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銀行攻略のための建物積算評価分析

2020年4月21日

半沢大家

2019年まで銀行員、現在は証券アドバイザーとして勤務する兼業大家。2018年以降、1年間で計4物件、融資を使って購入。現在アパート3棟、駐車場用地1筆を保有し、家賃年収は1,700万程度。不動産購入での銀行融資付を得意とし、投資家からの個別相談を受け、銀行打診の指南を行っている。


こんにちは、半沢大家です。

上級編4つ目の記事は建物積算評価についてです。

皆さんご存じの通り、銀行による物件評価には2種類(積算評価と収益還元評価)ありますが、今回はそのうちの一つである積算評価、その中でも建物評価について深堀りします。

この分野の面白さは、新築時の評価の違い、そしてエリアによる「評価と実態の乖離(かいり)」が生まれる点です。

土地についても実勢価格と路線価では乖離(かいり)が生まれますね。基本的に都心部に行くほど路線価を上回る実勢価格となり、地方だと路線価と同額、場合によっては価格が逆転することもあります。

この現象が、建物積算評価でも生まれることがあるのです。

この構造を理解しておいたほうが、自身の融資戦略に生かしやすくなります。

今日はそんな内容で進めていきたいと思います。

建物積算評価の基本

皆さん建物の積算評価については理解していらっしゃると思いますが、おさらいを含めてご説明します。

建物の積算評価は、基本的に延べ床面積に銀行ごとの単価をかけて、経過年数で割り戻した数値となります。

仮に「延べ床面積300㎡、築11年の木造」という物件を「評価単価を15万円/㎡」で算出すると

延べ床面積 × 単価 × 築年数 = 建物積算評価
300㎡ × 150,000円 × 11/22 = 22,500,000円

となります。

中古の建物は基本的にこの計算式で積算評価を出します。あとは銀行によって単価が違ったり、最終的な担保評価には掛け目をかけて算出したりします。
(掛け目後で評価が足りないと銀行からいわれることがありますが、基本的には仕方ないと思います。)

新築建物評価の深堀り

先ほどの積算評価について、唯一例外となるケースがあります。それは新築物件の場合です。

新築時は基本的に建物の見積もりから評価を出します。お金がかかっている物件は高く評価し、かかっていない物件については安く評価するという姿勢です。

この評価方法においては見積もりの金額の中から、足場工事や外構工事、他の諸経費など(場合によっては外部給排水工事など)建物本体と離れている工事部分を除外し、残った費用をそのまま建物評価として算出します。つまり、結果的に床面積から算出する積算評価とは違った評価額が出てきます。

しかし、中には新築物件であろうと中古評価と同様、延べ床面積で評価を出す銀行も存在します。(私のエリアだと1割くらいでしたが、皆さんのエリアはどうでしょうか)

今回の記事のポイントは、新築評価の時結果が異なる二つの評価方法があるという言うことです。

この二つの違いを理解して戦略を考えていくことで、審査の成功率が大きく変わってきます。

見積もり評価と面積評価の違いから考える融資戦略

①外構工事の是非

まずここで考察できることは、評価の観点から考えると過度な外構工事などは、積算評価の足を引っ張るということです。当然外構の素晴らしさや、優秀な設備が無駄になることはありませんが、銀行評価の目線からは外れてしまうということです。
(上記の内容は中古の評価になっても積算評価である限り同じです。結局は登記簿の床面積合計で判断されてしまうからです)

銀行審査に不安のある方は外構工事へのこだわりを捨て、建物本体や内部工事にてバリューアップを図ったほうが物件評価は伸びやすくなります。

②単身者物件とファミリー物件の違い

結論から言うと、見積もり評価で有利になる物件は狭小の単身者物件で、不利になる物件は面積が広いファミリー物件です。単身者用物件の費用は、床面積が狭かろうと各部屋の設備代は一定の金額がかかりますので、そこでかかった分を評価としてみてもらえる見積もり評価の方が、建物評価が伸びやすくなります。

ファミリー物件の場合は面積が広く、単価計算でもある程度の評価額が出るので、場合によっては見積もりから計算しないほうが評価が出ることもあります。
(大手アパートメーカー建築の相続案件などは、土地は既に持っていて、建物の見積もりもそこそこの金額になるので、銀行の目線としては見積もり評価が出やすい案件になります。仮にサブリース料が建築費に乗っかっていたとしても、そこも建物評価につながりますからね)

ただし見積もり評価といっても、あまりにも基準の単価からかけ離れて高い場合は調整が入るケースもあります。高い建築費が全て評価につながるわけではないのでご注意ください。

③都市部か地方か

冒頭でもお話ししましたが、この要因によって建物評価においても路線価評価のような乖離(かいり)が発生することがあります。

例えば、同じ木造の建築を取ってみても、容積率をすべて消化しようとする都心の3階建ての建築と、地方の2階建て、あるいは平屋の賃貸では最終的な建築費用は大きく変わってくるからです。(職人さんへの人件費の相場も変わってきます)

しかし、面積評価であれば、こういったコスト増減の事象は関係ありません。
あくまで登記される面積で決定してしまいます。

都市部において考えると、路線価と同様に基準となる単価に対して実勢価格が高く、コスト削減を図っても積算割れとなってしまうケースが多いかと思います。

この場合ですと見積もりから評価してもらえる銀行で審査を進めたほうが有利となります。

逆に地方の新築で、銀行の建築単価と同等かそれ以下で建築ができる場合、見積もり評価は不利になる選択です。
(実は私はこっちのタイプなのですが、銀行からの反応が全く違います)

このあたりを理解して戦略に盛り込んだうえで審査部と戦うようにしましょう。
(見積もり評価と面積評価どちらがいいということはありません。あくまで目的に合わせて使い分けて行ってください)

まとめ)

以上、建物積算評価についての分析でした。

新築時の内容が多くなってしまいましたが、今回説明した内容は頭に入れて銀行への打診を行ったほうがよろしいかと思います。

また、担保評価が出ることと良い物件であることは必ずしも一致しないのでご注意ください。

あくまで融資が引きやすい、ひいては金利などの諸条件が良くなる可能性がある、というメリットです。

間違っても積算評価だけを意識した物件などを作る事のないようにご注意ください。

ただ、もし評価体系を選べる状況を作り出すことができれば、ご自身の融資攻略の選択肢が増えます。まずは、取引銀行の評価体系を確認してみることから始めてみてはいかがでしょうか?
(昨今の状況で訪問はなかなか厳しいかもしれませんが、極力銀行ともコミュニケーションをとっておきたいですね。以前説明した通り、銀行との付き合いは数字だけではありませんので。)

次回は、銀行へのアプローチ、および資産・収支のプレゼン方法についてです。
お楽しみに!

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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