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2019年、不動産融資は閉まっていたのか? 2020年、融資はどうなるのか?

4ヶ月前

半沢大家

2019年まで銀行員、現在は証券アドバイザーとして勤務する兼業大家。2018年以降、1年間で計4物件、融資を使って購入。現在アパート3棟、駐車場用地1筆を保有し、家賃年収は1,700万程度。不動産購入での銀行融資付を得意とし、投資家からの個別相談を受け、銀行打診の指南を行っている。


こんにちは、半沢大家です。

今回の記事から、「融資・攻略上級編」ということで、これまでの一般的な内容より一歩踏み込んだテーマで、「融資」を受ける方に役立つ情報を発信していきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

さて、上級編1回目の記事は「銀行融資の復習、予習」です。2019年、不動産に対する銀行融資はどのように動いたか。そして2020年はどのように動くのか。

将来のことは分からないという前提の中ではありますが、銀行内部からの考察として、参考にしていただけければと思います。

2019年の振り返り。『スルガショック』から1年経過するも、以前のような勢いは無い。

『かぼちゃの馬車』の問題が表面化し出したのが、2017年の末から、2018年の年初にかけてでした。今思うとそれまでの不動産会社の売りの勢いは異常だったと思います。

そこから2018年4月頃には融資に急ブレーキがかかり、大型物件の流動性が下がりました。(筆者もこの時期は不動産融資の承認が通せず、苦い思いをしました)そして、2019年に入ってからも金融庁のチェックは依然厳しく、なかなか以前のような状況には戻っていません。

「融資状況は以前に比べると厳しい、当然流動性が落ちるから物件価格も下がっていくだろう」と考えていましたが、しかし、ここで少し違和感を感じました。

買える人は買っている? 物件価格はあまり下がっていない。

「不動産に関するネガティブなニュースが続き、融資が閉まったと思われたが、物件価格は落ちていない。そして、2019年に入ってからは実績のある法人向けの不動産融資については、承認が出てきている」

現場にいながら、そんな空気を感じました。しかし、ただ一つ、3年前と大きく変わった点があります。それは、サラリーマン大家の案件が激減したことです。

なぜ減ったか。決してサラリーマンだから、個人投資家だからという表面的な理由だけで否決となっているわけではありません。原因は、必要な頭金の割合が増えたことです。

実績のある投資家、事業法人は手元のキャッシュが豊富で、頭金1~2割程度は準備したうえで案件を打診しています。しかし、手元のキャッシュが十分でない投資家はこの最初の関門が突破できません。以前はあの手この手でフルローン、オーバーローンも可能でしたが、現在は、そういった手法が通用する銀行は稀でしょう。

銀行が言う「我々はスタンスを変えていません」は本当か?

『スルガショック』以降、明らかに融資は急ブレーキがかかりました。しかし、その後の融資動向については、銀行と投資家(あるいは不動産販売会社)で意見が分かれそうです。

銀行からすると「スタンスは変えていません」と答えます。そもそも不動産賃貸業は資産家が行う事業であり、一定の頭金や資産背景はあってしかるべきだ、との考えに基づいているからです。

投資家からすると「いや、以前はなんだかんだフルローン、オーバーローンが可能だったじゃないか。頭金2割、3割といわれてもそんなに出せないよ」と考えます。

なぜ、このような食い違いが起きるのでしょうか。

こちらの状況に陥る原因は、個人的な意見となりますが、「フルローン、オーバーローンが続出していた背景には何らかの工夫(改ざん)があったからである」と考えています。つまり銀行側は「今までも一定の資産はハードルにしてきたよ。チェックは今ほど厳しくなかったけど」と考えています。(銀行からすると「一定の基準は維持していた。その上で、例外や属性確認の緩みが発生していた案件もあった」という感じでしょうか。

つまり、今までのフルローン・オーバーローンについては、銀行に真っ向から勝負を挑み承認を勝ち取った案件ではなく、何かしらの工夫(1法人1物件、売買契約金額の改ざん、保有資産の改ざんなど)に基づいて結果的にオーバーローンとなった案件ではないかと。(フルローン、オーバーローンが不可能だと言っているのではありませんが、本来は一定の資産背景と取引実績無くして、融資を引き出すのは難しいです)

この、銀行と投資家の意識のズレを認識しないと、正しい融資情勢の予測はできません。つまり、そもそも資産家でない新規参入の投資家が、オーバーローンで物件を買えるという市況が異常だったのです。

融資の扉は開いていた。ただし、頭金というハードルを越えた人にのみ。

「2019年は、融資が閉まっていたか」という問いについては、振り返ると「実は、後半は開いていた」と答えられるでしょうか。収益物件を買うのに頭金が必要なのは、長い情勢の中では通常の状態です。3年前の異常事態は、様々な工夫によってもたらされた特殊な期間であったと考えています。

つまり、2019年は「ハードルを越えた投資家」からすれば通常に融資を受けられる市況であったと考えています。資産背景の無い新規投資家への融資は厳しいままでしたが。(それでも銀行側は可能であれば融資を出したいと考えていますし、完全に扉が閉まったわけではありません。個人投資家の方は、努力のし甲斐がありますね)

余談ですが、銀行もかなり苦しんでいると思います。2019年の銀行株の下落を見ると、なかなか堪えるものがあります。「良い顧客に、融資を出したい」という銀行側の思惑はなくなっていないですし、これからも融資は出したいはずです。(これからは投資信託でも稼げなくなってくるでしょうし

2020年の予測。金融庁による監視は和らぐと思われるが……

それでは、2020年は、不動産にまつわる融資情勢はどうなるのでしょうか。私の予想は「現状維持」「状況によっては悪化する」です。

頭金を見せることができ、実績のある投資家は融資を引けるでしょう。金融庁の不動産への融資に対する風当たりがひと段落すると予想されますし、銀行にしてみれば不動産関連の融資による金利収入を得ないと、ビジネスを維持できません。

また、ちょっとした変化としては、融資組成フィー(借入残高の数%を最初に手数料として取る)を伴う借入が増えるかもしれません。やっていることは金利の先払いに近いですが。

それと、実績を作ってからの借り換えは、ある程度狙えるのではないかと思います。借り換えであれば頭金は必要ないですし、新規顧客よりもハードルが下がります。(ただし、耐用年数については大きく緩和されることはないと思うので、築古に長い融資を引いている場合は、銀行が限られると思います)

いずれにしても、抜け道たっぷりの融資ジャブジャブ期間は終わりを迎えたので、正攻法で銀行を攻略していきましょう。2020年にも、チャンスは転がっていると思います。

注視すべきは破産者の増加

先ほど「状況によっては悪化する」と述べた理由の一つがこれです。不動産賃貸業に限らずですが、破産案件というものは銀行に大きなダメージを与えます。

破産案件を生み出した担当者・支店長・審査役は銀行に実損を与えたことになりますし、サラリーマンの経歴としても傷を負うことがあります。(銀行員はサラリーマンなので、こういったダメージをとにかく嫌います)

融資がジャブジャブと言われていた3~4年前、様々な案件で過剰融資や不正融資が起き、結果として物件を高値掴みし、ダメージを受けている投資家はまだ多く存在すると考えています。こういった案件が破産案件として世の中に出てきたとき、銀行は自主判断で融資の扉を閉めるでしょう。(『かぼちゃの馬車』の件は融資銀行が限定的で、その他の銀行への影響はそれほど大きくありませんでした。しかし、上記の問題(高値掴み破産)は全国の銀行に波及する可能性があります)

景気後退の危険性も頭の片隅に入れておきたい

予測できるイベントではありませんが、『リーマンショック』のような何らかの景気後退が起こることも考えられます。人口減少推移が本格化している中での景気後退は初めての出来事となるでしょうから、融資への影響が心配されます。

実際『リーマンショック』の後の数年間は、かなり不動産への融資は絞られました。『スルガショック』の2018年の比ではありません。

『リーマンショック』が起きたのが2008年。今年はもう2020年ですから、年数で考えればある程度の期間が空いたようにも感じられます。(とはいえ、マーケットを予想するのは困難だと思います。長い保有期間が諸条件を改善することも多々ありますので、景気後退を予想して買い控えを行うのが正しいとは限りません)

まとめ)

まとめると以下の通りです。

① 2019年は融資の扉は少し開いていた。ただし頭金、資産背景の面で一定のハードルを越える必要があった。
② 2020年は2019年と同様で、頭金や資産背景は必要になるが融資は出る。ただし、破産案件の増加や、景気後退に注意。

繰り返しになりますが、これからは融資承認への抜け道(改ざん、ふかし)は通用しなくなっていると思いますので、資産背景含めて真っ向勝負できるよう準備しておくことが大切ですね。そのための準備については今まで掲載した5記事に書いてありますので、必要であれば見直してみてください。

次回は、2回の記事に分けて「継続して融資を引くための決算書解説」をお伝えしたいと思います。真っ向勝負で規模拡大を図るのであれば、決算書を育て、財務で不動産経営を語る必要があります。

お楽しみに!

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