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融資申込時の書類作成、及び交渉のポイントとは

10ヶ月前

半沢大家

2019年まで銀行員、現在は証券アドバイザーとして勤務する兼業大家。2018年以降、1年間で計4物件、融資を使って購入。現在アパート3棟、駐車場用地1筆を保有し、家賃年収は1,700万程度。不動産購入での銀行融資付を得意とし、投資家からの個別相談を受け、銀行打診の指南を行っている。


こんにちは、半沢大家です。前回の記事では融資承認に必要な属性・資産の水準ついてお話ししました。今回は実際の申込時の書類、交渉のポイントについて説明します。今までの記事で戦略の立て方、銀行・融資に関する知識、必要な属性等についてお話をしてきましたが、この記事は「実践編」です。具体的には今持っている武器(戦略)を資料に落とし込み、銀行員と交渉を重ね、融資承認をつかみ取るということです。交渉というと、少し緊張を招くかもしれませんが、心配はいりません。以前お話ししたように、銀行員は特別な存在ではなく、サラリーマンなのですから。今買いたいと考えているその物件に自信を持てるのであれば、あとは恐れることなく、粛々と好条件の融資承認を目指すのみです。

「申込書類作成」も「交渉」もベースは同じ。融資の3原則を常に意識して。

当たり前の話ですが、すべての提出書類には意味があります。源泉徴収票にしろ、固定資産評価証明書にしろ、謄本にしろ、すべての書類は「使途」「財源」「保全」を把握するための参考資料です。そして、それらの参考資料を自分の言葉でまとめたものが融資申込書です。書類提出に際しては、3原則のどの分野を突破するための書類なのか意識しながら準備しましょう。また、書類については公的な書類で準備をしましょう。銀行は基本的に公的な資料でしか数字を判断しません。

以上を踏まえて、まずは銀行への最低限の提出書類を3原則ごとに分けてまとめます。

① 使途
・物件概要書(価格の確認)
・諸経費等のエビデンス
・身分証明書
② 財源
・源泉徴収票(確定申告書)
・レントロール
・家計簿
・他の保有物件のレントロール、返済予定表
③ 保全
・物件概要書(土地、建物面積等物件情報の確認)
・対象物件の謄本
・固定資産評価証明書
・手元の金融資産をまとめた書類
・路線価図等
・他の保有物件の謄本、評価証明書等

これらの資料は最低限の資料と考えてよろしいかと思います。今までの記事で載せてきた戦略、自身の強みをより伝えやすくするため、申込書類には自分なりの工夫が必要となります。例としては、祖父の代まで同じエリアに住んでいるような人で、物件も同じエリアであれば、家系図や生い立ちといった説明書類が現地の金融機関には大きなアピールポイントになってくると思います。他には、今すぐの貯金がなくても家計簿を詳細に作成し、今後の貯金のペースを示すことができれば堅実な人だという印象を与えることもできると思います。
(たまに乗っている車の種類などを聞いてくる銀行もありますが、申込人が華美な生活を送っていないかを確認するための質問だったりします)

融資申込書の書き方、そのポイントについて。

融資申込書は、融資承認に向けてとても重要な書類です。業者を通して申し込むのと、自身が賃貸経営者としての自覚を持って自分の言葉で申込書類を作るのでは、銀行にとっても大きく印象が変わります。(業者を通してでも融資が通る方は作らなくてもいいかもしれませんが、金利等の条件改善に向け、特に新規の銀行へのアプローチであれば、ご自身で作成した方が印象が良くなると思います)

銀行側は「申込人はどんな人物か?」という観点をとても重視します。大きな金額を融資し、それを回収する必要があるわけですから、借りる人がしっかりとした人物か(定性評価といいます)は重要な判断基準になります。どれほど預金を持っていて、年収が高くても、悪意を持って借入を利用されてしまうと完全に回収するのは困難になります(突き詰めて考えると「銀行側が信じられるのは担保だけ」となります。預金は解約されてしまえばそれまでですし、年収が高くても自己破産されてしまえばそれでお終いです)。よって、借主がどんな人物か、しっかりと返済をしていく意思・能力のある人か、については数字面での評価と同じくらい大切なものだととらえています。
※住宅ローンのような簡易的な審査であれば、年収等の数字がものをいう世界です。逆にプロパーの事業用融資はその限りではないことが大半です。

融資申込書の作成については、正解はないと思いますが、自身の強み・想いをしっかりと認識してもらえるよう工夫をしましょう。また、銀行は減点方式の文化です。「こんなにプラスが出ます!」というアピールより、「こんなに悪い状況でも持ちこたえます!」というアピールの方が好まれることが多いかもしれません。

個人的な見解では融資申込書を作成するのに以下の4点を意識して作成します。
① 自分のことを銀行に理解してもらえるよう、賃貸経営を行うきっかけ、家系図等の自己紹介をしっかりと行う。
② 収支シミュレーションは通常の試算とは別に、厳しめなシミュレーションも記載し、それでも運営が継続できる点をアピールする。
③ 空室が埋まらない時の対応策を現時点から持ち、それを記載する。
④ 銀行にとって長期の優良顧客となることを意識させる。(例としては、定期預金継続の約束や、短期での売却を行わない旨の説明、親族を含めた預金移動の方針など)

申込の仕方、交渉の仕方

資料と融資申込書が完成したら、あとは直接銀行へ申し込みを行うだけです。
やり方は色々ですが、私の場合は電話でアポを取り、書類一式をファイルに綴じ込み、直接訪問します。銀行はアナログな世界ですので、顔を見せるという行為が大切ですし、そこでの対話で自分のファンになってくれれば、その担当者は熱意を持って案件に取り組んでくれます。(以前の記事でも述べましたが、融資担当者の熱量は融資承認に不可欠です)

可能性がある支店は極力多く回りたいところです。しかし、すべての銀行を回るわけにはいきませんので、電話の段階で案件の概要を伝え、銀行側から「まったく取り組むことができない」と感じられる反応があった場合は訪問をやめましょう。見込みなしです。

しかし、話を進めていくのが厳しいと感じた反応でも、「一般的には頭金が3割必要です」といった発言は完全に真に受けず食らいつきましょう。融資は出したいけれど、本部が通さないので時間の無駄になってしまうからハードルを上げておこうと考える担当者は多いものです。(食らいついてもダメなものはダメだったりしますが、数をこなすと相手のニュアンスが把握できるようになると思います)

訪問時は、今まで積み上げたロジックを持って自信を持って案件の説明を行います。相手がスーツですので、こちらもスーツ着用で訪問しましょう。そして何より銀行員を自身の事業のパートナーだと思って、横柄にならず、卑屈にならず、対等な立場で接しましょう。熱意と誠意をもって取り組み、担当者の気持ちを高めることができれば、あとは審査部との戦いに持ち込むことができます。

逆に言うと申込の面談を行った後も戦いは続きます。後日担当者から追加資料の依頼や、融資条件の交渉(たいていは悪化する内容での交渉)が続きます。追加資料に対しては極力早いレスポンスで対応しましょう。何回にもわたって資料を依頼されることも多く、「一度で指示してよ!」と感じることもあるかもしれませんが、担当者が本部と戦ってくれている証です。しっかりと協力してあげましょう。本部との戦いに切り替わった時点で、担当者は私達の味方だと考えるようにしましょう。

融資条件の打診については、自分の中で折れてはいけない分野と、やむを得ない分野を整理し、交渉に臨みましょう。融資金額についてはどうしようもないこともありますが、序盤に多くの銀行と面談を行い、同時に融資申込が進んでいる銀行がある場合、その条件を比較に出し、競争させることも有効です。個人的には、金利はこだわり過ぎず、ある程度譲歩してあげることも必要だと考えています。後に物件を順調に稼働させ、預金取引が増えてきたところで金利引き下げ交渉を行うことも可能ですから。

ここまでベストを尽くしたうえで、審査が通らないことは多々あります。しかし、ここで心が折れてはいけません。物件が買えるときは(融資に限らずですが)あきらめずに行動した最後のトライが実を結ぶことが多々あります。

精神論的ですが、この粘りを意識して賃貸経営を継続していきましょう。

まとめ)

今回は融資申込書の作り方と、実際に銀行訪問・融資承認に至るところまでを解説しました。融資承認までのプロセスは様々あると思うので、これが必ず正解とは言い切りませんが、銀行にどのようなアプローチを行えばよいかイメージがわかない人は、参考にしていただければと思います。

繰り返しますが、融資3原則を意識した資料・申込書づくりを行い、事業者として自信を持って銀行員にプレゼンを行うこと。銀行側の都合を考え、「この人と長く付き合いたい」と思わせるような言動を意識すれば、多くのライバルに差をつけるアプローチが可能になります。

現役銀行員大家の目線から考察する、融資攻略については今回でいったんの区切りとなります。不動産の仕入れの局面では、良い物件と良い融資条件の組み合わせが大きな効果を生みます。銀行という閉鎖的で情報が少ない関門だからこそ、正しい方向で努力した人とそうでない人に大きな成果の差が生まれてくると考えています。

今回の記事がみなさまの不動産経営に少しでもお役に立てれば幸いです。この度はありがとうございました。また機会があればお会いしましょう。

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