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賃貸物件の建て替えタイミングは相続前がおすすめの理由を解説

6日前

古い賃貸物件をお持ちの方は、そろそろ建て替えすべきかどうか迷っている人もいらっしゃると思います。

建て替えのタイミングは「物件の状況」と「所有者の状況」の2つの視点から決めることが必要です。特に相続が差し迫っている方であれば、相続前に建て替えることがおすすめです。

この記事では、「賃貸物件の建て替えのタイミング」について解説します。

1.築年数ではなく入居率で判断する

建て替えのタイミングは、築年数ではなく入居率で判断することが適切といえます。入居率で判断すべき理由は、建て替えには入居者の立ち退きが必要となるからです。

一般的に、アパートや賃貸マンション等の居住系の物件では、入居者との賃貸借契約は普通借家契約となっています。

普通借家契約とは更新のある契約ですが、貸主から更新拒絶をするには正当事由と立ち退き料が必要です。

正当事由とは契約を解除するための正当な理由のことを指します。立ち退き料とは、正当事由を補完するために支払われる金銭です。

入居者が残っている物件は、1戸ずつ立ち退き交渉をしていかなければならないため、戸数が多いほど建て替えまでの道のりが遠のきます。

よって、建て替えを決断するには、できるだけ残戸数が少ない状態になってから着手した方が良いのです。

例えば、木造アパートでも築40年を過ぎても満室であれば、建て替えは不要と判断できます。

同じ築40年の物件でも、入居率が半分くらいになっていれば、そろそろ建て替えを検討し始めても良いかもしれません。

入居率が半分くらいになっている物件であれば、新たな入居者募集は止め、しばらく自然退去によって徐々に戸数を減らしていきます。

残りが1~2戸にまで減ったら本格的に立ち退きに着手し、立ち退きに労力をかけないようにすることが、建て替えを成功させるコツです。

建て替えでは立ち退きという大きなハードルが待ち受けていますので、入居率が十分に下がった段階で判断を行うようにしましょう。

2.建て替えのタイミングは相続前の方が望ましい3つの理由

この章では建て替えのタイミングは相続前の方が望ましい理由について解説します。

2-1.入居率の回復により相続税の圧縮効果が高まる

アパートや賃貸マンションは相続税対策になりますが、実は空室が多いと相続税の節税効果が薄まります。

賃貸物件における建物と土地の相続税評価額は、以下の計算式で求められます。

建物の評価額 = 建物の固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
土地の評価額 = 自用地としての価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

借家権割合は全国一律で30%です。借地権割合は、30%~90%の範囲でエリアごとに指定された数値を用います。借家権割合や借地権割合は、あらかじめ定められた数値を用いるため、変動がありません。

ここで問題となるのは賃貸割合です。賃貸割合とは、相続時点における入居率を指し、土地も建物も同じ値を用います。

賃貸割合は100%となると、建物も土地も相続税評価額が最も低く計算されるという仕組みです。つまり、賃貸物件は入居率が高いほど相続税の節税効果が高くなります。

せっかく相続税対策のために賃貸物件を保有したにもかかわらず、相続時に入居率が低ければ、その効果が低くなってしまいます。

入居率が低い賃貸物件は、相続前に再度建て替えて、賃貸割合をアップさせた方が良いのです。

2-2.借入金により相続税の圧縮効果が高まる

相続前に建て替えると、借入金により相続税の圧縮効果が高まるという効果もあります。

建て替えを検討しているような賃貸物件は、すでに借入金の返済が終了している物件が多いと思われます。

建て替えを行えば、新たに借入金を作ることができますので、相続税の節税効果をさらに高めることが可能です。

借入金は、マイナスの現金であるため、相続時の残債額がそのまま相続財産から控除されます。

例えば、収益物件の相続税評価額が5,000万円で、相続時の借入金の残債が4,000万円出ていた場合、債務控除によって課税標準額は1,000万円となります。

相続税の課税標準額 = 相続財産評価額-相続時の借入金の残債
          = 5,000万円-4,000万円
          = 1,000万円

相続税の圧縮効果は借入金が残っているほど多くなるため、相続税の節税効果は新築時が最も高くなります。

つまり、相続の直前に新築物件に建て替えて、その後、すぐに相続が発生するような状況であれば、最も大きな節税効果が得られるということです。

賃貸物件を建てるために借りた借入金は、家賃収入の中から返済ですので、無理のない借金といえます。相続前に「あえて残す借入金」を戦略的に発生させることをおすすめします。

2-3.相続人が賃貸経営を引き継ぎやすくなる

相続前に建て替えると、相続人が賃貸経営を引き継ぎやすくなるというメリットもあります。

賃貸経営は、一般的に築年数が古い物件ほど難易度は高いです。空室は増え、対応しなければならない修繕も増えるため、築浅物件よりも賃貸経営がはるかに難しくなります。

相続では、賃貸経営の経験や知識がない配偶者や子供が物件を引き継ぎます。そのため、築古物件を引き継がせてしまうと、経験や知識がない相続人にいきなり難易度の高い物件を渡すことになります。

空室だらけの物件を引き継がせてしまえば、買い手が付かず売却すらできないこともあります。

最悪の場合、物件から逃げられなくなってしまいますので、やはり相続人にはできるだけ賃貸経営がしやすい築浅物件を引き継がせた方が良いのです。

建て替えは次世代に任せるのではなく、むしろ自分の代でやり遂げる方が節税面でも経営面でもおすすめとなります。

まとめ

以上、賃貸物件の建て替えのタイミングについて解説してきました。賃貸物件の建て替えのタイミングは、築年数ではなく入居率で判断することが重要です。立ち退きの手間が少なくなったタイミングで建て替えることをおすすめします。

また、建て替えるのであれば、相続前が望ましいです。建て替えれば、入居率の回復や借入金の増加によって相続税の圧縮効果が高まります。物件を引き継いだ相続人も賃貸経営がしやすくなる点がメリットです。

空室が目立ってきたら、相続前に思い切って建て替えることを検討しましょう。


竹内英二

不動産鑑定士・賃貸不動産経営管理士。不動産開発業務や不動産コンサルティング業務を経験し不動産投資の分野に精通している。代表取締役を務める(株)グロープロフィットは、不動産鑑定士事務所及び宅地建物取引業者であるため、最新の不動産動向も把握。

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