【重要】新型コロナウイルス感染症への対応について

閉じる

銀行ごとの「融資基準」、特徴の違いは?  その上で狙うべき金融機関は?

1年前

半沢大家

現役の銀行員大家。2018年以降、1年間で計4物件、融資を使って購入。現在アパート3棟、駐車場用地1筆を保有し、家賃年収は1,700万程度。不動産購入での銀行融資付を得意とし、投資家からの個別相談を受け、銀行打診の指南を行っている。


こんにちは、半沢大家です。前回の記事では不動産融資の種類、返済方法についてお話ししました。今回は銀行の組織業態の種類と違いについてお話しします。銀行は、「メガバンク」「地銀(地方銀行)」「信金(信用金庫)」「信組(信用組合)」、等多くの業態があります。日常生活の中ではこれらの業態の違いを意識することは少ないかもしれません。しかし、こういった違いはそのまま業務内容にも色濃く反映されており、その違いを知ることで賃貸経営を行う上での戦略が異なってきます。

今回の記事では、これらの銀行の組織形態を理解したうえで、自身にとって最適なパートナーとなり得る金融機関を探す戦略をお伝えします。

銀行の種類と数について

先ほどお話ししたように金融機関には業態にいくつかの違いがあります。「メガバンク(都市銀行)」、「信託銀行」、「地方銀行」、「信用金庫」、「信用組合」 等いくつか種類があります。

「メガバンク」とは、『三菱UFJ』グループ、『三井住友』グループ、『みずほ』グループの3大メガバンクを指し、「都市銀行」には『りそな銀行』、『埼玉りそな銀行』が追加され全5行となります(「都市銀行」は、東京・大阪などに本店を置き、日本の広域に営業活動を展開している銀行を指します)。海外にも広く店舗網を持ち、海外での営業活動も積極的に行います。

「地方銀行」は、厳密に分けると所属している協会によって「地方銀行」と「第2地方銀行」に分かれますが、基本的に各都道府県で最大規模の金融機関であり、地域経済に大きな影響を持ちます。多くの「地方銀行」は本店を置く都道府県以外にも店舗展開を行い、「メガバンク」ほど広くはありませんが一定の融資エリアに対応しています。

「信金・信組」は、「地方銀行」よりもさらに狭いエリアでの活動を行っています。同じ都道府県内でも対象外エリアがあり、2~3の市町村のみで活動している組織もあります。また、「信金・信組」は非営利法人であり、株式会社である「都市銀行・地方銀行」の設立目的とは違い、利益を上げることを目的としていません。「信金」は国民・地域の発展、「信組」は組合員の相互扶助を目的として活動しています。実際は融資残高を伸ばすために活動をしていますが、株式会社である銀行と少し空気が違うなと感じることもあります(筆者の個人的な感覚ですが)。

このようにいくつかの種類に分かれている銀行ですが、日本全体を見渡すとかなりの数が存在します。銀行の数は、『株式会社日本金融通信社』の記事、『最新の業態別金融機関数』等でも調べることが可能です。

普段意識をしていませんが、「都市銀行」や「信託銀行」に比べて「信金・信組」の数は圧倒的と言われています。昨今の厳しい融資緒情勢の中でも、チャンスと捉えてもいいかもしれません。

また余談ですが、「地方銀行」は各都道府県ごとに1行だけ存在するとは限りません。先ほどお話ししたように所属している協会ごとに決まるため、『全国地方銀行協会』に属している銀行は「地方銀行」に分類され、「地方銀行」が2行以上ある都道府県も存在します(そのため、第二地銀に対して第一地銀と呼ばれることもありますがこれは俗称であり、正確には「地方銀行」と呼びます)。

各業態の違いと、それを踏まえての戦略は?

この内容が、今回のメインです。各銀行業態には対象とする顧客層・融資金額・金利・エリア等がおおよそ定められており、この条件を大きく逸脱した融資は基本的には行われません。預金取引がある、給与受取口座がある、エリアが合致しているなどの条件は、融資承認に有利となることはありますが、そもそものターゲットとなる顧客層や融資条件から外れていては、基本的に不動産融資取引は始まりません。よって、自分がどの銀行に融資を申し込むべきかは、自身の属性・申込内容がどの銀行とマッチするかを認識して、初めて決定できます。

逆に考えると、普段給与を受け取り、生活資金を預けている既存の取引銀行が最適なマッチングの相手とは限らないということです。銀行は先ほど記載した通り、多くの数が日本全国に存在します。優良な融資条件と優良な物件・運営が組み合わさることが賃貸経営の成功だとすれば、物件を探すのと同様、銀行探しも大切です。しっかりと取り組むようにしましょう。

まず、「メガバンク(都市銀行)」ですが、基本的に富裕層を対象としています。特に、銀行においては「賃貸経営は資産家が行うものだ」という認識があるため、「メガバンク」で上位顧客として認識されるには並大抵の取引量では適いません。しかし、金利についてはかなりの低水準での融資を行っています。「メガバンク」の法人向け融資では1部上場企業を相手にすることも多く、0.5%以下の金利水準にも慣れています。不動産向け融資でその水準まで下がるかは審査次第でしょうが、審査の目線として1%未満の金利も取り扱うことも可能だと考えられます。

次に「地方銀行」ですが、基本的に地域密着を掲げ、エリア内(支店があるエリア)での融資を取り扱うことが多いです。ただし、先ほどお伝えした通り「地方銀行」までは営利企業のため、融資残高獲得のためならある程度融通を利かせることもあります。金利は平均すると1.0~1.5%程度が多いと考えられます。ただし、賃貸不動産への融資は依然厳しく、2%、3%台の金利となることも多いかもしれません(地銀に限った話ではありませんが)。

最後に「信金・信組」についてですが、非営利企業であることからエリアについては融通が利かず、厳しいことが多いです。組合員の預金はその地域のために利用するという理念があり、より地域密着を意識した営業を行っています。金利も「メガ・地銀」ほど低い水準になることは稀で、1.5%以上を確保しようとすることが多いように見受けられます。逆に、ある程度の取引量を満たせば大口客として認識してもらえる可能性が高いです。特に地方では大口の顧客は地方銀行などに流れてしまっているケースも多く、サラリーマン投資家が突破口を見出すとすれば、「信金・信組」が選択肢として入ると考えています。

また、特筆したいのは業態による融資3原則(使途、財源、保全)の優先度の違いです。第1回目の記事で、融資判断のための3原則をご紹介しましたが、営利企業、非営利企業の違いから、融資判断に歪みが生じていると考えています。

※『融資3原則』とは、融資判断の時に重要視される3大ポイントのこと
使途:お金の使い道、ストーリー
財源:返済可能と判断されるお金のフロー
保全:万が一のときの銀行にとっての回収手段

営利企業である「メガ・地銀」は融資金回収不能による損失を恐れており、財源・保全を重視する傾向があります。よって、属性、預金、担保評価で他の顧客よりも抜きん出れば、融資承認を得られる可能性が高くなります。銀行・支店の規模が大きくなればなるほど上位顧客に入るのは難しくなりますが、その分金利水準等の融資条件は有利なものとなる可能性が高いです。

逆に非営利企業である「信金・信組」は使途に重きを置いた判断を行うことが多いです。つまり、保有資産・属性の勝負ではなく、ストーリーによる勝負の比率が高いということです。

昨今の融資情勢で審査のハードルが上がっている以上、「メガ・地銀」の上位顧客に入れない人が融資承認を獲得するためには「使途」を重視してくれる金融機関を選び、そこで勝負する必要があります。「使途」は短期的な努力の介入が可能な唯一の分野であり(いきなり預金を数百万貯めたり、年収を大幅に上げたりすることは不可能ですよね)、ここで手を抜いてはいけません。

「信金・信組」を狙うのであれば、前回の記事でお伝えした通り自身の強みや地域性を認識し、それを賃貸経営に結び付けることにより、地域社会・組合員の発展に貢献する事業であることを訴えかけましょう。

まとめ

今回は銀行業態による顧客層の違いと、それに伴う戦略の違いについてお伝えしました。

・「メガバンク」は富裕層がターゲット。財源・保全を重視し、金利が低め。
・「信金・信組」はエリア・地域性を満たす顧客がターゲット。使途を重視し、金利が高め。
・「地銀」は両社の中間。

といったところでしょうか。

そして金融機関は自分が思っているよりも多くの数存在し、その中に自分とマッチする先がある可能性を常に忘れないようにしましょう。繰り返しになりますが、良い融資条件は良い賃貸経営に不可欠であり、今の努力が必ず将来に良い影響を及ぼします。

次回は融資を受けるために必要な「属性・資産条件」についてお伝えしたいと思います。お楽しみに!

この記事のタグ

        

あなたにおすすめの記事

新着記事

賃貸経営お役立ち情報【PR】

賃貸経営お役立ち情報【PR】

お電話でも受付中

入力方法が分からない場合など、お気軽にお問い合わせください。

0120-112-180

無料!お電話で問い合わせる

受付時間:9:30~18:00
月~金曜日(祝日・年末年始を除く)