そのため、サブリース会社からの賃料は永久に固定というわけではありません。

サブリースは、空室リスクを直接負っているわけではありませんが、空室が増えればサブリース会社が賃料の減額を要求してくるため、結局のところ、間接的に空室リスクを負っていることになるのです。

2-2.不減特約は無効である

サブリース契約では、賃料の不減特約は無効であるという点が注意点です。不減特約とは、「契約締結から〇年間は借主から賃料は減額できない」等の旨の特約条項を指します。

サブリース契約とは、要は賃貸借契約のことであり、賃貸オーナーは貸主でサブリース会社は借主という立場になります。

貸主と借主の関係は、借地借家法に従うことになります。借地借家法第32条では、賃料の増減額請求権について以下のような規定を定めています。

【賃料の増減額請求】

第32条 建物の借賃が,土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により,土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により,又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは,契約の条件にかかわらず,当事者は,将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし,一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には,その定めに従う。

借主であるサブリース会社は、「近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき」は「契約条件にかかわらず」賃料を減額要求することが可能です。

この「契約条件にかかわらず」という文言が非常に重要で、たとえ不減特約を締結したとしてもサブリース会社は賃料を減額できることになっています。

借地借家法第32条は、強行法規と呼ばれる法律であり、貸主と借主が合意して締結した特約であっても、借地借家法第32条と異なる主旨であればその特約は無効です。

したがって、賃貸借契約で不減特約を締結しても、サブリース会社からの家賃減額は避けられないということになります。

賃貸オーナーはサブリース会社からの家賃減額は防ぎようがない要求であると、理解しておくことが必要です。

3.サブリースで重要な最高裁判例

サブリース契約では、平成15年10月21日第3小法にて「サブリース契約と賃料減額請求」に関する重要な最高裁判例が出ています。この判例は、サブリース会社による賃料減額を認めた判例です。

サブリースに関しては、過去に何度もオーナーとサブリース会社との間で裁判が繰り広げられてきました。

サブリース会社による賃料減額は、この平成15年の最高裁判例にて一定の決着がついています。

最高裁判例は、法律を補完するような役割を果たすため、実質的には法律です。一度最高裁判例が出てしまうと、その論点は覆ることはほぼありません。

これからサブリース会社を訴えたとしても、まず勝ち目はないということになります。サブリース会社からの賃料減額に関しては、不減特約等でも防ぐことはできず、裁判で争っても勝てるものではないということです。

誤解してサブリース契約を締結してしまっても、訴える手だてがないということは理解しておく必要があります。

消費者庁もサブリース契約には注意喚起を促していますので、十分にご注意ください。

【消費者庁等によるサブリースの注意喚起】

アパート等のサブリース契約を検討されている方は契約後のトラブルにご注意ください!(PDF)

まとめ

以上、賃貸経営のサブリースについて解説してきました。サブリースとは、転貸借による管理方式のことです。

サブリースでは、「賃料は永久に保証されない」と「不減特約は無効である」の2点が注意点となります。サブリース会社による賃料減額は、最高裁判例でも認められた権利です。

サブリースは、間接的に空室リスクを負っている収益性の低い契約であると理解するのが適切といえます。


竹内英二

不動産鑑定士・賃貸不動産経営管理士。不動産開発業務や不動産コンサルティング業務を経験し不動産投資の分野に精通している。代表取締役を務める(株)グロープロフィットは、不動産鑑定士事務所及び宅地建物取引業者であるため、最新の不動産動向も把握。

あなたにおすすめの記事

新着記事

賃貸経営お役立ち情報【PR】

賃貸経営お役立ち情報【PR】

お電話でも受付中

入力方法が分からない場合など、お気軽にお問い合わせください。

0120-112-180

無料!お電話で問い合わせる

受付時間:9:30~18:00
月~金曜日(祝日・年末年始を除く)