『第35回東京調布大家の会』潜入レポート!
2020年3月12日
全国各地で開催されている『大家の会』セミナーに潜入し、開催内容をご紹介する当企画。第5回は『第35回東京調布大家の会』に潜入。開催2ヶ月前には予約で満席、当日もキャンセル待ちが出るほどの大盛況でした。

■開催日時: 2020年2月15日(土)14時〜17時/懇親会:17時15分~19時15分
■講師:海野真也(東京調布大家の会代表)さん/サラリーマン大家・NO-CHIさん(東京調布大家の会勉強会常連参加者)
■主催: 東京調布大家の会
■会場: 調布市教育会館201会議室
第35回東京調布大家の会 2部構成で人気講師陣が登壇
偶数月に定期的に開催されている『東京調布大家の会』。今回は2部構成で、2名の講師陣が順に講演を実施。会場は満員御礼とあって、熱気に包まれた雰囲気での開催となりました。
冒頭では、「東京調布大家の会」の代表であり元地銀の融資担当も経験のある海野さんから、この日のタイムスケジュールや、終了後の懇親会についてアナウンスがありました。約70名の参加者が見守るなか、第一部の開幕です。
代表・海野さんによる『最新空室対策2020~空室なんて恐くない~』
第一部は、海野さんによる「最新空室対策2020~空室なんて恐くない~」と題したセミナーでした。海野さんは空室対策のポイントとして
・同じ物件は世界に一つだけ!
・自分の物件にしかない長所は何?
・なぜ空室が埋まらないのか?
・需給のミスマッチを発生させない。
・ルーティンワークを徹底的にやり抜く。
以上の5点を挙げました。例えば、半年間空室に悩んでいた山奥の物件は、最寄り駅からも繁華街からも遠く、一見悪条件です。しかし、立地を長所と捉え、ハイキング利用者にターゲットを絞ることで需要が高まり、すぐに満室となったそうです。
別の例では、商業ビルや雑居ビルの需要に対し、供給が追い付いていないこと、半年分の家賃を保証金として準備する必要がある事実に着目。ファミリー物件を「事務所利用可」とすることで、敷金・礼金各1ヶ月必要な物件も割安に映り、スムーズに入居者が決まったそうです。需要と供給のミスマッチに陥らないようにすることが重要とのことです。
管理会社との付き合い方も重要です。管理会社の良し悪しは企業規模の大小で決まるものではなく、それぞれに特徴があるとのこと。「小規模」の管理会社は基本的に、担当者がすべての業務を行うワンストップ対応となります。フットワークが軽くレスポンスが早い反面、担当者のスキルに左右される面が大きいため、対応してもらうのが難しい点や範囲を認識したうえで、どの業者に依頼するか、オーナー自身で対応する必要があります。
仲介店舗を持っている「中規模」の管理会社は、トータルバランスが良い傾向にあります。ただし、管理業務は別の担当者であるケースがほとんどのため、オーナーサイドが連携に気を配る必要があり、密な情報交換も重要です。また、客付営業において管理会社は有力仲介業者の情報を豊富に持っているだけではなく、人材の流動化によって客付に強い仲介業者が変化している点も把握しているため、管理会社の仲介業者に関する情報力を有効活用することは極めて重要です。
「大規模」な管理会社は優れた社内システムを導入していることが多く、物件写真を全仲介店舗で共有する仕組みなどは客付け時には便利です。社内の分業化が進んでいるため、すべての関係者に情報が共有されないケースも多く、どのようなメールにもCCを入れるなどの対応が必要です。

また、海野氏が実践している事例として、毎週管理会社に客付け状況や管理状況の進捗確認メールを送付するなど、密なコミュニケーションを繰り返すことで、オーナーサイドの考え方を管理会社の関係者に周知することができるとのこと。滞納時の対応や、より効果的な入居者募集の図面作成も重要というお話もありました。管理会社向けに物件独自のホームページを作成することによる情報の周知や、アクセントクロスの色を入居者が選べるようにすることでの物件の差別化、家具家電付き物件とする場合に有効な特約、宅配ボックスの設置や無料Wi-Fiの導入など、満室経営を実現するための様々な対策と、実践して効果が高かった施策についても言及がありました。
最後に海野さんは「オンリーワンの魅力を活かし、“最強”ではなく“負けない”物件にすることが大切」と一言。物件の総合力を上げることが競争力の維持に繋がるのではないかと締めくくりました。
サラリーマン大家・NO-CHIさん『私の不動産賃貸経営』
第二部は、サラリーマン大家・NO-CHIさんによるセミナーでした。同会の常連参加者であるNO-CHIさんは、東京都23区と千葉県に3棟35室の収益物件を所有。外資系IT企業のプロダクトマネージャ、不動産賃貸法人代表、Kindle作家と様々な顔を持つ“ポートフォリオワーカー”。今回は「外資系IT企業Prod Mktg Mgrが業務で行っているラウンチ計画を不動産物件購入時のマーケティング戦略立案に応用すると」と題し、不動産購入時に実施すべきマーケティング戦略立案について解説がありました。

外資系IT企業でマーケティング業務を行っているNO-CHIさんは、不動産物件購入時の賃貸経営方針をマーケティングフレームワークを活用して検討すべきと主張。売上規模が多くて数千万程度の不動産賃貸の戦略であれば、3C、SWOT、STP、4Pを首尾一貫性をもって実施すれば事足りることを説明されました。具体的には、「自分の仮説(思考)をベースに、3C(市場を調査し、対象顧客を選定、そのニーズを把握し)、SWOT(競合との比較において自社の強み/弱みを客観的に見極め)、STP(競合優位性を実現できるセグメントでのポジショニングを決定)、4P(その方向に沿った製品構成、価格設定、商流、販促を策定する)」とのこと。後半では、実際にNO-CHIさんが購入した土地マイソクを使用し、数値化した競合分析結果を元に、自物件の強みをどう活かし、弱みをどうミニマイズするかの方法をハード面、ソフト面から解説されました。
「不動産は一物のため、他の魅力的な部屋が客付けされてしまえば、競合でなくなる。そのため『No.1』戦略をとる必要はなく、上位物件として選択されるポジショニングをとればいい」とNO-CHIさん。代表・海野さんが提案する空室対策と共通する思想も多く、第一部・第二部ともに質疑応答まで大盛況のうちに幕を閉じました。参加された皆さん、お疲れさまでした。
次回「第36回東京調布大家の会」の予定は、4月18日(土)14時~17時、会場は調布市教育会館201会議室となります。内容は以下が予定されています。
・「不動産賃貸経営2020~来たるべきチャンスに備えて」
海野真也さん/東京調布大家の会代表
・「私の不動産賃貸経営」
ベテランサラリーマン大家Pさん/東京調布大家の会勉強会常連参加者
勉強会終了後の17時15分~19時15分には懇親会も予定されています。
詳細は
ホームページ:https://tokyochofu-ooyanokai.com/
Facebook:https://www.facebook.com/tokyo.chofu.ooyanokai/
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