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賃貸経営を有利に運ぶために、狙うべき借入方法とは?

8ヶ月前

半沢大家

現役の銀行員大家。2018年以降、1年間で計4物件、融資を使って購入。現在アパート3棟、駐車場用地1筆を保有し、家賃年収は1,700万程度。不動産購入での銀行融資付を得意とし、投資家からの個別相談を受け、銀行打診の指南を行っている。


こんにちは、半沢大家です。前回の記事では融資を受けるための準備、および銀行の与信判断の3原則についてお話ししました。今回は借入の制度、返済方法についてお話しします。その中で、自分がどの借入方法を選択すれば有利に賃貸経営を進められるか、についてお話ししたいと思います。アパートローンとプロパーローンについて、元利均等返済と元金均等返済の違い、などについて解説し、最終的にどの方法を目指すべきかについて解説していきます。

アパートローンとプロパーローンとは?

実はこの2つは定義が定まっていないと感じるのですが、個人的な定義としては

アパートローン:画一化されたローン。審査方法などがある程度決まっている。

プロパーローン:オーダーメードのローン。審査の切り口が多様的で、貸出方法も融通が利く。保証会社がつかない。

と考えています。

よく「アパートローンはサラリーマンの属性を重視」「プロパーローンは賃貸経営の事業性を重視する」などと使われていますし、おおよそ間違いではないと思うのですが、プロパーローンとは本来「保証協会などの保証会社を介さずに銀行が直接行う融資」を指します。

よって保証協会・保証会社などがついていなければ、アパートローンもプロパーローンの一種だと考えられます。ただし、銀行によってはアパートローンに保証会社がついており、その場合はプロパーではないと言えます。

つまりアパートローンという商品の中にも

①保証会社のついていないプロパーローン

②保証会社のついている非プロパーローン

の2種類が混在しているというわけです。

※ただし、保証会社が付いていないアパートローンだからといって、その人の事業性を評価しているとは限りません。継続して融資を引くためには、銀行から事業者としての評価を受けるよう取引を維持することが大切だと思います。

プロパーローンでない場合、つまり保証会社が入るということは、銀行は保証料を払わなくてはならないので、ある程度高い金利水準になってきます。例えば、消費性ローンである「住宅ローン」「マイカーローン」「フリーローン」などにはプロパー融資が使われることは少なく、保証会社がついています(ローンの商品概要に保証会社の保証が受けられる方、と書かれていると思います)。住宅ローンは特例で超低金利ですが、その他のローンは2%台以上の金利であることが多いと思います。これは銀行が保証会社に保証料を支払う必要があり、ある程度の金利を取らないと採算が合わないためです。

よって、最終的に目指すべき借入方法はプロパーローン(特に事業性評価先としての)ということになります。基本的にはプロパーローンのほうが金利が低く、融資条件も融通が利きます。

元利均等返済、元金均等返済とは?

融資の返済方法にはいくつか種類がありますが、賃貸業で用いられる借入返済方法は元利均等返済と元金均等返済の2種類でしょう。

名前の通り、元利金(元金と利息の返済額)が均等(変わらない)な返済方法と、元金(利息は除く)が均等な返済方法です。

どちらが絶対的にお得という話はありませんが、考察が多い部分なので考えを述べさせていただきます。

まず元利均等返済ですが以下のメリット・デメリットがあると考えています。

〇メリット

・初期の返済額が少ない。前半にキャッシュを残し、再投資に充てることができる。

・毎月の返済額が変わらず、管理しやすい。

〇デメリット

・合計の金利支払額が大きい。

・建物の減価償却は定額で減っていくのに対し、元金の減るスピードが遅い。

 →決算書上債務超過に陥りやすい。

・高金利時は、元金の減少スピードがとても遅い。

個人的には初期のキャッシュフローは大事だと考えているので、元利均等返済にしています。しかし、新築・築浅物件の場合、築年数経過とともに家賃が下落していくことも考えられますので、初期のキャッシュフローを全て純利益だと考えないように気を付けたいところです。初期のキャッシュフローを散財してしまうと、後半苦しい戦いを強いられることになります。また、金利が低ければよいのですが、高金利で元利均等にした場合本当に借入額の減少が遅いです! インターネットでシミュレーションができるので、試してみてください。5年後、10年後に売却する際に「残債が減っていない!」と嘆くことのないよう気を付けましょう。

次に元金均等返済です。メリット・デメリットは先ほどの裏返しですが、

〇メリット

・総体の金利支払いが少ない。

・毎期同じペースで借入額が減っていくので、バランスシートが毀損(きそん)しにくい。

〇デメリット

・初期の返済額が大きい。

・返済額が変化する。

余談ですが、事業用の運転資金や設備資金は元金均等が多いです。逆に、住宅ローン、マイカーローンなどの消費性ローンは元利均等がほとんどです。前者は決算書(バランスシート)を意識する一方、消費性ローンの利用者は決算書は意識しない人が多いですから、ある程度理にかなっているのかもしれませんね。

どんな返済方法を選ぶべきか?

→正解はない。バランスシートとキャッシュフローのバランスを意識する。

正直どちらが正解というのはありません。

しかし、長期的に物件を買い増ししていくのであれば、プロパーローンの領域に早く踏み入ることが大切です。手元のキャッシュだけではなく、自身の純資産を決算書等で銀行にアピールすることにより、継続した融資承認獲得へとつながります。

また個人的にはですが、個人で保有し確定申告をする物件については、元利均等のほうがいいのかなと考えています。銀行へ新規融資を打診する時、確定申告書を提出すると思いますが、その際バランスシートを見られる可能性が法人の時よりは少ないと考えているからです。

つまり、個人の場合バランスシートをよく見せられる元金均等返済を選ぶよりも、元利均等返済により前半キャッシュを残し、再投資に充てる動きをする(頭金を積む)ほうが次の物件に取り組みやすいのではと考えています。

日本の今の金利情勢は世界的に見ても異常(に低い)だと思います。また、不動産は借入を起こしレバレッジをかけられるという利点を持っています。バランスシートの毀損(きそん)に気を付けさえすれば、手元キャッシュを残す動きが有利と考えています。 ※ただし、投資手法・返済方法は人それぞれで「正解はない」が結論にはなります

プロパーローンの応用例について

→返済据え置き、バックファイナンス等を狙おう

先ほどお話しした通り、プロパーローンはオーダーメードの借入です。

状況によっては賃貸経営に有利な応用が利きますので、ご紹介しておきます。

①元金返済の据え置き

新築案件や、再生案件など、購入時に著しく入居率が低い時などに交渉可能です。3~6か月程度の期間、返済を進めず金利のみの支払いにすることにより、初期のキャッシュアウトを減らすことができます。早いうちに満室となれば、賃料はほぼ自身の手残りとなるので、自己資金割合を数%減らすのと同じ効果が得られるのではないでしょうか。

➁バックファイナンス

基本的に銀行は既に支払った資金分の融資は行いません。しかし、これも説明によって覆すことが可能な場合があります。ケースはさまざまですが、十分な資産と取引実績を持つ優良顧客であるほど、融通が利くケースが多くなります。既存の取引行との関係も大事にしておきましょうね。定期預金などを作ることは、銀行との取引を厚くすることにつながります。古典的ですが。

※定期預金か投資信託か。

担当者が喜ぶのは投資信託であることが多いかもしれませんが、審査部が喜ぶのは定期預金かもしれません。実は、定期預金は反対債権になりますが、投資信託は反対債権にはならないからです。

反対債権とは、簡単に言うとその債務者が破産した時に、その銀行が単独で差し押さえられる財産を指します。A銀行の普通預金・定期預金は、破産した時A銀行の借入を返済させるためにA銀行が全額差し押さえられるのに対し、A銀行で申し込んだ投資信託はA銀行単独で差し押さえることができません。

普通預金だと簡単に下ろせてしまいますが、定期預金だと少なくとも窓口での手続きが必要になるため、審査時に万が一の時の担保のような見方をすることがあります。 積立定期などで、取引の歴史とともに定期預金を積み上げると印象がいいかもしれません。

まとめ

今回は銀行の借入制度・返済方法について解説しました。

基本的に借入申込時に重視するのは「融資金額」「融資期間」「金利」だと思いますが、今回の内容を認識し、より有利な借入条件を手繰り寄せましょう。

次回は銀行の組織に焦点を当て、攻略の糸口を探ります。

お楽しみに!

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