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融資承認に必要な属性、資産条件とは

12ヶ月前

半沢大家

現役の銀行員大家。2018年以降、1年間で計4物件、融資を使って購入。現在アパート3棟、駐車場用地1筆を保有し、家賃年収は1,700万程度。不動産購入での銀行融資付を得意とし、投資家からの個別相談を受け、銀行打診の指南を行っている。


こんにちは、半沢大家です。前回の記事では銀行の業態の違いと狙うべき戦略についてお話ししました。今回は「融資承認に必要な属性・資産の水準」について説明します。銀行は、「収支が合う」「担保評価が出る」物件や「他に手堅い収入がある」「他に多くの資産を持つ」人間にお金を貸したがります。

昨今の融資情勢では余計厳しくなっていますが、その理由は(不正・過剰融資により)破綻が懸念される案件が不動産融資に多く、金融庁から厳しく指導が入っているからです。銀行に対し「どう転んでも私は破綻しませんよ」とアピールし、認識してもらえれば、そのまま銀行が金融庁に言い訳ができる案件となります。

ではそのアピールに必要な戦略とは何か。順番に説明していきます。

融資承認をもらうにはどの程度の属性・資産が必要とされるのか?

融資承認をもらうための水準についてですが、当然案件の金額・内容によって異なります。よく「借入金額は年収の○○倍以内」「最低でも年収〇〇万以上」「自己資金〇〇割以上」という内容を耳にしますが、それは数ある評価方法の一つです。案件申込の要件に定めている銀行もありますが、それは申込者を絞るためのフィルタに近い役割だと思います。基本的に不動産への融資は事業への融資であり、フィルタを突破しただけでは審査が承認となることはあり得ません。

※例外として、画一化されたローン審査(住宅ローン、マイカーローン、一部のアパートローンなど)では、一次審査の内容(年収、勤務先、保有資産の申告)で承認まで出ます。

承認を取るには融資三原則を充足させ、その根拠を自身で示すべし

「属性・資産」は詰まるところ審査部を攻略するための武器です。武器無しでは戦えませんが、武器だけ優秀でも審査部を攻略することはできません。その武器を使って、いかに「この案件が問題ないか」をアピールしましょう。

そのために常に意識すべきは「融資の三原則」です。
① 使途
「案件のストーリー」「物件のエリア」「独自の強み」
② 財源
「収入と返済のバランス」「他の収入」「生活のコスト」
③ 保全
「物件の担保評価」「預貯金含む処分可能な資産」

今回の「属性・資産」の分野は、「財源」「保全」攻略の肝の部分です。
「属性・資産」に「融資対象の物件が持つパワー」「事業者としての能力」が合わさって審査部を攻略できたとき、承認が下ります。

「財源」を攻略するために必要な水準とは

銀行によって違いますが、私の感覚だと世帯余力を合わせた返済比率50%以内が一つの基準になるかと思います。

返済比率とは、「返済額÷家賃収入」で出る割合のこと。世帯余力を合わせた返済比率が50%以内とは、家賃収入に家計の余力を足した総収入が返済金額の2倍以上であることを指す。

よく耳にするかもしれませんが、銀行は財源にストレスをかけます。よくある水準としては、「金利4%、空室20%でも返済が可能か?」などの水準で、実際の稼働よりも厳しい条件で返済が継続できるかをチェックします。

その際、返済比率50%以内だとこの水準に到達することができます。

(例)
毎月賃料(+家計の余力) 100万円
経費     (20%)  ▲20万円
空室     (20%)  ▲20万円
返済     (50%)  ▲50万円
金利ストレス (10%)  ▲10万円
収支            0万円

このシミュレーションはかなり大雑把であり、経費率は立地・築年数によって大きく変動します。ストレスのかけ方も銀行によって様々なので絶対的なものではなく、このシミュレーションは基準の一つとして参考にとどめてください。

そして、大切なことは、上記のシミュレーションが成り立つことを自身のエビデンス・プレゼンで銀行に納得させることです。
また、このシミュレーションを確定させるためには、いくつかの変動要素を確定させる(銀行を納得させる)必要があります。

① 毎月の家賃
毎月の想定賃料が相場とかけ離れていないか。

② 家計の余力
他の収入により不動産の返済に補填できるか。給与収入であれば、安定的に見込める収入か(銀行は公務員や上場企業からの給与収入を安定的に見込める収入とみなしがちです)。家族の状況による、家計の出費やローンの返済はいくらか。実態の貯金額が家計の余力から考えられる想定貯金額と一致しているか。貯金が少なければ何か理由があるか。

③ 経費率
経費の見込みは適当か。大規模修繕への備えを織り込んでいるか。

④ 空室率
空室への対策を自身で練っているか。そもそもエリアとしての需要が見込めるか。空室を埋める覚悟があるか。

上記について納得できる根拠を示し、ストレスをかけても返済は継続できると判断された場合、「財源」についてはクリアしたことになります。

「保全」を攻略するために必要な水準とは

「保全」の評価については、「財源」以上に銀行ごとの差異が出ます。よって、絶対的な水準が定めにくい分野ではありますが、基本は「土地」「建物」「保有資産」の評価額合計を、借入金額の1.2~1.3倍程度確保すれば、土俵に乗るのではないかと思います。

ここで気を付けるべきは不動産の評価方法が多数あることです。
土地に関して言えば、
① 相場価格
② 路線価
③ 固定資産税評価
などが主な評価方法ですが、同じ土地でも大きく価格が変わります。基本的には相場価格が一番高く、固定資産税評価が一番安いですが、地方に行くとこれが逆転することもあります。また、「土地の形状」や「近隣の状況」などによって評価が減ることがあります。

また、建物に関して言えば、中古物件の場合
「延べ床面積×再調達価格(1㎡あたりの建築単価)×耐用年数の経過控除」
を元に評価することが多いです。しかし、再調達価格がいくらになるのか、耐用年数は何年で計算するのかなど差異が多いです。RC物件の耐用年数は47年ですが、30年くらいで評価する銀行もありますからね。また木造は22年ですが、築22年の木造物件の評価が0円かというとまた実態と離れている気がします。

また、新築の場合は、見積もりから建物価格を割り出す手法が多いですが、外構工事・外部給排水工事などは建物価格に含めるのかなども銀行によって変わります。

そもそも、収益還元法(その物件が稼ぐ力をもとにして評価を出す方法)を取る方法もあります。また、こうしてできた物件の担保評価の6割、7割を正式な担保価格にするケースも多いです。

結局、基本的に銀行の評価は厳しく、物件単体の評価だけでは「保全」をクリアすることは稀です。よって不足分を補うための自己資金、資産余力を提示する必要があります。

また保有する金融資産についても、評価方法が変わるケースがあります。株式・投資信託などの変動する資産については70%で評価するケースや、保険についてはその時点の解約返戻金(かいやくへんれいきん)額を保有資産として計上することもあります。既存保有の不動産についても評価方法が変わり、銀行にとってエリア外の物件はそもそも評価の対象から外すこともあります。
※すべて銀行により変わります。

極力金融資産は現預金、それも申し込む銀行の定期預金などになっていると余力資産としては最も評価されるのではないかと思います。(既存の銀行で積立定期を継続し、積み上がった預金は相手にも努力が伝わるので好印象になるかもしれません)

最後に、味方にできる資産は味方につけましょう。結婚していれば配偶者、子供を味方につけ、可能な限りアピールできる金融資産をかき集める。親が理解を示してくれていればその貯金、自宅の評価余力、相続予定資産などを盛り込む。すべて余力資産に見てくれるかはわかりませんが、保全攻略に確実にプラスに働きます。

まとめ

今回は属性・資産に的を絞り、融資の三原則のなかでも「財源」「保全」の攻略方法をお伝えしました。

「財源」
返済比率50%以下を目安
家計の余力、経費率などを認識し、ストレス後でも返済できると銀行に納得させる

「保全」
借入額の1.2~1.3倍の資産(銀行評価での価格)を示す
足りなければ、金融資産は協力者のものもかき集め、武器として利用する

次回は実際の申込方法と手順、交渉についてお伝えしたいと思います。
お楽しみに!

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