【重要】新型コロナウイルス感染症への対応について

閉じる

マンション投資の法律で重要な借地借家法と民法のポイントを解説

5ヶ月前

マンション投資では「借地借家法」と「民法」の2つが重要な法律です。投資家は、法律上、「貸主」という立場になりますので、どのような権利や義務があるのかを知っておく必要があります。

特に、借地借家法は借主を守る法律であるため、貸主の権利が大きく制限されていることを知っておかなければなりません。

そこでこの記事では「マンション投資の法律」について解説します。

1.借地借家法と民法の位置づけ

マンション投資で必要となってくる法律は、借地借家法と民法の2つです。賃貸借に関しては、借地借家法が特別法、民法が一般法の関係となります。

特別法に規定がある場合、特別法は一般法に優先して適用されます。借地借家法にも民法にも同様の規定がある場合には、借地借家法が優先的に適用されるということです。

借地借家法や民法に規定が存在しない部分は、過去の判例が法律と同様の役割を果たします。

特に、最高裁判例はほぼ法律と同様の扱いとなり、今後同様の内容で争いが生じた場合には、最高裁判例に基づいて判断されます。

また、過去の判例等に基づき、国土交通省では「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」も定めています。

ガイドラインは法律ではありませんが、判例等に基づき作成されたものなので、順守すると自然と法律に従った行動を取ることができます。

その他、マンション投資の世界では商習慣も多く存在します。例えば、更新料については特に法律の定めはなく、単なる商習慣に基づき発生している金銭になります。

借地借家法は、本来的に立場の弱い借主を守るための法律です。法律の性質上、強行法規の規定が多くなっています。

強行法規とは、貸主と借主が合意して賃貸借契約で定めたとしても、その条文が無効となってしまう法律のことです。

例えば、「借主からの賃料減額は請求することができない」といった特約を定めたとしても、このような特約は借地借家法上、無効です。

一方で、民法の規定は、任意規定が多くなっています。任意規定とは、貸主と借主が合意して賃貸借契約で定めた場合、その特約が優先される法律のことです。

例えば民法には造作買取請求権というものがあります。造作買取請求権は、借主が工事した建具等の造作を、賃貸借契約終了時に、貸主に時価で買い取らせることができるという規定です。

造作買取請求権は民法の任意規定ですので、借主に造作買取請求権を認めないとする規定は有効となります。

規定されている法律が強行法規か任意規定かによって、賃貸借契約の有効性が変わってくることも知っておくことが必要です。

2.借地借家法のポイント

この章では借地借家法のポイントについて解説します。

2-1.双方から賃料改定の申し込みが認められている

借地借家法第32条では、貸主または借主の双方から賃料改定の申し込みが認められています。借地借家法の賃料改定の規定の趣旨は、現行賃料が周辺の類似物件の賃料と比較して乖離(かいり)している場合、双方の申し出によって見直すことができるという点です。

周辺の類似物件の賃料と乖離していれば、増減額交渉ができ、特にタイミングは更新の時期に限定されていません。

賃料改定は更新時期しかできないと思い込んでいる方は多いですが、タイミングはいつでも良いことになっています。

賃料の増減額請求規定は、強行法規であるため、「借主から賃料減額要求はできない」といった特約は無効です。

ただし、借地借家法第32条は、「貸主から増額しない」旨の特約だけは有効と定めています。

2-2.賃貸人から解除するには立ち退き料が必要となる

借地借家法第28条では、賃貸人から賃貸借契約の解除を申し出る場合、立ち退き料が必要であることが定められています。

賃貸借契約には、普通借家契約と定期借家契約の2種類があります。普通借家契約とは更新できる賃貸借契約で、定期借家契約とは更新できない契約のことです。

マンションの賃貸借契約では、更新できる普通借家契約を締結するのが通常となっています。

普通借家契約では、貸主から賃貸借契約を解除する場合、借主に対して「財産上の給付」の申し出が必要とされています。この財産上の給付が、いわゆる立ち退き料です。

マンションの賃貸借契約では、簡単に借主を退去させることはできないということを認識しておくことが必要です。立ち退き料の規定は強行規定であり、特約で排除することはできません。

3.民法のポイント

この章では民法のポイントについて解説します。

3-1.賃貸人には修繕義務がある

賃貸人の修繕義務は民法に定められています。

民法第606条では、「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。」という修繕義務が定められています。

ただし書きとして、「賃借人の責に帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。」と定められていますので、借主が原因で壊れたものに関しては、貸主は修繕をしなくて良いことになっています。

民法第606条は任意規定ですので、賃貸借契約書上の特約で内容を変更することは可能です。例えば、電球や蛍光灯の交換等の小修繕を借主に負わせる特約は有効となります。

3-2.個人の連帯保証人は極度額を設定する必要がある

民法第465条の2では、個人の連帯保証人を付ける場合、極度額を設定する必要を定めています。

賃貸借の連帯保証人に対する極度額の設定義務は、2020年4月からの民法改正によって導入されました。極度額とは連帯保証人が責任を負う限度額のことです。

極度額の設定は民法の規定ですが、この規定は強行法規となります。極度額を設定しないと保証契約が無効となってしまうため、保証契約を有効とするには必ず極度額の設定が必要です。

極度額は、「賃料の2年分」程度が目安となります。仮に家賃滞納が発生して明け渡し訴訟が行われた場合、家賃滞納が発生してから借主を強制執行で退去させるまでの期間が2年程度だからです。

今後、個人の連帯保証人を付ける場合には、極度額の設定を忘れないようにしてください。

まとめ

以上、マンション投資の法律について解説してきました。マンション投資では、借地借家法と民法が重要な法律となります。

借地借家法のポイントは、「双方から賃料改定の申し込みが認められている」、「賃貸人から解除するには立ち退き料が必要となる」の2点です。

民法のポイントは、「賃貸人には修繕義務がある」、「個人の連帯保証人は極度額を設定する必要がある」の2点になります。

トラブルを防ぐためにも、最低限必要な法律知識は押さえておくようにしましょう。


竹内英二

不動産鑑定士・賃貸不動産経営管理士。不動産開発業務や不動産コンサルティング業務を経験し不動産投資の分野に精通している。代表取締役を務める(株)グロープロフィットは、不動産鑑定士事務所及び宅地建物取引業者であるため、最新の不動産動向も把握。

この記事のタグ

        

あなたにおすすめの記事

新着記事

賃貸経営お役立ち情報【PR】

賃貸経営お役立ち情報【PR】

お電話でも受付中

入力方法が分からない場合など、お気軽にお問い合わせください。

0120-112-180

無料!お電話で問い合わせる

受付時間:9:30~18:00
月~金曜日(祝日・年末年始を除く)