外国人の賃貸契約に保証人は不要? おすすめ対応策も紹介!【専門家のアドバイスあり】


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グローバル人材を受け入れる際の3つのポイント | お役立ち資料 | マイナビBiz

外国人の人材受け入れ時、賃貸契約にあたり大きな障壁となっているのが連帯保証人です。日本人だけでなく、外国人が賃貸契約をする際にも連帯保証人が必要なケースが多くなっています。連帯保証人の条件ははっきりと決まっているわけではないものの、外国人にとって見つけるのはかなりハードルが高いでしょう。

本記事では、外国人が連帯保証人なしで賃貸契約する方法だけでなく、外国人の賃貸契約時に使われることが多い家賃保証会社の注意点についても詳しく解説します。外国人受け入れに、よりおすすめな手段も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

外国人の賃貸契約時にも連帯保証人が必要

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基本的に、外国人が賃貸契約をする際にも日本人と同様に連帯保証人が必要です。しかし、家族を国に残して日本にきた場合など、身近に候補となる人がいないケースが多いため、日本人よりも契約のハードルは高くなります。

多くの場合、会社関係者の中から候補を探す必要がありますが、万が一の際に訴訟問題になりかねないなど、リスクは非常に大きいです。会社のためとはいえ、大きなトラブルになりかねないため、上司や人事部で安易に連帯保証人になってはいけないといえます。

また、その他にも、日本語でのコミュニケーションや支払い能力の証明が困難であるなど、外国人はさまざまな理由で賃貸契約が難しいケースが多いです。

連帯保証人の主な条件とは

そもそも連帯保証人とは、貸主が収入を得られないというリスクを回避するためのものであり、基本的には以下の条件を満たす人である必要があります。

・65歳未満である
・契約者の親族である(3親等以内)
・契約者と同等かそれ以上の安定収入がある
・日本人であるか日本の永住権がある

不動産会社によって条件は細かく異なりますが、上記の条件が必須であるケースが一般的です。連帯保証人は、いわば貸主が安心して物件を借り出せるようにするためのものであるため、一定の条件が課されていると考えられます。

賃貸借契約において、賃借人は賃貸人に対して、賃料の支払いや退去時の原状回復、なんらかの損害を発生させた場合の損害賠償などの義務(責任)を負っています。この義務を法的には「債務」といいますが、賃借人と連帯して債務を負うのが連帯保証人です。 保証人には、通常の「保証人」と「連帯保証人」がありますが、通常賃貸借契約においては連帯保証人が求められます。 これは、保証人の場合、例えば賃借人が家賃を支払わないときに、保証人に家賃の支払いを催促しても、賃借人に家賃をの支払いにあてられる財産が一部でもあれば、、まず賃借人に支払いを請求するよう求めることができます(催告の抗弁権:民法452条)。 賃貸人の立場から考えると、これでは保証人を立てる意味がなくなってしまいます。 このことから、賃貸借契約にあたってはこういった主張が認められない連帯保証人(民法454条)を必要としています。

吉満博氏(宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザー)※以下項目も含む

連帯保証人不要で外国人が賃貸契約をする方法

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前述の通り、基本的に外国人の賃貸契約には連帯保証人が必要ですが、連帯保証人なしで賃貸契約が可能なケースもあります。外国人が連帯保証人なしで賃貸契約をする主な方法は一般的には下記のものがあります。

・連帯保証人紹介制度を利用する
・連帯保証人が不要の物件を探す
・連帯保証人代行サービスを利用する
・家賃保証会社を利用する
・外国人OKの借り上げ社宅を利用する

上記の方法は、連帯保証人がいなくても賃貸契約ができる可能性があり便利な一方で、デメリットもいくつかあるため、それぞれの特徴を詳しく確認しておきましょう。

方法1.連帯保証人紹介制度を利用する

まずは、連帯保証人紹介制度を利用するという方法です。賃貸物件への入居にかかる支援をするものとして都道府県が指定する「居住支援法人」という法人があります。

居住支援法人は、低額所得者や被災者といった住宅の確保に配慮を要する人が賃貸住宅に円滑に入居できるよう、情報提供や相談、見守りなどの支援を実施しています。あわせて外国人の賃貸契約をサポートしているものもあり、スムーズに入居できるよう連帯保証人紹介制度を利用できる可能性があるのです。

ただし、確実性を担保することはできないため、一度紹介可否について問い合わせてみる必要があるでしょう。

出典:国土交通省「住宅確保要配慮者居住支援法人について」

方法2.連帯保証人が不要の物件を探す

そもそも連帯保証人が不要の物件を探すのも一つの手段です。賃貸物件のなかには、連帯保証人なしで契約できるものもあります。

しかし、物件数が限られてしまうほか、物件の間取りや条件などが希望に見合わないものである可能性もあるため、現実的な方法だとはいえないでしょう。

方法3.連帯保証人代行サービスを利用する

連帯保証人代行サービスを利用するという方法もあります。連帯保証人代行サービスは、連帯保証人になってくれたり紹介してくれたりするサービスです。代行してくれる分、前述した居住支援法人の紹介制度よりも確実性が高い方法だといえるでしょう。

しかし、すべての物件に対応しているわけではないほか、不動産会社とは別の主体が運営元である場合、トラブルに発展してしまう可能性もあります。また、詳しくは後述しますが、保証委託料を支払うことで家賃の支払いを保証してくれる家賃保証会社に比べると、対応している物件が限られる点にも注意が必要です。

方法4.家賃保証会社を利用する

外国人の賃貸契約時によく利用されるのが、家賃保証会社です。家賃保証会社とは、委託料を支払うことで、何らかの事情で家賃を支払えなくなった場合に立て替え払いをしてくれる会社のことです。

連帯保証人がいない場合に利用されるもので、連帯保証人代行サービスに比べて対応している物件が多く、国内に多数の会社が存在するため選択肢が多いなどのメリットがあります。

方法5.外国人OKの借り上げ社宅を利用する

外国人の居住先として借り上げ社宅を利用するという方法もあります。借り上げ社宅とは、企業が賃貸物件を借りて社員に貸し出す住居のことで、社宅規程に基づいて契約・運用をするものです。企業が物件を契約するため、家賃の支払いなど金銭のやり取りを社員がする必要はありません。

法人が外国人向けの借り上げ社宅として契約しやすい賃貸住宅の特徴として、以下のようなものが考えられます。

吉満博氏(宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザー)※以下項目も含む

・外国語でコミュニケーションがとれる管理会社やオーナーである
・同世代の入居者が多く見込まれる(生活習慣の違いによるトラブルが起きにくいという意味で)
・自治会や町内会の決まりが少ない、参加を強制されない
・外国人が多い自治体(区役所等に英語ができるスタッフが常駐しているなど)
・ネット環境が備わっている(ネットでの自国の家族との連絡がとりやすい)
・家具・家電付き(故障などのトラブル時に対応してもらいやすい)
・英語対応が可能な病院にアクセスしやすい

企業側が諸々のやり取りを行うため、社員自身が契約して家賃を支払い、規定の額を毎月の給与に上乗せして支給する住宅手当とは異なります。

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外国人の賃貸契約には家賃保証会社の利用が一般的だが注意点も多い

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外国人が連帯保証人なしで賃貸契約をする方法はいくつかあり、なかでも家賃保証会社を使うのが一般的です。家賃保証会社は国内にも多数存在しメリットもありますが、一方で下記のような注意点もあります。

・審査に通過しなければ利用できない
・保証料がかかるため選び方によっては負担が増える
・家賃を滞納すると大きなトラブルになる
・家賃保証会社の破産や倒産リスクがある

外国人の賃貸契約の際によく使われるものではありますが、その分注意点も把握しておく必要があるでしょう。

注意点1.審査に通過しなければ利用できない

家賃保証会社は、そもそも審査に通過しなければ利用できません。入居希望者に何らかの問題があれば利用できないので注意が必要です。

審査基準は会社ごとに異なりますが、審査は基本的に支払い能力を確認するために行うため、職業や雇用形態、勤続年数や年収などの情報が必要となるケースがほとんどでしょう。クレジットカードやローンのように、過去に支払いの遅延や延滞があるなど信用情報に問題がある場合は審査に通過できない可能性があります。

注意点2.保証料がかかるため選び方によっては負担が増える

家賃保証会社は、利用にあたって保証料がかかるため金銭的な負担が増える点にも注意が必要です。保証料または保証委託料の金額は会社によって異なりますが、多くの場合、家賃1ヶ月分が契約時の初期費用として必要となります。

また、保証料とは別に契約更新する際には更新料が発生し、保証料ほどではないものの、数万円の負担が必要となる可能性があります。家賃保証会社を利用することで敷金が減額となる可能性がありますが、保証料が初期費用として発生するため結果的に借主の負担が増えてしまいやすいといえるのです。

注意点3.家賃を滞納すると大きなトラブルになる

家賃保証会社を利用する場合、万が一家賃を滞納してしまうと大きなトラブルになりかねません。家賃保証会社の利用可否に関わらず家賃の滞納は問題ですが、督促が頻繁にきたり訴訟問題になったりするだけでなく、信用情報に傷がつく危険性もあります。

また、家賃を滞納した利用者に対して過度な取り立てを行う会社もゼロではないといえるので、家賃の支払いに不安がある場合は利用しないほうがよいといえるでしょう。

注意点4.家賃保証会社の破産や倒産リスクがある

家賃保証会社が、破産や倒産してしまうリスクもないとはいえません。可能性としては低いですが、なかには業績が芳しくない会社や違法な取り立てなどを行う会社も存在します。

家賃保証会社を利用することで、家賃の支払いに不安がある場合も安心して賃貸契約ができるものの、頼りすぎるのは危険です。万が一の際に、入居者だけでは対応しきれない可能性を考慮しておくべきだといえます。

このように家賃保証会社の利用には注意すべき点があることに加え、外国人ならではのリスクも考えられます。 企業がオーナーと契約する借り上げ社宅であれば、家賃が給与から天引きされるため、滞納してしまう可能性は減りますが、一般の賃貸借契約では、日本の商習慣やコミュニケーションに慣れていない外国人の場合、口座の残高不足や家計管理がうまくいかず家賃を滞納してしまうことも考えられます。 家賃保証会社を利用するにあたっては、入居者は、家主と賃貸借契約を締結するほか、家賃保証会社と家賃債務保証委託契約を結びます。 保証会社との契約内容や家賃を滞納した場合の対応の仕方などをしっかりと理解していないと、日本人以上にトラブルになる可能性は高く、それが仕事へ影響したり、場合によっては退職につながる可能性も考えられます。 家賃の滞納や契約締結後のトラブルなどのリスクを減らせる点では、借り上げ社宅がおすすめできます。

吉満博氏(宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザー)※以下項目も含む

外国人の賃貸契約を保証人不要で行うには借り上げ社宅がおすすめ

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外国人の賃貸契約を連帯保証人不要で行うには、借り上げ社宅がおすすめです。借り上げ社宅には、下記のようなメリットがあります。

・社員が入居先を探す手間が省ける
・社員が安心して入居できる
・企業・社員ともに節税が見込める
・福利厚生として求人でアピールできる
・住宅管理の手間が省ける

それぞれ詳しく解説します。

外国人の賃貸契約がスムーズになる借り上げ社宅サービス「マイナビBiz」なら、手続きもスムーズ・入居後のサポートも安心です。
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借り上げ社宅のメリット1.社員が入居先を探す手間が省ける

借り上げ社宅のメリットとしてまず考えられるのが、社員が入居先を探す手間が大幅に省ける点です。自身で一から探すのに比べて入居先の候補となる母数は減るものの、その分探す時間や手間がかからないうえに契約できないという心配がいりません。

また、契約や入居関連の諸々の作業を自身で行わない分、入社に躊躇しないで採用がスムーズになります。

借り上げ社宅のメリット2.社員が安心して入居できる

法人が社宅用途で賃貸するために物件を用意する専門のサービスもあります。このような借り上げ社宅の場合、入居する社員の満足度も高く、安心して社員を住まわせることができます。

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借り上げ社宅のメリット3.企業・社員ともに節税が見込める

借り上げ社宅は、企業・社員ともに節税が見込めます。企業側は、住宅手当の支給が不要で家賃を給与から天引きできるため、給与全体の支給額を減らすことが可能です。社員側は、給与から家賃が引かれることで所得が減るため、結果的に課税される所得税が減ります。

節税は、企業と社員双方にとって大きなメリットとなり、社員にとっては満足度が向上しやすいといえるでしょう。

借り上げ社宅のメリット4.福利厚生として求人でアピールできる

借り上げ社宅は、福利厚生として求人で全面的にアピールできます。求職者が入居先を探す手間が省けたり節税できたりと、借り上げ社宅のメリットは非常に魅力的です。

入居先が見つからない、連帯保証人がいなくて賃貸契約できないなど、住居関係のことがネックとなり求人への応募を諦めていた優秀な人材を発掘できる可能性があります。海外からの外国人に対してだけでなく、国内の人材に対してもアピールできるでしょう。

借り上げ社宅のメリット4.住宅管理の手間が削減できる

借り上げ社宅は、業者から物件を借りている状態となるため、自社で住宅の管理をする必要がありません。管理費用がかからないという費用面のメリットだけでなく、管理の手間もかからないため負担は少ないといえます。

企業が所有する物件を社員に貸し出す社有社宅の場合は、自社で管理しなければなりませんが、借り上げ社宅であればその分のコストを削減可能なのです。

このように借り上げ社宅を導入するメリットはいくつか考えられますが、導入する企業にとってもっとも大きな価値は、優秀な人材を採用しやすく、離職を防ぎ継続的に雇用しやすい環境がつくれる点にあるといえるでしょう。 日本の習慣や言葉に慣れていない外国人にとって、生活の拠点となる住居を安心して提供してもらえる意味は大きいです。そのため、借り上げ社宅は、求人や採用面において大きな武器になるとともに、他社との差別化になります。 また、入社後の従業員の満足度を向上させるだけでなく、仕事を辞めることは住居を失うことにもつながりますので離職率を下げやすくなります。 これは、一般的な住居手当の支給では得られない借り上げ社宅の強みといえるでしょう。

吉満博氏(宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザー)

まとめ:外国人の賃貸契約にも保証人が必要!賃貸以外の選択肢も視野に入れながら物件の手配をしましょう

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外国人の賃貸契約時にも連帯保証人は必要なため、社員が自ら探すか、連帯保証人が不要となる手段を検討しなければなりません。連帯保証人なしで賃貸契約する手段はいくつかあり、なかでも家賃保証会社の利用が一般的です。しかし、家賃保証会社はメリットがある一方で注意点も多く、誰でも気軽に利用できるというものではありません。

そこでおすすめなのが、借り上げ社宅の利用です。マイナビBizでは、外国人向けの物件も取り扱っており連帯保証人不要で入居できます。マイナビBizには、主に以下のようなメリットがあります。

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(マイナビBiz編集部)
※本記事内の情報は2023年12月時点のものです。

【コメント専門家プロフィール】
吉満 博 氏
株式会社あつみ事務所 代表
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザー
建設会社・ハウスメーカーの建築設計、不動産売買仲介を経て、不動産・住宅専業ライターとしても活動し、これまで不動産・金融メディアなどで300本以上の記事を手掛ける。不動産の購入から売却まで、出口戦略や資産性を踏まえた長期の視点で不動産コンサルティング・仲介サービスを提供。


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