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都心の賃貸需要はこれからどうなる? 現状と中長期的な予測を解説

3週間前

新型コロナウイルスによって働き方が大きく変わったことで、都心の賃貸需要にも徐々に影響が出始めています。

中小企業の中には既に賃貸借契約の解約を行っている企業もあることから、特にオフィスの賃貸需要について今後の動向が危惧されています。

この記事では、「都心の賃貸需要」について現状と中長期的な予測を解説していきます。

1.上昇してもまだ低いオフィスの空室率

新型コロナウイルスでテレワークが普及したことから、一部のメディアでは東京の会社がオフィスを解約するニュースを伝えています。

2020年9月には、人材派遣大手のパソナグループが東京の本社機能を淡路島に移すことを発表し話題になりました。

オフィス解約の動きを受け、一部の新聞ではオフィスの空室率が上昇していることもニュースに取り上げています。

報道各社が話題に取り上げる空室率として、オフィス仲介大手である三鬼商事が公表しているオフィスの空室率があります。

三鬼商事によると、2020年8月時点における東京ビジネス地区の空室率は3.07%です。緊急事態宣言前の2020年3における空室率は1.50%ですので、確かに新型コロナウイルスによって空室は増えています。

ただし、空室率は増えたといっても、3.07%というのはまだ安全な値です。一般的に、不動産業界では空室率が4%を超すと賃料下落が生じ始めると言われています。

そのため、空室率が4%未満である現状においては、また賃料が下落に転じる深刻な状況に至ってはいないのです。

ちなみに、過去15年以内における空室率の最高値には、2010年8月に9.17%を記録したことがありました。

リーマンショックは2008年9月でしたので、リーマンショックのちょうど2年後くらいに空室率が最も悪化しています。

理由としては、賃貸借契約は継続性のある契約のため、影響がすぐには現れないためです。賃貸に関連する指数への影響が遅れて生じる性質のことを「賃料の遅効性または粘着性」と呼んだりもします。

今回の新型コロナウイルスにおいても、賃貸市場には少し遅れて影響が出ていくものと予想されます。

2.新型コロナウイルスの影響が出るのは1~2年先

この章では、賃貸市場における新型コロナウイルスの影響が出るのは1~2年先であることの理由について解説します。

2-1.大企業はまだ様子を見ている

新型コロナウイルスをきっかけにテレワークを導入する企業は増えましたが、NTTや日立をはじめとする国内の大手企業はコロナ後もテレワークを継続することを宣言しています。

大企業が次々にテレワーク継続を公表したことから、テレワークは一過性のものではなく、恒久的な働き方に変わりつつあります。

テレワークは日本企業だけでなく、世界の企業が同様にコロナ後も継続することを宣言しているため、今後、一般的な働き方となる可能性が高いです。

ただし、国内の大企業はまだ本格的にオフィス床を大幅に減らす動きに出ていません。大企業は賃料を負担する程度の余力はあるため、まだ様子を見ているというのが本音だと思われます。

少なくとも1~2期の決算期は様子を見て、テレワークでも問題ないという確信が持てればオフィス解約の動きが加速するものと予想されます。

2-2.オフィス解約には時間がかかる

大型オフィスは解約予告期限が6ヶ月前としている物件が多いため、オフィス解約には時間がかかります。

解約に半年以上の時間がかかるという点も、未だに空室率がそれほど大きくなっていない理由の一つです。

小さなビルは解約予告期限が短い物件も多いため、空室は解約しやすい中小ビルから先に増えていくものと予想されます。

2-3.早期退職者募集は決算後に増える

テレワークを導入していない企業であっても、業績悪化に伴い従業員を減らした後に、オフィスを縮小していく可能性はあります。

従業員の削減にあたっては早期退職を募ることが良くありますが、早期退職者の募集は企業の決算後に行うことが多いです。

決算月は3月または9月としている企業が多いため、早期退職者を募集する企業はこれから増えていくことが予想されます。

オフィスは従業員を減らしてから解約していくと思われ、やはり解約の影響が顕在化するのは1~2年後と予想されるのです。

3.実は2025年にはピークを迎える東京の人口

現在は2020年10月ですので、2022年あたりにはオフィスの賃貸市場は現在よりも悪化していることが予想されます。

ただし、もっとショッキングな事実が目と鼻の先に控えています。それは、2025年には東京も人口のピークを迎え、その後、人口減少が進んでいくという予測です。

実は東京都の人口減少の始まりは待ったなしの状況であり、5年後には東京都ですら人口減少と向き合わなければならない時期がやってきます。賃貸市場に与える影響は、新型コロナウイルスよりも東京の人口減少の方が深刻です。

東京であっても5年後には、オフィスだけでなく住宅や店舗等のあらゆる物件の賃貸ニーズが減少していくことが予想されます。

現在地方で抱えている人口減少の課題を、5年後には東京でも抱えていくことになるのです。

4.単身高齢者向け賃貸住宅が狙い目

東京都の人口は2025年にはピークを迎えることが予想されていますが、そのような中でもこの先も数を伸ばし続ける領域があります。それは、「高齢者の単身世帯」です。

東京都の世帯数の変遷は以下のように予想されています。

東京都の人口は2025年にピークとなりますが、世帯数は2035年がピークと予想されています。中でも65歳以上の単身世帯は継続して増え続けており、2035年以降も増えるという予想になっています。

単身の高齢者は、少なくとも今後20年は増加する市場であることから、賃貸物件としても単身高齢者向け賃貸住宅は有望です。

今後の都心の賃貸需要を考えるなら、単身高齢者向け賃貸住宅であれば引き続き需要は伸びるものと考えて良いでしょう。

まとめ

以上、都心の賃貸需要について解説してきました。オフィスの空室率は上昇しているものの、まだ賃料下落には転じない安全な水準です。

現状としては新型コロナウイルスの影響は限定的であり、本格的な影響が出てくるのは1~2年先と予想されますが、2025年以降は東京でもいよいよ人口減少時代に突入していきます。

今後は、高齢者の単身世帯が増えることから、高齢者向け賃貸住宅が狙い目です。数年後には東京でも人口減少社会に向き合うことになるため、今から対策に動いていても良いかもしれません。


竹内英二

不動産鑑定士・賃貸不動産経営管理士。不動産開発業務や不動産コンサルティング業務を経験し不動産投資の分野に精通している。代表取締役を務める(株)グロープロフィットは、不動産鑑定士事務所及び宅地建物取引業者であるため、最新の不動産動向も把握。

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