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半沢大家の物件取得に向けた融資行動の記録②(撤退編)

2021年1月12日

半沢大家

2019年まで銀行員、現在は証券アドバイザーとして勤務する兼業大家。2018年以降、2年間で計6物件、融資を使って購入。現在アパート4棟、駐車場用地1筆、戸建て1棟を保有し、家賃年収は2,600万程度。不動産購入での銀行融資付を得意とし、投資家からの個別相談を受け、銀行打診の指南を行っている。


こんにちは、半沢大家です。今回の記事は、前回同様私自身の融資申込を共有するという内容でお届けします。

前回の記事では、2物件チャレンジのうち、成功した事例について書きました。
承認:北関東新築プラン 金額9,000万円 利回り11%
撤退:埼玉県新築プラン 金額7,000万円 利回り10.5%

正直、うまくいった事例でしたので、前回はとても筆の進みが良かったです。

今回は撤退となった埼玉県の新築プランについて書きたいと思います。当時の行動や考えていたことを掘り返しながら書いていきます。

しかし、言いまわされた表現ではありますが、失敗経験の中にこそ次の成功への鍵が埋まっています。ぜひ、今回共有する私の撤退記録から「鍵」を見つけ出し、皆さんの行動に生かしていただければと思います。

行動記録の一覧とその敗因

今回の融資申込の手順をまとめます。

成功条件:頭金1割以内の融資金額、及び総合的に条件を満たす融資条件を得ること。

①「居住地」「物件所在地」「賃貸業のメインエリア」が一致していない状況での融資打診を画策。(埼玉県新築プラン、利回り10.5%)
②地域性を重視する金融機関を中心とした約20行にアポ打診の電話連絡。
③エリア外等の理由により電話時点で撤退。実際は7行へ訪問・申込を行う。
④本部審査へ進んだ銀行は3行。(この時点で居住地・物件エリアの信金信組は全滅)
⑤上記の3行から減額承認の通知。頭金2割前後の回答となり、本案件を断念。

頭金2割減額となった要因としては、(対話の中でくみ取った限りは)以下の2点でした。


・普段取り扱っているエリアを外れることによる、積算評価の目線相違。
→地方をメインで取り扱っている金融機関が首都圏に近い物件を評価する場合、どうしても積算の不足に着目してしまう。地方であれば、路線価等の積算は出やすいが、首都圏に近づくにつれて売買価格との差が大きくなり、担保評価を毀損(きそん)してしまう。(逆に首都圏の銀行から地方で打診したとしても、「エリア対象外」で間接する可能性が高い。)

・新規顧客の遠方物件ということで、そもそもの組み立てがやりにくい
→現場の審査部からすると「なぜこの案件をうちの銀行が取り組むのか?」に対する納得性が乏しい。

今回の案件は上記の流れにより撤退することになりました。積算評価不足についても話には出てきましたが、個人的には最終的な敗因は「地場の金融機関から地場の経営者」として認定されなかったことだと考えます。悔しいですが、次からは私が考えていたことを共有します。

新規エリアでの融資打診。必要とされるものは何か。

今回撤退した埼玉の物件は、私の既存取引銀行全てにおいてエリア外であり、取り扱いができませんでした。(もう一つのプランを打診しているので、そもそも申し込みはできませんでしたが)よって、今回の案件では既存銀行に蓄積された「信用」は使うことができません。

「信用」がない以上は頭金などで決意を示す必要があり、今回の目標である「諸経費含む投入自己資金が2物件合計1,500万円以内を目指すこと」をクリアするうえで、頭金が一番高いハードルになると考えていました。(今回は頭金割合が1割以内でないと厳しい状況でした)

今まで説明してきたように、基本的には新規エリア・新規銀行との取引は、既存銀行に比べると不利です。お金を借りるという行為は数字だけで判断できない部分が多く、「信用」により判断される場面が多くあります。

今回の物件は数字の面では悪い物件ではありません。良い仕入れを行えば、融資三原則のうち「財源」「保全」はある程度確保されるはずだと考えていました。逆に言うとよい仕入れができている限り、新規開拓の審査においてネックになるのは「使途(ストーリー)」です。

特に新規銀行・新規エリアでの資金調達となればこの「使途」をいかに攻略できるか、そして相手の銀行員の「熱意」を呼び起こせるかが大切になります。

つまり、今回の物件で私が注力するべきと考えていたのは、
・新規銀行の本部が納得してくれるストーリーの流れ(使途)
・支店の担当者、支店長のエネルギーを引き出すこと(熱意)

の2点です。

この2点を突破することは、常に頭に入れて行動をしました。

ストーリーの作り方

「ストーリー」と「熱意」の2つですが、どこまで努力の投入余地があるのでしょうか?

前回お話しましたが、融資3原則のうち「使途」は短期的な努力の投入余地が最も高い分野であると考えていますので、今回も頑張りどころは「使途」であると考えています。(当然良い物件を仕入れる努力も大事ですが、「融資申込の段階では」使途に努力を投入し、良い融資条件を獲得するのも大切です。)

ただ、ストーリーについては残念ながら努力で戦える範囲に限度があります。「なぜこのエリアで物件を購入するか?」を地場の金融機関は細かくチェックしており、エリア外と判断されればどんなに良い案件でも取り組み不可です。ここはどんなに下準備を行ってもエリア外はエリア外であり、突破の余地がほぼ無いです。法律のようなものだと考えてください。

実際に考える際は、自分の「居住地」「物件所在地」「勤務地」「法人の所在地」をうまく組み合わせてストーリーを組み立てるしかありません。基本的には上記4地点の変更はできませんので、ここにいかに自分の展望を添えて、申込金融機関と将来的に付き合いを継続するか、を語るしかないでしょう。

・将来的にどこに住み続けるのか?
・今後事業を行うメインエリアはどこになるのか?
・なぜこのエリアの物件を買うのか?(今まで何か縁があったのか?)

特に信金・信組は申込者の実態を気にします。今回20行ほど電話にてアポ取りを行いましたが、債務者の居住エリアを重視する回答が多かったです。エリアによるふるいに掛けられ、実際に訪問に至ったのは7行まで減少しました。

残ったのは「申込者の居住エリアと物件エリアをカバーしている信金」「法人所在地がメインエリアであり、幅広いエリアをターゲットにする銀行や商工中金」となりました。

熱意の重要性

ストーリーとは違い、熱意に関してはその気があれば努力を100%反映させることができます。

・申込資料をミスなく整えること
・誤字脱字をなくすこと
・アポを取って、スーツで訪問し申し込みを行うこと
・自身での分析資料や、今後の運営方針について相手に伝えること
など、実施できることは多くあります。

たまに耳にする「審査は結局数字が全て。自作の資料は無駄。」という考え方ですが、どちらかというと賃貸業としてのフェーズが中盤以降の人が考えるべき思考かな、と思います。(中盤以降の人でも、新規銀行の開拓は必要な活動なので、熱意はあるに越したことはないかなと思います。)

審査では、稟議書を本部に上げてそのまま承認となるケースは少ないです。(ましてや新規の顧客であれば、どんなに優良物件であったとしても一度は支店に返されるでしょう)その際、支店の担当者もしくは支店長は本部に対して何らかのレスポンスを行うことになります。基本的には審査役の懸念点を払しょくするような資料を再作成するなど、書面ベースでの対話が続きますが、状況によっては電話で直接話したり、審査役がいる本部まで訪問し事情を説明することもあります。

皆さんに想像していただきたいのは、担当者も支店長も審査役もサラリーマンであり、人間であるということです。仮にも、一国一城の主である支店長がわざわざ説明のために訪問するような案件に対し、審査役はどのような対応をするでしょうか?

プロパー融資の審査であれば、住宅ローンのように電卓で結果を出すわけではありません。よって基本的に100点の承認というものはなく、常にグレーの中から承認と否決が選別されている以上、審査役の判断が正しいか現場の判断が正しいかは完全に見分けることはできません。

また、銀行の内部では、皆が(基本的には)固定給で働き、社内の人間関係を調整しながら、自身の家族を含めて生活を支えている訳です。個人的には、こうした審査体制が続く限り何らかの「忖度」が発生するものと考えています。

ではこの「忖度」を引き起こすのは誰でしょうか?

それは、申込者しかいません。

「忖度」を起こすには申込者の熱を支店に伝播させるしかありません。

現場の担当者・支店長は、(よほどの熱い人間でない限り)自然発火はしてくれません。発火していなければ本部にインパクトを与えることはできません。「頭金2~3割であればOK」という決着に落ち着くのが関の山です。

個人的な考えですが、融資に限らず何かを成し遂げるには熱意が不可欠だと考えています。新規銀行開拓には、ぜひ熱意を持って相手を感動させるつもりで臨んでいただければと思います。

繰り返しになりますが、今回私はこの「申込者の熱」を支店に届けられなかったのが敗因と考えています。そういう意味では地場の信金・信組が支店審査で否決とした時点で敗色濃厚だったのでしょう。(もちろん属性や自己資金、エリアによる壁は高かったのですが、今回はそこを超える必要がありました。)

まとめ

今回は失敗経験の振り返り、そしてストーリーと熱意の重要性を中心にお伝えしました。

敗因はいろいろありますが、(物件が決まっている状況において)今回力不足だった事は「地場の金融機関を熱で動かせなかった」ことかなと考えています。

ただ、今回の失敗で失ったものは自分の時間と移動費くらいです。得た教訓や情報を鑑みれば、むしろ良い動きだったと考えられるので、また良い物件があったら挑戦していこうかなと考えています。

このくらいの失敗で「熱意」を失うのはもったいないですね。引き続き動いていこうと思います。

次回は基本に立ち返り「融資申込書の作り方」について書きたいと思います。次回もお楽しみに!

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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