公開日:2026/08/18最終更新日:2026/08/25

社員寮とは? メリット・デメリットと導入の際のポイントを詳しく紹介【専門家がコメント】

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社員寮とは? メリット・デメリットと導入の際のポイントを詳しく紹介【専門家がコメント】

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社員寮とは、企業が従業員に提供する住宅です。
住環境が整い、従業員の生活コストも抑えられるため、導入を検討する企業も多いでしょう。

一方で、社員寮を新たに用意するには手間がかかります。
本当に必要なのか悩む担当者や経営陣も少なくありません。

本記事では、社員寮の定義、メリット・デメリット、円滑に導入するためのポイントを解説します。
従業員に満足して利用してもらえる福利厚生にするため、ぜひ参考にしてください。

社員寮とは?

社員寮とは?


社員寮とは、従業員やその家族のために会社が提供する住居であり、
住環境を支援する福利厚生のひとつです。

住まいそのものを提供するため、新しく入社した従業員も、
すぐに生活環境を整えられます。

基本的に単身者向けの住居を指すことが多い一方、
企業によってはファミリー向けの住居も社員寮に含まれます。

企業が提供する住宅は、広く社員寮と考えておくとよいでしょう。
ここからは、社員寮の種類と社宅との違いを解説します。

社員寮の種類

社員寮には、社有と借り上げの2種類があります。
それぞれ特徴や仕組みが異なり、向いている企業も変わります。

社有

社有の社員寮とは、会社が保有している物件を住居として従業員に貸し出すことです。
会社の都合で設備を自由に追加できる点がメリットです。

一方で、土地の購入や建設には大きなコストがかかります。
維持費も大きくなるため、資金面に余裕がなければ保有は難しいでしょう。

社有は高度経済成長期に多く見られたスタイルで、現在は減少しています。
老朽化の問題もあるため、長期的な視点での検討が必要です。

借り上げ

借り上げの社員寮は、会社が外部の物件を借りて従業員に提供する方法です。
物件の借り換えが可能なため、事業所を移転する場合も対応しやすい点が特徴です。

昨今はコスト面から、借り上げの社員寮が中心となっています。
ただし、借り上げ物件は長期契約が基本のため、短期間で利用をやめると手続きの負担が大きくなります。

仕事の都合に合わせ、短期間のみ住める物件も探しておきましょう。
最近では、短期間での入居者の入れ替えにも対応したサブスクリプション型の借り上げ社宅サービスもあります。

社宅と社員寮との違い

社宅も社員寮も、企業が従業員に提供する住居であり、大まかには同じ意味です。
ただし、社宅はファミリー向け、社員寮は単身者向けの住居を指す場合があります。

また、社宅は借り上げの住居、社員寮は社有の住居を指すケースもあります。
定義は企業によって異なるため、言葉を使う前に規程を確認しましょう。

社員寮を用意するメリット

社員寮を用意するメリット


 

社員寮を用意すれば、従業員と企業の双方にメリットがあります。
ここからは、社員寮を用意することで得られる主なメリットを4つ紹介します。

従業員の生活コストを抑えられる

社員寮があれば、一般的な物件よりも安い費用で住居を提供できるため、
従業員の生活コストを抑えられます。

家具・家電付きの部屋であれば、より低コストで生活を始められるでしょう。
新入社員や中途入社者も、社員寮があれば落ち着いて新生活をスタートできます。

また、従業員が住んでいる環境を会社側が把握しやすい点もメリットです。
 

【社労士によるコメント】
自動車メーカーでは、生産計画に応じた柔軟な生産体制を維持するため、期間工を雇用することが一般的です。テレビや冷蔵庫、エアコンなどの家電製品を完備し、水道光熱費も無料の個室形式の社員寮を用意することで、必要な人員の確保につなげています。

短期間の契約で転居が予定されている働く側にとっても、住居に関わる生活費が不要になり、手元に残るお金が増えるメリットがあります。

大庭真一郎氏(中小企業診断士・社会保険労務士/大庭経営労務相談所 代表)

数か月ごとにスタッフが入れ替わるIT企業や建設業でも、
家具家電付きのマンションを企業が用意することで、人材募集に効果が出ている例があります。

交流のきっかけが生まれる

同じ会社の従業員が集合住宅で暮らすことで交流が生まれ、
従業員間の関係がより円滑になります。

一緒に食事をしたり、共有スペースで話したりすることで、
テレワークで不足しがちなコミュニケーションの機会を増やせます。

交流機会をさらに増やしたい場合は、社員寮でのイベント企画もおすすめです。
企業として、従業員同士が話すきっかけを提供しましょう。
 

【社労士によるコメント】
新卒で入社した大手企業の独身寮に入寮した経験があります。寮内で違う部署の人と話すことで会社の全体像を理解でき、就業時間中には相談しにくいことを先輩社員に話せたため、仕事の悩みも早期に解決できました。

入居者同士で遊びに出掛けることで、仕事上のコミュニケーションも取りやすくなりました。

大庭真一郎氏(中小企業診断士・社会保険労務士/大庭経営労務相談所 代表)

採用時に対外的にアピールできる

社員寮は、収入が多くない新入社員・若手社員にとって、
とくに重要な福利厚生です。

そのため、社員寮が用意されている企業に対して、就活生は大きな魅力を感じるでしょう。
また、新しく入社する従業員にとっても、住環境を自力ですべて整えることは大きな負担です。

中途入社の従業員にとっても、社員寮の存在は大きなアピールになります。
 

【社労士・中小企業診断士によるコメント】
人口の少ない地方の企業が、職場から近い住みやすい社員寮を完備している点をアピールすることで、採用活動を成功させている例は少なくありません。

職場のそばに社員寮があることで、遠隔地に住む求職者も応募しやすくなり、採用の成功につながります。

大庭真一郎氏(中小企業診断士・社会保険労務士/大庭経営労務相談所 代表)

節税効果がある

社員寮を用意する場合、従業員から一定額を家賃として受け取っていれば、給与として課税されないため節税効果があります。

賃貸料相当額の50%以上を、従業員から家賃として受け取りましょう。
賃貸料相当額は、次の1~3の合計額です。
 

  • その年度の建物の固定資産税の課税標準額 × 0.2%
  • 12円 ×(その建物の総床面積(㎡)÷ 3.3㎡)
  • その年度の敷地の固定資産税の課税標準額 × 0.22%


一方、住宅手当や家賃補助を支給すると、その分は給与として扱われ、
所得税や社会保険料の負担が上がります。

従業員の税負担を減らす制度として、社員寮を検討しましょう。
出典:国税庁「No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき」


社員寮一棟貸しを利用するメリット・デメリットを紹介!利用する際のコツ・テクニックも解説

社員寮の導入・運用におけるデメリット

社員寮の導入・運用におけるデメリット


 

社員寮にはデメリットもあります。
導入時には、デメリットを軽減できる最適な手法を検討することが大切です。

ここからは、社員寮の導入・運用におけるデメリットを3つ紹介します。

導入の手間とコストが大きい

とくに社有の社員寮は、導入の手間が非常に大きくなります。
借り上げの場合でも、住居探し、契約、家具・家電の準備には大きな負担がかかります。

また、運営のノウハウがない場合、導入後に起きた問題への対処も負担です。
社員寮の導入・運営に詳しい専門サービスの利用を検討しましょう。

住居の選択肢が少ない

社有の社員寮では住居の選択肢が少なく、従業員個人の希望に沿った住環境を
提供できない可能性が高くなります。

また、事業所が移転した場合は、社員寮自体を移動させなければ、オフィスまで通う負担が大きくなるケースもあります。

借り上げ物件であれば、ある程度自由に住居を選べます。
ただし一般的な借り上げ物件は長期利用が前提で、短期利用では違約金が発生する場合もあります。

新たに最適な物件を探すには時間がかかるため、
結果的に少ない選択肢から住居を選ぶことになりがちです。

従業員間でトラブルが起きる可能性がある

従業員同士のコミュニケーション機会が増えることは社員寮のメリットです。
一方で、交流が増えることで人間関係のトラブルが起きる可能性もあります。

夜間の騒音や共用スペースの使い方は、トラブルにつながる大きな要因です。
社員寮の利用ルールを作り、個人が利用できるプライベートな領域を確保しましょう。
 

【社労士・中小企業診断士によるコメント:近年の傾向「サブスク社宅」】
自社で社員寮を所有すると、コスト負担が増えます。そのリスクを回避する方法として近年注目されているのが、「サブスク賃貸住宅」の活用です。

サブスク賃貸住宅は、毎月一定の利用料金を支払うことで、長期間住居物件に居住できるサービスです。物件の購入・保守管理費用や、賃貸契約時の敷金・礼金・保証金などを負担する必要がなく、コストを抑えられます。

物件の形態や所在地も豊富にあるため、住居の選択肢も広がります。

大庭真一郎氏(中小企業診断士・社会保険労務士/大庭経営労務相談所 代表)

社員寮を用意する際のポイント

社員寮を用意する際のポイント


社員寮の効果を高めるには、導入のポイントを意識する必要があります。
従業員が利用したいと思える、満足度の高い社員寮を目指しましょう。

社員寮が本当に必要か検討する

まずは、従業員が本当に社員寮を求めているのかを確認しましょう。
入居を希望する従業員の人数や、社員寮を求める理由を調査します。

希望しない従業員が多くても、出張や異動が多い業種では導入を検討する必要があります。
また、「自由がない」「設備が古い」といったネガティブなイメージが理由で入居を希望しない場合もあります。

社員寮についてどのようなイメージを持っているか、
どのような社員寮であれば入居したいと感じるかもあわせて調査しましょう。

必要な社員寮のタイプを明確にする

社員寮が必要だと判断できた場合は、必要な設備も調査しましょう。
従業員のニーズに合う住居を用意することで、満足度は高まります。

転居の自由度を高め、コストを抑えるなら借り上げの社員寮がよいでしょう。
ただし、従業員によって求める社員寮は異なります。

ニーズに合わせ、複数タイプの部屋を準備できるサービスを検討しましょう。
 

【社労士・中小企業診断士によるコメント:社員寮・社宅のタイプ】
社員寮には、ワンルーム寮、集合寮、家族寮などのタイプがあります。

ワンルーム寮は、一般的なアパートやマンションの一室を企業が借りて寮にするもので、主に独身者向けです。集合寮は、会社が所有する敷地内に社員が集合で居住する建物を設け、集団生活を行う形式です。

家族寮は、社員が家族と一緒に住める寮です。企業が家族向け賃貸物件を確保したり、集合寮内に家族向けの部屋を設けたりするケースがあります。

大庭真一郎氏(中小企業診断士・社会保険労務士/大庭経営労務相談所 代表)

規則や管理体制を整える

従業員同士、または従業員と企業のトラブルを防ぐため、詳細な規程を作りましょう。
規程や規則で明確なルールを設けることで、スムーズな共同生活が可能になります。

管理を企業が行うのか、外部サービスに委託するのかも、あらかじめ決めておきましょう。
トラブルへの対処が早くなります。


社員寮の規程や規則はどう決める? 必要事項と策定の注意点を徹底解説

【社労士・中小企業診断士によるコメント:トラブル防止のための規程の例】
寮の管理に関して従業員との間でトラブルになりやすいのは、費用負担と入寮資格の喪失です。従業員負担とする費用は、規程に明記することが望ましいです。


第○条(費用負担)
以下の費用は、寮の入居者が負担するものとする
 

  • 電気、ガス、水道の使用料金
  • 駐車場使用料金


第○条(入寮資格の喪失)
入寮者が以下の事由に該当した場合は入寮資格を喪失し、資格喪失日の翌日から2週間以内に退寮しなければならない。
 

  • 退職するとき
  • 会社に無断で入寮資格のない者を居住させたとき

外部サービスの利用を検討する

社員寮を新しく用意するには膨大な手間がかかり、担当者の負担は大きくなります。
煩雑な業務を簡略化するため、社宅や社員寮に関連した外部サービスを利用しましょう。

社員寮探しに加えて、入居後の生活サポートを依頼できるサービスもあります。
外部サービスの利用により、社員寮準備の負担を大幅に減らせます。

家具・家電が揃っていれば、従業員もすぐに生活をスタートできます。
家具家電や入居後サポートが付いた物件を、全国からスピーディに紹介してくれるサービスを選びましょう。

まとめ:従業員の希望を重視して必要な制度を導入しよう

まとめ:従業員の希望を重視して必要な制度を導入しよう


社員寮を導入する際は、従業員の希望をかなえることが大切です。
従業員が求める住環境をリサーチし、最適な物件を提供しましょう。

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細かな要望に合った高品質な住居を、必要に応じて用意できます。
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(マイナビBiz編集部)
※本記事内の情報は2023年1月時点のものです。

中小企業診断士、社会保険労務士、大庭経営労務相談所 代表大庭真一郎
中小企業診断士、社会保険労務士、大庭経営労務相談所 代表大庭真一郎
1965年、東京都出身。東京理科大学卒業後、民間企業勤務を経て、1995年4月に大庭経営労務相談所を設立。「企業のペースで運用できる解決策を企業と共に考え、企業と共に行動する」ことをモットーに、関西地区を中心として、企業に対する経営支援業務を展開。支援実績多数。
1965年、東京都出身。東京理科大学卒業後、民間企業勤務を経て、1995年4月に大庭経営労務相談所を設立。「企業のペースで運用できる解決策を企業と共に考え、企業と共に行動する」ことをモットーに、関西地区を中心として、企業に対する経営支援業務を展開。支援実績多数。

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