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賃貸物件の台風対策はどうやって備えるべき? 対処法と注意点を解説

3週間前

ここ数年、日本は毎年のように台風や豪雨の災害に見舞われています。全国のどこかで大きな水害が発生しており、不安を感じている賃貸経営者も多いのではないでしょうか。

賃貸物件では、台風等で物件が被害に見舞われたときは、修繕義務は賃貸人にあるのが原則です。

そのため、賃貸経営者は台風や豪雨に対する対策をしっかり行っておく必要があります。この記事では「賃貸物件の台風対策」について解説致します。

1.台風は火災保険で備えるのが基本

台風への対策は火災保険で備えるのが基本です。

火災保険の対象となるものには、「建物」と「家財」の2種類があります。建物とは、建物本体の他、門扉や塀、物置、車庫等のことです。家財は、テレビや冷蔵庫等の家電製品、洋服ダンスやリビングセット等の家具類、衣類等の生活用品全般を指します。

賃貸物件においては、建物は貸主が火災保険に加入し、家財は借主が火災保険に加入するのが一般的です。

火災保険は「火災」という名称から火事だけの保険と考えがちですが、実は補償範囲が非常に広いという特徴があります。

火災保険の補償範囲のリスクは、主に「火災リスク」、「自然災害リスク」、「日常生活リスク」の3つです。このうち、台風や豪雨の被害は「自然災害リスク」に該当します。

リスク補償内容
火災リスク火災、落電、破裂、爆発
自然災害リスク風災、ひょう災、雪災
水災
日常生活リスク水ぬれ
物体の落下・飛来・衝突
騒じょう・集団行動などによる破壊
盗難・盗難による破損・汚損
偶発的な事故による破損・汚損

「風災、ひょう災、雪災」とは、台風で屋根が飛ばされた、ひょうで屋根が割れた、大雪で建物が崩れた等の被害を指します。雨漏りも台風が原因で生じたものであれば、風災として保険が下りることになります。

また、台風や強風で物が飛んできてガラスが割れたり、壁に穴が開いたりしたときも風災で補償されます。

「水災」は、大雨や河川の氾濫による床上浸水などの損害を補償するものです。床上浸水の他、土砂崩れで家が流された場合も補償の範囲となります。

水災で保険金が支払われるケースは、「再調達価額の30%超の損害が発生した場合」や「床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水による場合」等の条件が設定されていることが一般的です。

ただし、火災保険では加入していれば「火災リスク」「自然災害リスク」「日常生活リスク」がすべて当然にカバーされるわけではありません。

どこまで補償対象としているかは加入時のオプションの選択で決まっており、補償内容を選択していなければ火災保険に加入していても補償されないことになります。

2.台風被害にあったときの修繕費の考え方

賃貸借契約では、貸主には「修繕義務」、借主には「善管注意義務」または「原状回復義務」が課されています。

貸主借主
修繕義務善管注意義務
原状回復義務

貸主の修繕義務とは、賃貸物件が損傷を受けることによって使用収益に支障が生じた場合に賃貸人の費用負担にて行わなければいけない修繕のことです。

それに対して、借主の善管注意義務とは、貸主に対し賃貸住宅をしっかり管理しなければいけない義務を指します。また、借主の原状回復義務は、賃貸借契約に基づいて賃貸住宅を原状に回復して返還しなければいけない義務のことです。

貸主の修繕義務も、借主の原状回復義務も、いずれも修理を行う類似の義務になります。そこで、台風によって例えば窓ガラスが割れた場合、賃貸人の修繕義務で修繕すべきなのか、借主の原状回復義務で修繕すべきなのかが問題になることがあります。

結論としては、台風によって窓ガラスが割れた場合、貸主の修繕義務によって賃貸人が修繕することが原則です。

原状回復とは、あくまでも借主の故意・過失や善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用など、借主の責任によって生じた損耗や傷等を復旧することを指します。

台風等の自然災害による損耗は、不可抗力ですので借主が負担すべき修繕項目ではないということです。

ただし、賃貸物件の窓に雨戸があり、雨戸を閉めなかったことで窓ガラスが割れたような場合には、借主の善管注意義務違反となり、原状回復義務によって借主が修繕しなければならないこともあります。

台風被害による修繕は、基本的には貸主が行わなければならないものですが、被害が生じた経緯によっては例外的に借主が負担しなければならないこともあるということです。

しかしながら、借主の火災保険の対象は家財であり、建物には加入していないため、そのままでは借主は火災保険で建物を修繕することができません。

そこで借主は一般的に火災保険の「借家人賠償責任補償」にも加入することになっています。借家人賠償責任補償とは、借主の貸主に対する賠償責任を補償するための保険サービスのことです。

よって、台風対策としては借主に借家人賠償責任補償にも加入を課すことで、より強固な対策となります。

3.台風被害に備えるための注意点

この章では台風被害に備えるための注意点について解説します。

3-1.ハザードマップを十分に確認すること

台風被害に備えるためには、まずハザードマップを十分に確認することが重要です。ハザードマップには、「洪水ハザードマップ」や「浸水履歴図」、「土砂災害警戒区域図」等の名称のものがあります。

ハザードマップは、ハザードマップポータルサイトで閲覧可能です。

なお、2020年8月28日より、不動産会社は重要事項説明において「ハザードマップにおける取引対象物件の所在地」を借主に説明することが義務化されました。

今後、借主にはハザードマップの内容が周知されていきますので、賃貸オーナーとしてもしっかりと自分の物件をハザードマップで確認しておきましょう。

3-2.保険内容を見直すこと

火災保険については、保険料を安くするために加入時に「風災」や「水災」のオプションを外していることがよくあります。

オプションが外れていると台風対策になりませんので、「風災」と「水災」のオプションは付けるようにしてください。

オプションを追加すると保険料は高くなりますが、長期一括契約をすれば若干、割安にすることも可能です。この際ですので、他社との比較も取りながら、保険内容を見直すことをおすすめします。

まとめ

以上、賃貸物件の台風対策について解説してきました。

台風対策を行うには、賃貸人が「風災」や「水災」のオプションを付けて火災保険に加入することと、賃借人が「借家人賠償責任補償」のオプションを付けて火災保険に加入することの2つが必要です。

火災保険は加入時に「風災」や「水災」のオプションを選択していない可能性もあります。ハザードマップを確認し、リスクを認識した上で、火災保険の内容をしっかりと見直すようにしましょう。


竹内英二

不動産鑑定士・賃貸不動産経営管理士。不動産開発業務や不動産コンサルティング業務を経験し不動産投資の分野に精通している。代表取締役を務める(株)グロープロフィットは、不動産鑑定士事務所及び宅地建物取引業者であるため、最新の不動産動向も把握。

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