家もサブスク? エンタメだけじゃない、住宅・サブスク社宅、オフィスなどビジネスユースの流れを解説


thumbnail

この記事は5分で読めます

2020年以降、急速なリモートワークの普及、巣ごもり消費など、人々の行動は大きく変化しています。エンタメ業界を席巻するサブスク消費増もそのひとつ。もともとは新聞や雑誌の定期購読「サブスクリプション」に由来しているサブスク。当初はWebサービスやスマホアプリで主流とされてきた契約形態でしたが、今では一定期間に定額で提供されるサービス全般を指すようになりました。

サブスクサービスは、コスパが良く解約もスマホなどでカンタンなので「高価すぎる」「合わないかもしれない」「失敗したくない」という理由で見送っていたジャンルにもお試しで挑戦できるのが支持される理由。おなじみの動画や音楽の配信サービスのほか、高級家具や車、時計やブランド服の定額レンタルも人気です。

ほかにはテイクアウトやレストランが利用できるフード系、定期便で特定ジャンルの商品が届くデリバリー、英会話などの教育系、不動産関係ではサブスク住宅やオフィス、業務サポートなどのビジネスユースまで定額会員制のサービスが提供されるようになってきました。コロナ禍でますます多様化するニーズを受け、景気回復の起爆剤として期待と熱量をもって多分野でサブスクリプションへのシフトが進んでいます。

多様化するサブスクサービス

サブスク(サブスクリプション)サービスとは?

定額料金で一定期間利用できるサブスクリプションサービス。
これまでの消費スタイルと違うのは、売り切り型ではない継続課金なので一度契約した顧客との関係が長期に続きやすいこと。また対価が商品やサービスの数や回数ではなく、あらかじめ範囲が決められたサービスの利用権限に払うということ。いわゆる「所有」ではなく「利用」することにコストを払う新しい消費スタイルを象徴するビジネスです。
元はIT業界で始まった形態で、ソフトウェアをディスクなどでパッケージ販売していたものを、普及が進み収益率が下がったことから、確実な収入を確保できる定額料金制にシフトしたもの。それが「Amazon Prime」「Netflix」「Spotify」などエンタメ配信サービスで普及し一般化するにつれ、定額利用し放題のトレンドは他分野にも伝播しています。

多様化するサブスクサービスの例

サブスクは物販にも進出中。売り切り型に比べて初期購入のハードルが低く、気軽に試せるのが魅力です。普通の通販とは違うサブスクならではの付加価値がポイントで、例えば工場直送のビールが会員限定で楽しめる会員制生ビールサービスや、季節の花がプロのアレンジで自宅のポストに届く花の宅配。ついつい後回しになりがちな非常食などのニッチな需要を定期便に仕立てたサービスも好評のようです。ホビー系では憧れの高級ギターやバイオリン、ピアノなどが定額でレンタルできるもの、ストックが気になる高性能マスクが定期的に確保できるサービスなど……今やサブスクは多種多様、個人消費市場で大きなポジションを占めつつあると言えるでしょう。

加速する法人向けサブスク・定額型会員制が急増中

個人消費だけではなく、最近は法人向けサービスも増えています。技術が進みセキュリティ環境が整うことでオフィス業務のアウトソーシングなどが普及してきたということもありますが、昨年から続くコロナ禍で先行き不透明なことから、提供側にしても一度顧客になると長期契約に結び付きやすい継続課金ビジネスにシフトする流れがあるようです。

バックオフィスのコストダウンを狙える切り札に

ビジネスシーンでの定額利用では、バックオフィスの業務効率化があげられます。
クラウドサービス導入を考えるとき、繁忙期と通常月など毎月の業務量には増減があるものですが、定額であれば、予算が立てやすく、トータルで割安なことが多いので安心です。リモート環境の整備がすすむにつれ、業務管理系・請求業務系・経理系・出張管理などの業務サポートや、名刺管理、業務コンサルなどを含む営業系まで、中小企業を中心に業務サブスク契約も増えています。
また、業務サポート関係にとどまらず、従来は買い取りやリース、レンタルで対応していたハード面、オフィス家具や社用車などのコストをスリム化する際にもサブスクが検討されています。例えばオフィス家具は初期費用がかかりますが、コロナ禍対応の臨時サテライトオフィスなどの需要からサブスクが好調。オフィス家具メーカーが提供しているなど、割安感がある上試用もでき、気に入ればそのまま買い取れるなど、付加価値が高いことからも利用が進みそうです。

社宅やサテライトオフィスにも活用の波 

リモートワーク導入による社外オフィスのニーズも追い風で、居住地域で仕事をする場合に環境が整ったオフィスを提供するための「シェアオフィス」や「コワーキングスペース」でも月額で契約できるサービスが登場しています。中には都市部だけではなく、自然環境に恵まれた地方のオフィスを定額で移動しながら利用できる「ワーケーション対応」のサービスまであり、広がりを見せています。
サブスクがけん引する「所有から利用へ」というビジネストレンドは、社用住宅のあり方も変えつつあります。社宅はコスト面から昨今会社所有の物件は減少傾向にあり、多くの場合が賃貸で対応しています。さらに社宅業務を外部の専門業者に委託するのも主流になりつつあり、プロが提供する社宅サービスは多様化していますが、2019年に「サブスク社宅」が登場して以来、最近ではニーズをとらえた新しいソリューションとして、サブスク型の社宅が注目を集めています。

住宅のサブスク、具体的なメリットは?

様々な業界で進む定額化ですが、不動産の常識を変える流れとして話題を集めているサブスク住宅についてここで整理しておきましょう。実際に住宅をサブスクで利用するというのはどういうことなのでしょう。一般の賃貸住宅との違いとサブスク住宅のメリットについて簡単に説明します。

サブスク住宅の2大メリット

*メリット① 住宅コストが低い
最大のメリットは低コストだということ。戸建てでも集合住宅でも住宅購入は言うまでもなく数千万円の高コストですし、賃貸住宅は初期費用の他に家財道具の購入やメンテナンスなど多大な費用がかかります。特に都市部での高額な住宅費はいつでも家計の大問題です。
その点、サブスク住宅では初期費用がかからず規定の定額料金を払うだけで、家具調度や家電、Wi-fi使用料なども込みなので生活全体のコストが大幅にカットできるのが魅力です。一昔前は、家を建て「一国一城の主」になるのが人生の目標だった時代もありましたが、今は必ずしも「所有」がステイタスという価値観ばかりではないようです。物件によってはシェアハウスのようにキッチンやバストイレを共同で使うなどの制約もありますが、リモートワークの普及が追い風になり、ローコストでミニマルなライフスタイルを好む若い層に選ばれています。

*メリット②  ロケーションと期間の自由度が高い
シェアハウスと異なるのは、契約期間内で利用日数を比較的自由に設定できることと、提供される物件が複数あれば転居して利用できる点です。多くのサブスク住宅は定額会員制で、拠点が全国展開している場合など、会員になれば規定サービスの範囲内で移動は何度でも自由というのが一般的。敷金や礼金などの初期費用はもちろんゼロ。多くの場合、料金には家具や家電はもちろん水道光熱費などが含まれています。
単身世帯の若い世代を中心に、定住せずに複数拠点で仕事をしたい、憧れていた土地で暮らしたい、旅するように移動しながら暮らしたい人に選ばれています。自由に住処を想定できる、賃貸住宅より短期間でホテルやゲストハウスよりも長く滞在できる仕組みを上手に活用すれば、高コストな従来の住宅条件に縛られない新しいライフスタイルが手に入るということですね。

入居者の入れ替え可能な「マイナビBiz サブスク社宅」をチェック

サブスク住宅の社宅活用がこれからのトレンドに?

低コストで移動が簡単というメリットは、単身赴任や長期出張が多い人には利用価値が高いでしょう。案件ごとに宿やマンスリーマンションを手配する手間を省いて、必要なだけ複数拠点間を移動でき便利です。そういった利点から最近は法人のサブスク住宅の社宅活用が注目されていますが、コスト面や利便性だけではなく、家族が同居できる、利用者が変わっても居住できるなど、社宅を想定したメニュー対応があげられます。今後サービスの拡大が期待でき、活用ケースがますます増えていきそうです。

サブスク住宅・サブスク社宅の利用に向かないケースは?

低コストで利用の自由が高いとなればぜひ活用したいサービスですが、住宅として考えた場合に、検討しておきたいポイントがあります。

*インテリアが選べない

自分好みの空間で暮らしたい場合、設備の家具調度がストレスになることもあります。確かにコスト面では優秀で、場所や期間は選べるものの、住まいをカスタマイズすることは現状難しいことを把握しておきましょう

*ファミリー層には難しい場合も

単身世帯にはメリットが多いものの、子育て世代や、親の介護を抱えたファミリー層には、利用が難しいこともあるでしょう。保育園の確保や学校など原則定住を条件に設定された行政サービスが受けにくい可能性があります。また流動的な住環境は、介護が必要な家族や体力がないお年寄りが家族の中にいる場合も難しいでしょう。

働き方改革につながる新たなサブスクに今後も注目を

コロナ禍でビジネス環境が激動する中、注目されているサブスク社宅。コストダウンにつながり、従業員の住環境を担保しながら出張や転勤などの業務ニーズに対応する住宅サービスとして熱い期待が集まっています。企業によっては社宅だけではなく、サブスク住宅を企業活動の拠点にして業務クラウドシステムを導入し、リモートで業務展開に活用するケースもあり、業種によっては、支店や事業所を持つことなく全国展開する手段としての可能性があります。
社宅といえばこれまで「賃貸」か「所有」の二択でしたが、これからはプラスα「サブスク」も選択肢として加え、検討してみてはいかがでしょう。

入居者の入れ替え可能な「マイナビBiz サブスク社宅」をチェック


その他のおすすめ記事

マイナビBizが選ばれる理由
詳細はこちら