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賃貸経営をフルローンで行うことは意味がない! デメリットを徹底解説

2週間前

投資はリスクを伴うため自己資金で行うことが原則ですが、不動産投資は株式投資とは異なり全損するリスクが極めて低いため、ローンを借りて行うことが可能です。

不動産投資はローンを使って投資ができるため、フルローンで賃貸経営をできないかと発想してしまう方もいるようです。

しかしながら、安全といわれる不動産投資であっても、フルローンで行う賃貸経営にはリスクがあります。そこでこの記事では「フルローンに伴う賃貸経営のデメリット」について解説します。

1.賃貸経営でローンを組む2つの目的

最初に賃貸経営でローンを組む2つの目的について解説します。

1-1.レバレッジ効果を得るため

賃貸経営では、レバレッジ効果を得るためにローンを組みます。レバレッジとは「てこ」という意味です。

借入金を使って、自己資金に対する利回りを向上させる効果を「レバレッジ効果」と呼んでいます。

全額自己資金で規模の小さな物件に投資するより、借入金も追加して規模の大きな物件に投資した方が得られる収入は大きくなります。

借入金の力を借りると少ない自己資金で大きなリターンを得ることができるため、「てこの原理」と似ていることからレバレッジ効果と呼ばれているのです。

【レバレッジ効果の例】

1.2億円の自己資金を持っている人が投資をするケースを考えます。

物件Aは1.2億円で、実質利回りが5%だとします。
物件Aを100%の自己資金で投資をすると、得られる年間収益は600万円です。

物件Bは4億円で、実質利回りが物件Aと同じ5%だとします。
物件Bは、1.2億円の自己資金と2.8億円の借入金で投資を行います。

2.8億円の借入金は、47年間で金利2%、元利均等返済で組むと年間返済額は約920万円です。

物件Bは4億円で、実質利回りが5%ですので、物件Bが生み出す年間収益は2,000万円となります。

2,000万円から年間返済額920万円を引いた残額は1,080万円です。
1,080万円は、自己資金1.2億円に対して9%の利回りとなります。

自己資金100%で物件Aに投資すると自己資金に対する利回りは5%でしたが、借入金を使って物件Bに投資すると自己資金に対する利回りを9%に上げることができるのです。

レバレッジ効果は自己資金に対する利回りを上げるものですので、「自己資金ありき」でローンを組むというのが根本的な発想です。

フルローンで賃貸経営を行ってしまえば、利回りを増やせる自己資金がないので、そもそもレバレッジ効果を得られません。

せっかくのレバレッジ効果が得られない不動産投資はあまり意味がないので、自己資金を用意してローンを組むようにしてください。

1-2.相続税対策をするため

賃貸経営は相続対策のために行うことも多いですが、ローンは相続税対策をするために組むことも多いです。

借入金はマイナスの資産となるため、相続時にローンが残っていると相続財産の評価額を減額してくれる効果があります。そのため、相続時に借入金が残っているほど、相続税は節税できることになります。

相続税の節税の観点では、たくさんローンを借りた方が良いため、以前はフルローンでアパート経営を始める方も多くいました。

しかしながら、相続対策によってアパートが一気に供給されてしまったため、数年前から金融庁の監視強化が強まり、今ではフルローンでアパート投資を行うことはほとんどできません。

近年は、アパートローンを組む場合でも、銀行からは自己資金が10%程度あることが求められています。

2.フルローンのデメリット

この章ではフルローンのデメリットについて解説します。

2-1.空室が与える返済リスクが高くなる

フルローンで賃貸経営を行うと、空室が与える返済リスクが高くなるという点がデメリットです。

同じ物件に投資をしても、空室リスクの影響は投資家が借りた借入金の多寡で異なるという性質があります。

借入金が増えると返済額が増えるため、家賃収入に占める返済額の割合が大きくなります。例えば、2割ぐらいの空室が生じると借入金の返済に行き詰まる投資家もいれば、2割くらいの空室ならまだまだ余裕のある投資家もいます。

同じ空室でも賃貸経営の余裕に差を生むのは、自己資金と借入金の割合が投資家によって異なるからです。

空室リスクの影響を最小限に抑えるには、借入金をできるだけ小さくする必要があります。

2-2.オーバーローンになりやすくなる

フルローンで賃貸経営を行うと、オーバーローンのリスクが高まります。オーバーローンとは、ローン残債が売却額を上回ってしまうことです。

フルローンはなかなか返済が進まないので、ローン残債が減らずオーバーローンになりやすいです。

賃貸経営では、借入金の返済に行き詰まったら、物件を売却する必要も生じます。しかしながら、オーバーローンの状態では、売却額でローン残債を完済できないため、売るに売れない状態となってしまいます。

フルローンは空室が与える返済リスクが高いため、ただでさえ借入金の返済に行き詰まりやすい状態です。

さらに、オーバーローンにもなりやすいことから、逃げるに逃げらない状態に陥ってしまいます。

オーバーローンのリスクを下げるには、やはり借入金をできるだけ小さくすることが必要です。

2-3.キャッシュフローが悪くなる

フルローンで賃貸経営を行うと、借入金の返済額が大きくなり、キャッシュフローが悪くなるというデメリットがあります。

キャッシュフローとは、不動産投資によって得られる最終的な手残りのことです。税引後の利益から借入金の元本返済額を控除したものがキャッシュフローとなります。

借入金の元本返済額は借入金が大きければ大きいほど増えます。フルローンは借入金の最大値ですので、フルローンで賃貸経営を行うとはキャッシュフローが最も悪化した状態になるということです。

逆に言えば、全額自己資金で投資をすれば、キャッシュフローは最大化されます。賃貸経営で、少しでもキャッシュフローを最大化するには、借入金は極力少なくする必要があるのです。

まとめ

以上、フルローンの賃貸経営について解説してきました。

賃貸経営でローンを組む目的は、主に「レバレッジ効果を得るため」と「相続税対策をするため」の2つです。

レバレッジ効果のことを考慮すると、フルローンで投資をすること自体に意味がありません。

フルローンのデメリットとしては、「空室が与える返済リスクが高くなる」、「オーバーローンになりやすくなる」、「キャッシュフローが悪くなる」の3つがあります。

賃貸経営は自己資金をしっかりと用意してから始めるようにしてください。


竹内英二

不動産鑑定士・賃貸不動産経営管理士。不動産開発業務や不動産コンサルティング業務を経験し不動産投資の分野に精通している。代表取締役を務める(株)グロープロフィットは、不動産鑑定士事務所及び宅地建物取引業者であるため、最新の不動産動向も把握。

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