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不動産投資で消費税還付が受けられるケースと注意点について解説

3週間前

賃貸経営において、状況によっては消費税還付を受けられるケースがあります。住居系の賃貸経営者は普段消費税を納めていないことも多いので、消費税の還付についてピンとこない方がいらっしゃるかもしれません。

不動産投資では、一体どのようなケースで消費税還付が発生するのでしょうか。この記事では「不動産の消費税還付」について解説していきます。

1.消費税還付の仕組み

消費税は身近な税金であるものの、その仕組みは複雑です。消費税は消費者が直接納めている税金ではなく、実際には課税事業者と呼ばれる事業者が国に納めている税金になります。

課税事業者とは、法人や個人を問わず、基準期間における課税売上高が1,000万円を超える事業者のことです。基準期間とは、法人なら原則前々事業年度、個人事業主なら前々年になります。不動産投資を行っている個人であっても、条件に合致していれば課税事業者となり得るのです。

消費者は、代金を支払う際、消費税を上乗せして支払いますが、支払った消費税がそのまま納税されているわけではありません。

消費者が支払った消費税は、いったん、課税事業者が「預かり消費税」という形で預かる形になります。

また、課税事業者も仕入れやサービスの代金を支払う際、他の事業者に対し消費税を支払っています。課税事業者が他の事業者に対して支払っている消費税のことを「支払い消費税」と呼びます。

課税事業者は、最終的に1年間の営業活動を通じて預かった「預かり消費税」と支払った「支払い消費税」の差額を消費税として国に納めています。

例えば、預かり消費税が1,000万円で支払い消費税が700万円だった場合、課税事業者が納める消費税は300万円ということです。

一方で、預かり消費税が700万円で支払い消費税が1,000万円となるようなケースもあります。このようなケースでは、逆に300万円分の消費税の還付を受けることになります。

消費税還付とは、預かり消費税よりも支払い消費税が大きくなったときに生じる還付制度のことなのです。

2.不動産投資と消費税

不動産の売買や賃貸では、消費税に特殊なルールがあります。消費税が生じるものを課税売上、消費税が生じないものを非課税売上と呼びます。売買と賃貸における主な課税売上と非課税売上は下表の通りです。

取引課税売上非課税売上
売買・マイホーム以外の建物売買・土地の売買
・マイホームの建物売買
賃貸・住宅の賃料・土地の地代
・住宅以外の賃料

売買に関しては、土地については課税事業者か否かに関わらず、誰がどのような土地を売却しても消費税は生じないのがルールです。

それに対して、建物については、原則として消費税が生じます。例外的に、個人がマイホームを売却したときはその建物には消費税は生じないことになっています。

マイホーム以外の建物にはすべて消費税がかかるため、例えば個人がアパートや賃貸マンションを売却する場合にも、建物には消費税が生じることになります。

一方で、賃貸においては、土地については課税事業者か否かに関わらず、誰が貸しても地代に消費税は生じないのがルールです。

それに対して、建物については、原則として貸すと賃料(家賃)に消費税は生じます。例外的に、アパートや賃貸マンション等の住宅を貸したときの賃料には消費税が生じないことになっています。

アパートやマンション等の住居系の賃貸では賃料に消費税は生じず、オフィスや店舗等の非住居系の賃貸では賃料に消費税が生じるということです。

住居系の家賃は非課税売上であることから、家賃収入が仮に1,000万円を超えていても課税事業者にはならないことになります。課税事業者ではない事業者のことを免税事業者と呼びます。

3.不動産投資で消費税還付を受けるケース

消費税還付は大きな支払い消費税が発生するようなケースで生じるため、具体的には「建物の解体」や「建物の新築」を行ったときに生じることが多いです。

建物の解体費用や新築費用には消費税がかかり、かつ、金額が大きいことから、その年の預かり消費税を上回ることがよくあります。

ただし、建物の解体や新築を行うときでも、消費税還付を受けるには発注者が課税事業者であることが条件です。

個人が課税事業者になるには、前々年に課税売上高が1,000万円を超えていることが必要となります。

例えば、初めて不動産投資を行うような人は前々年にそもそも課税売上が存在しないため免税事業者となっています。

免税事業者であれば建物の新築によって多額の支払い消費税が生じても、消費税の還付は受けられません。

アパート等の住居系の家賃は非課税売上であるため、住居系の投資家は免税事業者のままであることが多いです。

ただし、住居系の投資家でも、例えば物件を売却した2年後に課税事業者となることがあります。

マイホーム以外の建物は売却すると課税売上となるため、建物価格が1,000万円を超えていれば住居系の投資家でも課税売上が1,000万円超となり、2年後に課税事業者となるのです。

課税事業者となった段階で、預かり消費税よりも支払い消費税の方が大きければ消費税還付を受けられることになります。

4.消費税還付を受ける際の注意点

課税事業者であっても、簡易課税を選択していると消費税還付を受けることができない点に注意が必要です。

簡易課税制度とは、実際の支払い消費税を計算することなく、課税売上に一定率を乗じて支払い消費税を計算することができる制度のことを指します。

支払い消費税が少ない不動産投資では、簡易課税制度を選択していた方が有利なことが多いため、不動産投資家は課税事業者になった場合、簡易課税を選択する人が多いです。

しかしながら、簡易課税制度を選択してしまうと、課税事業者であっても消費税還付を受けることができません。

消費税還付を受けるには、本則課税(簡易課税ではないこと)を採用していることが条件ですので、消費税還付の可能性がある場合には、本則課税を選択しておくことをおすすめします。

まとめ

以上、不動産の消費税還付について解説してきました。消費税還付は預かり消費税よりも支払い消費税が大きいことで生じます。

不動産投資では、住居系の賃料は非課税売上ですが、その他の賃料については課税売上となります。自宅以外の建物の売却も課税売上です。

不動産投資で消費税還付を受けるケースとしては、建物の新築や解体等で大きな支払い消費税が生じる場合があります。消費税還付を受けるには、簡易課税は選択しないことがポイントです。

不動産投資でも消費税還付を受けられることがありますので、可能性がある場合には早めに税理士に相談するようにしましょう。


竹内英二

不動産鑑定士・賃貸不動産経営管理士。不動産開発業務や不動産コンサルティング業務を経験し不動産投資の分野に精通している。代表取締役を務める(株)グロープロフィットは、不動産鑑定士事務所及び宅地建物取引業者であるため、最新の不動産動向も把握。

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